2017年11月16日更新
鱧(ハモ)の旬はいつ?値段や産地なども
鱧(ハモ)は食感も良く、歯ごたえも良いのが魅力な魚です。そんな鱧は刺身の他に蒲焼などにしても美味しく食べることができます。良く知っているようで知らない鱧にはまだまだ情報があるため、本ページではそんな鱧の旬な時期や季節、栄養、値段、産地、湯引きのことなどについてもご紹介します。
鱧(ハモ)とは
ウナギと形状が似ている鱧(ハモ)は、長細い身体が2メートルも超える縦に大きい魚です。科目はウナギ目ハモ科ハモ属に分類され、体長は70cmにもなる存在感ばっちりの魚でもあります。
そんな鱧は温かい海水を好む性質を持ち、日本の中部から南の海水にかけて生息しています。ウナギと同様に「鱧料理」というジャンルを聞いたことがある方もいますよね。比較的知名度も高いため、周知されている魚の一つと言えるでしょう。
鱧(ハモ)の特徴
細長い姿をしている鱧はウロコのない魚です。今も昔も高騰続きのウナギの仲間である鱧は熱帯地域を主として世界では8種、日本では鱧、スズハモ、ハシナガアナゴの3種がいます。
また、鱧は口が非常に大きい特徴を持っており、それでいて口の端は裂けています。口裂けのような姿にも見える鱧は両側の頬部分に犬歯のような鋭利な歯が並んでいるのも特徴の一つと言えるでしょう。
鱧料理は美味しいと多くの方たちから絶賛されていますが、鱧の好物はイカやタコ、エビやカニといった人間が好きなものを好んで捕食するため、鱧料理が食通の方たちに好まれる理由はそういった点にも繋がりがあるかもしれませんね。
鱧(ハモ)の産地は?
鱧は先ほども触れましたが、温かい海水を好む性質があるため、南側の海岸部に多く生息しており、日本では西日本海辺りが鱧が好む海水の温度をしています。そのため、鱧の産地となるのは主に和歌山県や徳島県、愛媛県、山口県、長崎県などの地域になり、この辺りでは鱧が多く出荷されています。
また、日本以外でも韓国や中国などからも輸入されており、国産ものよりも安価で販売されています。
鱧料理と言えば京都で出されているイメージがあり、鱧=高級魚という印象を受けますが、その理由は京都の夏になる頃の季節で催される祇園祭で鱧料理が顔を出すことで定着したイメージだからでしょう。
そのため、京都に住む方は鱧料理を良くご存じなのではないでしょうか。それだけ鱧料理は京都の文化として料亭や旅館などで鱧料理が振る舞われています。
鱧(ハモ)の旬な時期・季節
鱧はお高い魚というイメージがついて回りますが、いつ食べても美味しいのでしょうか。どうせ口にするなら最高に美味しい瞬間を熟知して味わいたいですよね。
鱧の旬な時期
鱧は時期や季節関係なく楽しめる魚で旬と言われる時期がないと感じている方も多いですが、鱧が美味しく食べられる旬な時期は6~7月にかけての夏の季節です。
確かに鱧はもともと味が良いため、一年中舌つづみを打てる魚ですが、初夏の季節の鱧は海水の温度も上昇して元気に活発な動きをするようになるため、身が引き締まってより一層美味しく食べることが可能です。
8月の夏真っ盛りな季節を迎えると鱧は産卵の時期に突入して身体がやせ細ってしまいます。この季節の鱧は身体に十分な身が備わっていないため口にしてもあまり旨みを感じられません。
しかしここで終わらないのが鱧の力です。鱧が美味しい旬な時期はもう一度あり、10月になると産卵を終えた鱧は再度食欲旺盛な状態になり身に脂が乗ってくるようになります。
10月の鱧は2度目の美味しさを兼ね備えているため、「落ち鱧」や「金鱧」と言われ、脂がたくさん乗った状態で且つ深い味わいを舌でたっぷり堪能できることで名づけられたほどです。そのため、鱧を食す時期は旬である6~7月の初夏の旬の時期と脂がたっぷりと乗った10月頃の秋の季節に楽しむのが一番です。
鱧(ハモ)の栄養
鱧から得られる栄養については様々なものがあり、良質なタンパク質や脂質、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミン12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸などの豊富なビタミンB群やビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、亜鉛などの豊富な栄養価がぎっしりと含まれています。
力が出なくなり、食欲も落ちる夏場に備えて夏が始まる前の季節に食べると元気に夏真っ盛りを迎えられるかもしれませんね。
出典:「日本食品標準表2015年版(七訂)」
鱧(ハモ)料理。蒲焼や刺身・湯引きについて
鱧には様々な栄養価があるため、積極的に食事内容に取り込んでいきたいですよね。味や食感、風味についても食通が唸る京都で愛されてきたほどですから心も満足できる魚です。そんな鱧の刺身や蒲焼、湯引きについて触れていきます。
鱧の蒲焼
鱧料理はウナギの蒲焼と同じように鱧の蒲焼としての料理があります。鱧の蒲焼は京都を代表とするほどの注目を浴びてきた料理の一つであり、別名鱧の照焼とも言われています。
鱧が持つ旨みを最大限に引き出せる調理法が取られており、骨切りをした鱧を白焼きにし、鱧の頭と骨で出汁を取った旨みたっぷりの特製タレでじっくりとそれでいてふっくらと焼き上げる方法が取られているため、非常に濃厚で密な味を楽しめます。
鱧の湯引き
鱧料理で知名度が高いと感じられるのは蒲焼などですが、もう一つ「湯引き」という調理法でできる鱧料理も比較的ご存じの方が多いでしょう。骨切りを終えた鱧を氷水で締めて作る鱧の湯引きは料亭などで良くお目にかかります。鱧の湯引きは別名「落とし」とも呼ばれており、風情を感じられる料理に大変身を遂げます。
鱧の刺身
鱧自体で刺身を作ることも可能です。一般的には非常に珍しい扱いを受けますが、鱧の皮を取り除き、皮目を下にしながら無数に並ぶ身の小骨に刃を入れ、小骨を避けるようにしながら身をそぎ取れば刺身として食べることも可能です。
しかし、鱧の刺身を口にしたことがある方は貴重な存在でしょう。それほど滅多にしない食べ方と言える鱧の刺身は食べたことがある方にしか分からない旨みがあると言えそうです。
品のある鱧料理を一度は食べてみよう
品が漂う鱧料理は同じく品のある京都の文化とされているものです。敷居が高いと感じる部分はありますが、美味しいものを食べる時は上質さも一緒に楽しみながら積極的に味わってみるのも良いでしょう。まだ口にしたことがないという方は鱧料理を食べてその美味しさに体も心も預けてみてはいかがでしょうか。