2017年10月26日更新
柿の効能や効果とは?柿の成分を見てみよう
秋は美味しいものがいっぱいです。旬な食材はその時期に必要な栄養成分を豊富に含み健康に良い効果がたくさんあると言いますが、秋の味覚に一つ柿もその一つです。今回は柿の成分から体に良いといわれる効能や効果を調べました。
柿の成分
10~11月が一番美味しい時期を迎えると言われている柿。柿というと口をそろえたように帰ってくる言葉は「柿が赤くなれば医者が青くなる」という言葉です。
それだけ栄養価に優れ健康に良い果物と言われる柿の成分の特徴はカリウムの含有量が多く、ビタミンの中でもビタミンAとCがたくさん含まれている点です。
文部科学省・日本食品標準成分表2015年版(七訂)準拠の「食品成分表2017」より生の甘柿と渋柿の渋抜き柿の可食部100g当たりの栄養成分そして人気の干し柿についての栄養成分について調べました。
項目 | 甘柿・生100g | 渋柿・生100g | 干し柿100g | |
---|---|---|---|---|
カロリー | 60kcal | 63kcal | 276kcal | |
一般成分 | 水分 | 83.1g | 82.2g | 24g |
タンパク質 | 0.4g | 0.5g | 1.5g | |
脂質 | 0.2g | 0.1g | 1.7g | |
炭水化物 | 15.9g | 16.9g | 71.3g | |
ミネラル | カリウム | 170mg | 200mg | 670mg |
カルシウム | 9mg | 7mg | 27mg | |
マグネシウム | 6mg | 6mg | 26mg | |
リン | 14mg | 16mg | 62mg | |
ビタミン | ビタミンA | 1.132mg | 0.816mg | 4mg |
ビタミンC | 70mg | 55mg | 2mg | |
ビタミンE | 0.1mg | 0.2mg | 0.4mg | |
ビタミンB1 | 0.03mg | 0.02mg | 0.02mg | |
ビタミンB2 | 0.02mg | 0.02mg | – | |
ナイアシン | 0.3mg | 0.3mg | 0.6mg | |
ビタミンB6 | 0.06mg | 0.05mg | 0.13mg | |
パントテン酸 | 0.28mg | 0.27mg | 0.85mg | |
一般成分 | 糖質(※) | 14.3g | 14.1g | 57.3g |
(※)糖質は 炭水化物-食物繊維 で算出しています。
柿の効能と効果
干し柿は果肉の水分を乾燥させうま味を凝縮させた柿の美味しい食べ方の一つです。
栄養素が凝縮され生柿よりの健康に効果的な栄養成分の含有量が多いですが、その分糖度も高く生柿よりもカロリーが高くなっています。
ダイエットには向きませんが、栄養補給のために程よい分量を摂取するには良い食品です。干し柿を食べるときはカロリーや栄養素の含有量を考えて上手に摂取してください。
本項では特に生柿の栄養成分を見ながら生柿の効能と効果を見てみました。
ビタミンCの効能と効果
ビタミンCというとすっぱいイメージなので、甘みのある柿には疎遠な栄養成分だと感じてしまいますが、甘い生柿でもビタミンCをたくさん含有しています。
たとえばキウイ100g当たりにビタミンCの含有量は69mg、イチゴは62mgですが、柿は70mgと微量ではありますがキウイやイチゴよりもたくさんビタミンCを含んでいます。
ビタミンCは細胞を老化させる活性酸素を除去して抗酸化作用の働きを強めてくれる作用があります。またコラーゲンの生成を促すほか免疫力を高める作用があります。抗酸化作用の働きでは血管の老化防止を図ることができ動脈硬化や脳梗塞などに効果が期待され、抗酸化作用と同時にコラーゲンの生成が促されることで、肌に潤いを与えシミやシワに効果があり美肌美白効果に期待されています。
免疫力を高めてくれるビタミンCの効能はウイルスに強い体つくりに効果があり、風邪やインフルエンザの予防につながります。また疲労回復やイライラする気持ちを落ち着かせてくれることにも効果的だと言われます。
ビタミンAの効能と効果
柿のオレンジ色は、体内でビタミンAに変わる色素成分であるカロテンのほか、同じカロテノイドの一種であるβクリプトキサンチンがたくさん含まれていることでこのような色を発色しているのです。
カロテンはニンジンのオレンジ色に関与する成分であることは有名ですが、柿に含まれているβクリプトキサンチンもカロテンと一緒に柿の色素に関係する成分です。骨の形成を助ける作用もあり骨粗鬆症に効果的だと言われます。
またこの成分は抗酸化物質として働き、活性酸素を抑制します。その効果はがん細胞の増殖を抑制するとも言われます。実際に50種類以上のβクリプトキサンチンを含むカロテノイドを用いてスクリーングテストを行ったチームからがん細胞の抑制の効果の報告が上がっているほか、マウスやラットを使った動物実験からもその効果が認められています。
カリウムの効能と効果
柿のミネラル成分の中でも特に含有量の多いカリウムはむくみの解消に効果的です。体の余分なナトリウムの排泄を促すことで血圧を下げる効果があります。そのため高血圧の予防や脳血管障害にも効果的だと言われます。
またカリウムの効能は筋肉でエネルギーを作る働きを助ける作用があります。そのため筋肉の収縮運動がうまく調整されて、体のだるさが解消されたり体力アップに効果的だと言われています。
渋み成分のタンニンの効能と効果
柿には幾分かの渋み成分であるタンニンが含まれています。タンニンという物質は血液中のコレステロール値を下げる作用があるので動脈硬化、高血圧、心臓疾患、脳血管障害などの生活習慣病の予防に効果が期待されています。またアルコールを分解する作用と同時に、利尿作用もあります。これらの作用は柿の成分に多く含まれているビタミンCと相乗効果してなんと二日酔いにも効果があるようです。
ただしタンニンは鉄分の吸収を妨げてしまうこともあるので貧血気味の人の過剰摂取は注意するように忠告されている成分です。持病で貧血のある方は柿の食べ方には気を付けてください。
干し柿も効能や効果は同様だがカロリーオーバーに注意
生柿の話のおまけに干し柿の効能と効果について一言お話ししておくと、干し柿も生柿同様の効能と効果があります。
ただ干し柿はいわばドライフルーツです。ドライフルーツは糖分がギュッと濃縮されていて、その上栄養成分も濃縮されてたくさん含まれています。
特にミネラル成分は生柿と比較して大変豊富です。しかも水分が少ないのでなんだか小さく感じてしまいますが、カロリーはとても高いのが特徴です。つい食べ過ぎてしまうと柿の栄養効果への期待よりも肥満の心配が出てきてしまいますので、食べすぎにはご注意ください。
柿の成分は体に効果的な働きがいっぱい
柿は健康に効果的な成分をたくさん含んでいる果物です。甘いのにビタミンCの含有量が多いことも調べてみてわかったことですね。細胞のアンチエイジング、がん予防、生活習慣病の予防、疲労回復など嬉しい効果にたくさん期待できる果物です。ただし渋み成分のタンニンは鉄分の吸収を妨げてしまう場合もあるので貧血気味の方はご注意ください。体に良い成分をたくさん含有している柿、栄養のバランスを考えて秋の味覚の一つとして楽しんでください。