2017年6月6日更新

しょっつるとはどんなもの?使い方や作り方を見てみよう!

しょっつる

しょっつるってご存知ですか?日本の調味料ですがアジアやタイでも似たような調味料が使われているようです。アジア料理やタイ料理で特有なあの風味かな?と見当がついたところで、さっそくしょっつるをご紹介していきます。

  1. 目次
  2. しょっつるとは
  3. しょっつるの作り方
  4. しょっつるの使い方
  5. しょっつると醤油を比べてみると
  6. しょっつるとナンプラーと比べてみると
  7. 癖のある魚醤しょっつるを上手に活用しよう

しょっつるとは

しょっつるとは魚醤のことで、秋田県で使われる伝統的な調味料です。漢字で「塩魚汁」と書き、その歴史は江戸時代の初期に製造されたと言われています。

そもそも魚醤は中国や韓国をはじめ東南アジアのお料理の万能調味料として使われてきました。タイ料理に使われるナンプラー、ベトナム料理のヌクマム、カンボジア料理のタクトレイは有名ですよね。

日本の魚醤では、秋田県の「ハタハタのしょっつる」は魚醤の代表で、石川県の「いしる」、香川県の「いかなご醤油」に並んで、日本の三大魚醤の一つにその名をあげています。

しょっつるはどんな味?

魚醤は魚類を主な原料とした液体状の調味料なので、もちろん味は魚からくる旨みを感じます。魚の動物性たんぱく質が分解されたアミノ酸と魚に含まれる核酸を豊富に含んでいるので濃厚な魚の旨みがあります。魚を塩漬けして漬け込んで作ったものなのでかなりしょっぱく、塩分濃度は約25%もあるのが特徴です。

しょっつる臭いってホント?

ほかの調味料にはない独特の生臭さがあります。慣れるとおいしくお料理に活用できるのですが、この生臭さが好きになれない人も多いようです。

しょっつるの作り方

原料となる魚に塩を加えて約1年以上熟成させて作ります。原料の魚に約30%~40%の食塩を直接まぶして常温で1年以上漬け込み、魚自身の酵素で、魚の肉を発酵させて作ります。

しょっつるの原料は魚

原料の魚には秋田の県魚のハタハタのほか、漁獲量が多く安価であることや鮮度を重視してアジ、イワシ、サバ、コアミなどの魚類が使われます。

ハタハタ→味が淡白で、とくに12月は産卵期を迎え沿岸の浅瀬で大量の漁獲が望める。
アジ→ハタハタ同様味は淡白で、クセがない。
イワシ→大量の漁獲が望め安価な魚。癖はないがほかの魚に比べて甘味がある。5月のイワシは魚醤を作るのに向いていると言われている。
サバ→旨みがあるが少々生臭い。
コアミ→独特の臭みや渋味がある。

しょっつるの使い方

しょっつるは魚類を原料として塩で浸けこみ発酵させて作られているので、塩分が強く独特なクセがあり、使いづらいとも言われますが、お刺身や冷奴などにそのままかけて使ったり、炒め物や、麺類のつゆの調味料として使われるほか、エスニック料理的にしょっつるで濃く味付たひき肉をリーフレタスなどの野菜で巻いて食べる食べ方など、独特の風味を味わう調味料として、その使い方に幅を広げています。

しょっつると醤油を比べてみると

醤油は原料が植物性(大豆など)にものなので、風味にクセがなく、どの食材ともなじみやすい旨みとコクがあり、そのコクにも重みもありません。それに対してしょっつるは原料が動物性(魚類)なので、風味にクセがあります。旨みに特徴がありコクも強くいです。素材の味を活かす料理に使うと素材そのものの風味を消してしまうかもしれません。

旨みの特徴として、醤油の旨みはアミノ酸が強く作用しているのに対してが、しょっつるはペプチドが豊富に作用しています。
アミノ酸とペプチドの作用について、アミノ酸は味をつける作用が強く働き、ペプチドは味を消す作用が強い。たとえばイカやフグなど臭みのある刺身には醤油よりもしっつるの方が食材の臭みを取り除きよりおいしく食べれるということです。しょっつるのペプチドの旨みで生臭さが和らいだ分、美味しく食べれるわけです。
醤油もしょっつるもそれぞれ特徴はありますが、似たような形で料理に使われる調味料です。料理をバランスよく美味しく仕上げるには、上手に醤油としょっつるを使いこなすとより食卓を美味しくする飾ることができます。

ちなみに塩分濃度の違いは濃口醤油は約16~17%、醤油の中でも塩分濃度が高いと言われる薄口醤油でさえ約17~19%なので、しょっつるが約25%の塩分濃度であるということは、かなりしょっつるの方がしょっぱいということがわかります。塩分量の違いを頭に入れて上手に使いましょう。

しょっつるとナンプラーと比べてみると

ナンプラーはタイの魚醤です。タイ料理には欠かすことのできない調味料です。たとえばナンプラーはタイでは日本の醤油のような位置づけです。原料はしょっつると同じく魚です。カタクチイワシ(アンチョビ)を原料に塩漬けにして発酵させて作られます。タイ料理を中心に、アジアのエスニック料理の調味料として使われ、濃厚な味と独特なクセのある風味を特徴に持っています。

ナンプラーもしょっつるも魚を発酵して作った同じ魚醤だという点は同じですが、原材料や製法が違うので香りや旨みに違いがあります。ナンプラーはエスニック料理によく使われ、しょっつるは和食の鍋物によく使われます。好みの問題で、ナンプラーは寄せ鍋など和食の鍋物には合わないと言われることもありますが、魚醤としての方向性は同じなので、風味にこだわらなければ、代用はお互いにできます。

ちなみにナンプラーの塩分濃度は約23%で、塩分が多い調味料です。

ナンプラーとは?ナンプラーの使い方をご紹介!代用できるものは?

しょっつるのおすすめのお料理

ハタハタと白菜などの野菜を入れたしょっつる鍋などの鍋料理、ラーメン、うどんの汁、ホタテ貝などの貝殻を器にして焼いたかやきなどはしょっつるを使うおすすめの料理です。秋田県の男鹿市の焼きそばは、地元ハタハタのしょっつるを使ったご当地グルメです。

癖のある魚醤しょっつるを上手に活用しよう

しょっつるは秋田県の県魚を塩漬けして発酵させた魚醤です。普段使っている醤油と比べると濃いコクがあり風味も独特なので好き嫌いはありますが、旨みの成分であるペプチドは食材の味を消す働きがあるので、イカやフグなど臭いの強いお刺身はしょっつるで食べると美味しさが増すようですね。塩分濃度はかなり高いようですから、しょっぱさを頭に入れて使うようにしましょう。しょっつる!上手にお料理に活用してみてください。