2017年6月8日更新

紫キャベツとは違う?イタリア生まれの西洋野菜トレビスとは

トレビス

キャベツやレタスと一緒に売られることの多いトレビス、みなさんは見たことがありますか?ラディッキオとも呼ばれますが、名前だけではピンとこない人も多いかもしれませんね。
そこで、今回はこのトレビスについて詳しく調べてみようと思います。

  1. 目次
  2. トレビスとは
  3. トレビスの栄養成分と効能
  4. トレビスと紫キャベツとの違い
  5. トレビスの種類
  6. トレビスの食べ方
  7. まとめ

トレビスとは

トレビスは地中海沿岸原産の赤紫色をした葉物野菜でチコリの一種です。キャベツのように丸い形をしているものと、小松菜のように細長いものの2種類があります。

チコリの栄養や美味しい食べ方とは

トレビスは歴史ある野菜

トレビスの記述は古来よりあり、当時は主に薬として使われていたようです。現在の栽培方法が定着したのは15世紀で、イタリア北部ヴェネト州が発祥とされます。
深い紫色に葉脈状に広がる白い芯を持つトレビスは、1860年ベルギーの農学家の手により開発されました。その方法とは、トレビスの原種を土から掘り起こして水に浸け、遮光した棚で栽培するというもので、本来日光を受けて緑色になる成分(葉緑素)の生成が抑えられて紫色になっています。
この栽培方法を何代も繰り返し、葉緑素を抜いて紫色を強くしたものが現在のトレビスです。

トレビスは新品種

日本には1980年代になってから輸入された日本人には新しい野菜です。日本でも栽培されていますが当初は苦みが強く、輸入品の方が良質とされていました。
トレビスはチコリの一種と説明しましたが、チコリはいわゆる芽を食べるのに対し、トレビスは大きくなった葉を食べるという違いがあります。

トレビスの栄養成分と効能

トレビスは、環境にも健康にも良い野菜として注目を浴びています。
その栄養とはどんなものなのでしょうか。
柔らかく、水分を多く含んだ葉に栄養が集中しており、粗タンパク質や粗食物繊維の含有量が高いのが特徴です。これらが腸を刺激してデトックス効果を高めてくれるため、デスクワークなど、座って過ごすことの多い現代人のダイエットにもってこいの野菜といえます。

また、トレビスの苦味の正体はエスクレチンやラクチュシン、ラクチュコピクリンと呼ばれる成分であり、この苦味が肉の脂っこさをうまく中和したり、肝臓での消化機能を高めて食欲を増進する働きをします。同時に胆嚢を正常に機能させ、血圧や血糖値を降下させることでも知られています。
他にもアミノ酸、ビタミン、βカロテン、カルシウムが多く含まれおり、これらは体内で古くなった細胞を代謝したり、新しく細胞を作り出すのに不可欠な要素になります。

トレビスと紫キャベツとの違い

トレビスと紫キャベツの違い

よく見間違える野菜に紫キャベツがありますが、これば紫キャベツにもトレビスと同じアントシアニンが含まれているからで、見た目は同じような赤紫色をしています。
では、両者の違いはどこにあるのでしょうか。

植物の分類上に大きな違いが

トレビスは、キク目キク科キクニガナ属のキクニガナの亜種であり、紫キャベツはアブラナ目アブラナ科アブラナ属に分類されます。
トレビスは別名赤レタスとも呼ばれることもあり、キャベツより同じキク科のレタスに近い野菜です。

根元と葉先の色に注目

トレビスは紫キャベツより薄く、芯はサクサク葉先はしっとりしています。紫キャベツの味はキャベツそのものですが、トレビスはレタスのみずみずしさを抑えて少し苦くしたような味です。苦味の中に感じられる甘みはサラダとして人気があります。

店頭で見分ける時は、根元と葉先の色に注目してください。
紫キャベツの外葉は芯から葉先まで紫色なのに対しトレビスの芯は白く、葉先は少し赤みを帯びた紫色をしています。また、キャベツは1枚1枚が密に重なり結球しているため1つで1kg前後の重さがありますが、トレビスは紫キャベツほど密に結球せず、200g程度の手のひらサイズのものが多くなっています。

トレビスの種類

トレビスはその種類によって、紫キャベツと見た目が全く違うものもあるんです。

キオッジャ

丸あるいは楕円形に結球しており、紫キャベツに間違えられるのは主にこの種です。

タルティーボ

結球しておらず、葉の1枚1枚が小松菜のように真っ直ぐ伸び、緩く重なっています。白くて幅の広い芯が葉先まであり、その両側にある紫の柔らかい部分が少ないのが特徴です。

トレビーゾ

葉が厚く、大きなモクレンのような形をしています。タルティーボ同様、芯は葉先までありますが紫の柔らかい部分も多いため、葉の形状は白菜に似ています。

プレコーチェ

芯が細めで紫の柔らかい部分が多いという点ではキオッジャに似ていますが、形が楕円形で葉先までしっかり結球しているため、ラグビーボールのような形をしています。
まとまりが緩いものより結球したものの方が栄養価は高く、苦味が濃いのが特徴です。

トレビスの食べ方

トレビスとエンドウ豆のサラダ

レタスのような柔らかさと、しっかりした厚みをあわせ持つトレビスは、食べ方によって異なる風味を楽しめるのが魅力です。

一般的な食べ方

本場イタリアでは、きれいに洗って小分けにした葉にソースを添えて食べるか、千切りにしてサラダと合わせるのが一般的です。
また、炒め物やスープにも使うことができます。料理に苦味と甘味をプラスして爽やかな口当たりにしたり、鮮やかな彩りを添えます。
他にはトレビスには珍しい特徴があります。根は焙煎すると色が濃くなり苦味が増すことから、昔からコーヒーに入れたり、コーヒーの代わりに飲まれています。
国内ではなかなか手に入りにくいですが、本場では割とポピュラーに売られているようです。

オススメのレシピ

今イタリアで流行しているのは、オリーブオイルをたっぷりつけて焼いたり、リゾットに混ぜたりする方法です。また、アメリカではサラダとして生で食べるほか、クタクタに煮てからバターを加えて食べられたりもするようです。炒める場合は玉ねぎと合わせクローブで香りづけすれば、苦味が中和され栄養バランスの良い一品になりますよ。

まとめ

トレビスは、西洋野菜が使いにくいという印象をガラッと変える野菜です。実際に料理して、その使いやすさを実感してみてくださいね。