2017年9月15日更新
うるち米とはどんなお米?白米やもち米との違いを見てみよう
うるち米とはどんなお米かご存知ですか?「うるち米という名前で呼んでいなかったけれどこのお米のことか」とどなたもご存知のお米です。今回はこのうるち米について調べました。白米やもち米との違いそしてうるち米の気になるカロリーをご紹介します。
うるち米とは
実はうるち米とは私たちがごく一般の食べているお米のことなんです。たとえばコシヒカリとかあきたこまち、ササニシキという名前は聞きなれたお米の名前ですが、これはお米の銘柄の呼び名であって、うるち米という大きなカテゴリーの中の一つなのです。
米はでんぷんに含まれるアミロースという成分を含んでいる否かでうるち米ともち米の2つに分類されます。コシヒカリとかあきたこまちなどの銘柄をもつごく一般的な白いご飯はうるち米、そしてお餅やお赤飯、おこわなどに使われる粘りの強いお米をもち米と呼んでいます。
白米とは
食卓にあげるお米はうるち米だと説明すると、そのあとよく疑問にあがるのは「では白米ってなんのこと?」という声です。「普通に食べている白いご飯のこと」と言えば確かにそうです。詳しく説明すると白米は精製米とも呼ばれ、稲の実である籾から籾殻だけを取り除いた玄米から糠や胚芽など取り除いて精米したお米のことを白米といいます。
そもそもお米と呼ばれるものはイネ科の種子すべてのものをさします。それをさらに分類すると稲の籾から籾殻だけを除去した玄米と、玄米を精米した白米に分類されます。そして白米はでんぷん中にアミロースという成分を含んでいるか否かでうるち米ともち米に分類されるのです。
日本食品標準成分表の分類上で説明すると、白米(精白米)とはうるち米ともち米の総称をさし、白米の中に含まれるでんぷんの成分の配分量によって、白米はうるち米ともち米に分類されます。
白米とはコシヒカリやあきたこまちなどの銘柄をもついわゆる「白飯」のことだと理解されていた方も多いと思いますが、白米という呼び名はうるち米ともち米の総称のことだと知識に入れておいてください。
うるち米ともち米の違い
うるち米ともち米の見た目の違いは、うるち米は白色で半透明であるのに対し、もち米は真白で不透明です。
うるち米ともち米の大きな違いは
うるち米ともち米の大きな違いはでんぷんの成分にあります。そもそもでんぷんはアミロースとアミロペクチンという2つの成分によって構成されています。一般的なうるち米のデンプンの成分はアミロースを20%、アミロペクチンを80%含んでいるのに対し、もち米はアミロースをまったく含んでおらず、アミロペクチンを100%含有している点がうるち米ともち米の大きな違いです。
モチモチした食感や粘り気はお米の大きな特徴ですが、これはお米のでんぷん中の成分のアミロースの割合が大きな要因になっています。アミロースの含有量がすごく多いと粘り気がなくぱさぱさした食感になり、アミロースが少ないと粘り気が出てきます。ですからアミロースがまったくなくアミロペクチンだけからなるもち米は強い粘り気のあるお米なのです。
コシヒカリやあきたこまちなどの有名な銘柄をもつうるち米の生産者は、このアミロースの含有量を駆使して、お米のモチモチ感と粘り気の食感が絶妙な品質の良いお米を栽培しているのです。
うるち米のカロリーはどのくらい?
うるち米のカロリーは100gあたり358kcalです。もち米とくらべると、もち米は100gあたり359kcalなのでうるち米ももち米もカロリー面では大差ありません。(「日本食品標準成分表2015年版(七訂)準拠の食品成分表2017」参考)
うるち米ともち米の吸水率の違いは
うるち米ともち米の大きな違いであるでんぷん中のアミロースとアミロペクチンの含有量の違いはお米に吸水率にも影響しています。この吸水率は炊きあがりのお米の食感に影響するのです。たとえば焚く前2時間もち米を水に浸すと約30~40%吸水されます。しかし同じ時間うるち米を水に浸すと20~25%程度しか吸収されません。
これはもち米のデンプン中のアミロペクチンの性質が要因しています。アミロペクチンは水を含んで膨張しやすい性質なので、でんぷん中の成分がほとんどアミロペクチンであるもち米は吸収率がうるち米より高くなるのです。焚くときにはもち米は吸水率が高いのでうるち米を炊く水の量の1.2倍くらいたっぷりとらないと固くなってしまいます。
うるち米を美味しく食べよう
普通に食べている白飯ってうるち米のことだったのですね。白米というといつも食べている白飯のことを指していると思ったけれど、白米はうるち米ともち米のことを指しているとは知らなかった方も多いと思います。白米はでんぷん中のアミロースの量によってうるち米ともち米に分類されますが、アミロースを全く含まないもち米はもち米が含むでんぷんのアミロペクチンの性質から吸水率がとても高いので焚くときの水加減に気を付かなければなりません。今回調べたうるち米の内容でお米の知識も増えたことと思います。日本人として知っておきたい知識の一つにお役立てください。