2017年9月20日更新
ひえ(稗)とは? 食べ方や栄養成分について
ひえ(稗)という食材をご存知でしょうか? 昨今の雑穀ブームで、耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。ここでは、ひえの栄養成分や食べ方などをご紹介します。体に優しい穀物、ひえの魅力に迫ります。
ひえは日本で最も古い、イネ科の穀物
ひえは、日本では、なんと縄文時代から食べられている作物です。最近の雑穀ブームで、ひえの魅力が再注目されています。
歴史は古く、悪い環境でも育つ穀物である
雑穀と言えば、ひえやあわやきびといった名前を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか? ひえは、日本ではうるち種と呼ばれる種類のものがよく栽培されています。縄文時代から育てられていることもあり、土地がやせていたり、寒くて乾燥していたりするような土地でも育ちます。「ひえ」という名は、「冷え」に耐えられる、というその特徴が由来になっているともいわれています。
あくが強い分、保存性に優れている
土壌が痩せていたり、気候が乾燥気味でもよく育つひえは、その分、アクが強いです。アクが強い分、長期間の保存も可能で、40年位保存できると言われています。
近年では食物アレルギー対策の一つとして人気のひえ
近年では、小麦アレルギーなど、さまざまな食物アレルギーを抱えている人が多いですよね。そんな中、新たな主食の一つとして、ひえを見直している人も少なくありません。米などと比べて栄養価も高いのも人気の秘密です。
ひえは英語でJapanese barnyard millet
ひえは英語でJapanese barnyard milletと書きます。barnyardは納屋という意味で、milletはキビです。まとめると日本の家畜用キビという表現なんです。まあ分からないでもないですが家畜用を付け加えなくてもよかったのでは?と個人的に感じてしまいます。
ひえの栄養成分や効果効能は?
ここでは、ひえの栄養成分や特徴、効果効能などをご紹介します。小さい粒に栄養たっぷりのひえ、今すぐ買いに走りたくなるかもしれませんよ。
食物繊維が多く含まれるので腸内環境を改善してくれる
ひえには、食物繊維が白米の約8倍も含まれています。ひえに含まれる食物繊維は不溶性食物繊維と呼ばれるものです。不溶性食物繊維は、消化吸収をされずに腸まで直接届くという特徴を持ち、便のかさを増やす役割を持っています。かさを増すことで、腸のぜん運動を促し、腸内環境を整えてくれるのです。
ミネラルが多く含まれるので細胞の機能維持効果があり新陳代謝を活発にする
マグネシウムや鉄分、カリウムなどのミネラルも多く含まれているのも、うれしい特徴です。ひえは白米にくらべて、くすんだグレーのような色をしていますが、栄養がたっぷり詰まっている証拠かもしれませんね。
ミネラルは、細胞の機能維持効果を持っており、皮膚や骨などの細胞の生まれ変わりを活発にする役割を持っています。ミネラルが不足すると、さまざまな異常が起こりますから、積極的に摂取したい栄養素です。
美肌効果もある!
お肌の大敵は、なんといっても便秘ですよね? 先述した通り、ひえには腸内環境を整える効果効能があるため、結果、美肌効果も期待できます。肌は外側からのケアも大事ですが、内側からのケアをするとしないでは、大きな差が生まれます。ひえは、ダイエットに、美肌維持に、一役も二役も買ってくれそうですね。
ひえの炊き方や食べ方
ひえはアクが強いので、そのアクを感じさせないために白米に混ぜて炊くのがおすすめです。ビタミンやミネラルを豊富に含むひえと白米を合わせて炊くことで、栄養をバランスよく摂取できます。ひえだけを炊く方法もご紹介!
米と混ぜて炊く方法
ひえは、ごはんを炊くときに少しだけ混ぜて炊くと便利です。水加減はひえ1/2カップに対して、お水を120ミリリットル程度加えればOKです。ひえだけ鍋で炊くこともできますが、簡単なのは、電子レンジで炊く方法。こちらは、ひえ1/2カップに対して水120ミリリットル程度を耐熱の器に入れて、ラップをして600ワットで5分程度加熱すれば完成です。加熱前に1時間ほど吸水させることと、加熱後10分ほど蒸らすことがポイントです。
炊いたひえは、ご飯に混ぜるだけでなく、サラダにぱらぱらとかけたり、スープに入れたりと使用方法は多岐にわたりますから、いろいろとお試しください。
ひえは、ごはんのような粘りはなく、ぼそぼそした食感です。そのため、喉につまりやすく、注意が必要です。ご飯替わりに主食としていただく際には、とろろをかけたり、味噌汁をかけるなどして、工夫していただくのが良いでしょう。
ひえのみをつかってお粥にする方法
ひえのお粥をつくることもできます。水加減は通常時の比率から自分なりに加減してみていいでしょう。粒が小さいので、割とすぐに炊けてしまいます。20分ほど火にかけたら、あとは蒸らして完成のイメージで作ってみてください。梅干しなどを加えて、さっぱりといただくのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。白米は精米時に栄養価が失われてしまう分、ふだんのご飯に少しだけひえなどを加えることで、ミネラルなどの栄養が補給できます。是非、一度ひえの魅力を味わってみてくださいね。