2017年7月14日更新
鰹節の栄養価について
日本の食事の基本につかわれる鰹節。たとえば私たち日本人のソウルフードのおにぎりの具に使うおかかの栄養価や効能ってどんなことか知っておきたいですよね。ここでは鰹節の栄養価についてお話しします。心配さえる鰹節の発がん性についても調べました。
鰹節の栄養価
日本のお料理にはお馴染みの鰹節。だしをとってお味噌汁や煮物などに使ったり、お醤油をまぶしておにぎりの中に入れるのも定番の使い方です。日本の食事に切り離すことができない鰹節。お料理の裏方として活躍してくれているこの鰹節にはどんな栄養価があるのか見てみましょう。
鰹節の栄養成分
鰹節の魅力は低カロリーで低脂肪というところです。その栄養価は75%以上がたんぱく質で、そのほかビタミン(B1、B2、B6、B12、D、E、ナイアシン、葉酸、パントテン酸)や、ミネラル(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅)が豊富に含まれています。
旨み成分にはイノシン酸を多く含み、体の中では作ることができない9種類の必須アミノ酸(トリプトファン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン)も鰹節には含まれています。
栄養価の高い鰹節って?
鰹節は鰹の頭と内臓を抜いて煮た後にいぶって作った裸節の荒節と、この荒節をさらに天日干ししてカビ付けをして発酵させた枯れ節の2種類があります。枯れ節の方が作るのに手間がかかっている分価格も高いですが、栄養価も高いです。
鰹節の効能と効果
豊富なビタミンとミネラルそして9種類の必須アミノ酸を含んだ鰹節は、その豊富に含まれる栄養素の効能で健康にいい、たくさんの効果が期待されています。
タンパク質やビタミン、ミネラルからの効能と効果
人間の体に必要な三大栄養素であるタンパク質は骨や筋肉など体の形成に効果的です。ビタミンやミネラルの栄養成分は骨の強化に効能があるので骨粗鬆症予防の効果が期待されています。そのほか肌の保湿力を高め、シミやそばかすを抑える効能があり美容や美肌に効果が期待されています。ミネラルに含まれているカリウムは利尿作用があるので、むくみを改善・予防してくれると言われています。
イノシン酸からの効能
DNAの原料と言われるイノシン酸は、体内の細胞を活性化させて新陳代謝を促してくれます。この効能で美肌効果や免疫力をアップさせ風邪を引きにくくなる、体脂肪が減少する、疲労回復などに効果が期待されています。鰹節は旨み成分としてイノシン酸を豊富に含んでいるので、だしをとると旨みがよくでて味わいを深くしそれが減塩に繋がります。
鰹ペプチドの効能
鰹ペプチドは体に溜まった水素イオンを除去する効能があるので、疲労回復や集中力アップに効果が期待されています。
必須アミノ酸のヒスチジンの効能
ヒスチジンは体の中で交感神経を刺激するヒスタミンに変換されて、神経機能に働きかけて脂肪細胞を刺激し脂肪を燃焼させると言われます。食欲を抑える作用もあるので肥満防止やダイエットに効果が期待されています。また血管を拡張する効能で、慢性の関節炎の痛みやストレスなどを和らげると言われます。
心配される発がん性について
そもそも鰹節の発がん性について問題が取り上げられるようになったのは、2015年にイタリアのミラノで開催された「食」をテーマにした国際博覧会において、日本館のレストランで使う鰹節の持ち込みが認められないということから鰹節の発がん性の問題が心配されるようになりました。この国際博覧会において、国産の水産・畜産物の食品の中で、EU(European Union・ヨーロッパ連合)が決める食品の安全規定を満たしていない食品があり、EUがその食品の持ち込みを認めないというものの中に鰹節が入っていたのです。
発がん性が心配される理由
鰹節に発がん性の恐れがあるのではないかと心配されるのは、鰹節を作る過程で鰹をいぶす時に発生するタールや焦げの部分に「ベンゾピレン」という発がん性の物質が生成されるという理由からです。このベンゾピレンという発がん物質の含有量がEUの基準を超えて鰹節には含まれているので国際展覧会に持ち込み禁止となったのです。ちなみに国際展覧会に持ち込み禁止となった理由には、枯れ節のようにカビを付着させている点もカビ毒の恐れがあるからとも指摘されたようです。
結果は特別許可が下りてミラノ国際展覧会では、EUが和食に特例措置をとり、鰹節の持ち込み許可が下りて持ち込めることができたのですが、鰹節の発がん性については、EUとの間で今だにグレーな問題を残した状態になっています。
鰹節は栄養価の高い食品
日本の食事の裏舞台で活躍している鰹節。日本のお料理には大切な存在です。調べてみたら鰹節はたんぱく質を多く含みビタミンやミネラルを豊富に含んだ栄養価の高い食品でした。お料理のだしとして、またご飯のお供に食べる鰹節の効能には体にいいたくさんの効果が期待されています。EUの食品の安全基準を満たしていない発がん性の問題は心配な問題ですが、これも今にところ賛否両論。日本の食材の品質の高さや美味しさを広く認められるようになればいいと思う反面、健康面での事実の判明を知りたいのも消費者としての気持ちですね。