2017年5月19日更新

大豆油とは?健康への影響は?

大豆油

大豆油といえば、一般的に使われている代用的な油ですよね。色々な油がある中で最もポピュラーな植物油ですが、この油、健康に危険性のある油なんでしょうか?ここでは大豆油と健康への影響を特徴や成分などを見ながら調べてみました。

  1. 目次
  2. 大豆油とは
  3. 大豆油の効果は?
  4. 大豆油に危険性はあるのか?
  5. 大豆油のアレルギー表示について
  6. 大豆油も危険性は消えない油!?

大豆油とは

日本の台所ではとてもポピュラーな大豆油。植物油の代名詞ともいえます。改めて知る大豆油の特徴や成分をご紹介します。

大豆油の特徴は?

大豆の種子から搾油した植物油です。色は薄く香りや味に癖がないのが特徴です。水素添加することで固形化されるため、マーガリンなどの原料に使われます。乳化性もほどよくあるのでマヨネーズなどの原料にも向いている特徴があります。他の油に比べて価格が安いのも特徴の一つです。

大豆油の成分について

カロリーは100g当たり884kcalです。成分の脂肪を構成する脂肪酸には主に飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、トランス脂肪酸が含まれており、そのほかビタミンE、K、ミネラルに鉄分と亜鉛が少々含まれています。特徴はリノール酸とビタミンKの含有量が多い油です。

大豆油の作り方

作り方は原料の大豆の種子に強い圧力と熱をかけて搾油する方法と、種子に溶剤をかけて搾油する方法あります。これらの方法は製造過程で体に危険性を及ぼすトランス脂肪酸を生成し成分に含んでしまうことで、危険な油をつくりだす原因とされているところです。 

溶剤を使用しない方法で、熱をかけずに低温でゆっくり圧力をかけて搾油する低温圧搾製法(コールドプレス)という製造方法もあり、この方法で搾油するとトランス脂肪酸の生成を防ぐことができますが、ほとんどのメーカーでは上記2つの方法を利用しているのが現状です。

大豆油の用途

食用油としては炒めものや揚げ物、天ぷら油、ドレッシングなどに使うほかマヨネーズやマーガリン、お菓子やケーキなどの原料として使うなど、幅広く利用されています。食用以外では塗料、石けん、工業製品、合成樹脂などに使用されます。

大豆油の効果は?

大豆油に期待されている効果は幅広くあります。

大豆油に含まれるリノール酸に期待される効果

・高血圧を予防する
・動脈硬化を予防する
・心疾患を予防する
・血液中にコレステロールを減少させる

大豆油に含まれるオレイン酸に期待される効果

・胃酸の分泌を促し胃腸の調子を整える

大豆に期待される効果

・脂質の代謝を良くしてコレステロールが血管に付着することを防ぐので脳梗塞などの予防に期待される

大豆油に含まれるビタミンEに期待される効果

・活性酸素の増加を防ぎ、抗酸化作用に働きかけ肌の老化や血管の老化を防ぐアンチエイジングの効果に期待されている
・保湿作用があるので直接肌に塗って乾燥肌やひび割れを防ぐ
・直接肌に塗り角質を柔らかくする

大豆油に含まれるビタミンKに期待される効果

・骨を強くする働きがあるので骨粗鬆症に期待される

大豆油に危険性はあるのか?

現在植物の種子を原料として作られた油が体に危険性がある油が多いと心配されています。大豆の種子から作られた大豆油もその一つです。大豆油が危険な油であると心配されている点を見てみましょう

製造過程で生成されるトランス脂肪酸が体に悪い

作り方で説明しましたが、製造過程で体に危険とされるトランス脂肪酸が生成されて大豆油の成分に含まれることです。現在トランス脂肪酸の安全性は確認されておらずアメリカではトランス脂肪酸が含まれた食品を原則として使用禁止にするほどです。残念ながら日本ではトランス脂肪酸への規制はありませんが、トランス脂肪酸を含んだ食品を扱うメーカーでは食品の低減という方法で対策しています。

トランス脂肪酸の人体への害は肥満、免疫力の低下、動脈硬化、悪玉コレステロールの増加、癌、不妊、アレルギーなどが心配されています。

原料の大豆が遺伝子組み換えされている可能性

原料の大豆に遺伝子組み換えされた大豆が使用されることが心配されています。遺伝子組み換えがすべて悪いという報告はありませんが、遺伝子組み換えされた農産物が健康へ害をきたすデーターがたくさん上がっているもの事実です。現在日本で消費される大豆のほとんどがアメリカの大豆で、そのほとんどが遺伝子組み換えされた大豆であること。遺伝子組み換えされた大豆は、体の機能を低下させる物質をたくさん含んでいるため、懸念されています。

リノール酸の含有量が多いこと

リノール酸は必須脂肪酸の一つで体に必要な脂肪酸なのですが、脂肪酸の摂取に偏りが出てしまうことです。リノール酸は過剰摂取してしまうと、体内に炎症物質が発生し細胞を傷つけてしまう恐れがあります。このためアレルギーを引き起こしたり動脈硬化の原因など様々な体への害が心配されます。リノール酸は、魚や肉、その他食品にも含まれている脂肪酸なので、これらの食品と一緒に利用するとリノール酸の過剰摂取に繋がってしまい体に危険を及ぼす油だと配されています。

大豆油のアレルギー表示について

アレルギーの要因にはさまざまなものがありますが、大豆もアレルギーを引き起こす大きな要因になっています。大豆の種子から搾油して作っている大豆油も大豆アレルギーを持っている人にはアレルギー症状を発症させる要因になってしまいます。しかし大豆油は、含まれているアレルギー物質の量が、表示しなければならない基準値には届いていないため、大豆のアレルゲンの表示は免除されているのが現状です。

大豆油も危険性は消えない油!?

動物性の油より植物性の油の方が健康いいと思っていたけれど、植物油の危険性を耳にする昨今。大豆の種子を原料とした大豆油もやっぱり危険な油だったんですね。リノール酸の含有量が多い油ということはさることながら、植物油の製造法では定番の製造方法でトランス脂肪酸がやはり油の中に含まれていたとは残念です。遺伝子組み換え大豆の使用についての表示が義務付けられていないことも消費者として悩む問題です。