2017年4月19日更新
もう食べた?XO醤(エックスオージャン)の使い方をマスターしよう!
XO醤は、お菓子などの加工品にもXO醤味があったりと、わりと食べたことのある人が多いポピュラーな調味料ではないでしょうか。しかしXO醤って何の味と聞かれるとなかなかこれと答えられないのも事実。
そこで今回は身近なのにあまり知られていないXO醤についての紹介です。
XO醤(エックスオージャン)とは
バーベキューソースのような甘辛タレをイメージさせるXO醤。
このソースは一体何からできているのでしょう。また、XOにはどのような意味があるのでしょうか。
XO醤が誕生するまで
香港の経済は1970年代から1980年代にかけてめまぐるしく発展し、フランスの最高級ブランデーであるコニャックとはじめとする海外のさまざまなお酒が香港に入ってきました。しかし当時の香港では、コニャックXO(最上級コニャック)はまだまだ希少な存在であり、XO醤の名前の背景にはそのような高級品への憧れのあらわれがあったといえます。
XO醤はちょうどこの頃中国の黄炳華氏が発明した合わせ調味料であり、当時彼は数種類の高級食材を練り合わせて作ったとされています。そうして完成したXO醤は1980年代に香港の高級レストランで使用されて瞬く間に各地へ広まり、1990年代にはふだん使いの調味料として日常的に使われるようになりました。
黄炳華氏は料理人として政府の上級幹部となったその年、オキアミやエビを発酵させて作ったシュリンプペーストをベースにしたこれまでのXO醤へ、香りの強いエビや高級ホタテを加え、さらにしっかりと練り上げたにんにく、唐辛子まるごとを追加するなどして改良に踏み切りました。
彼がこの調味料にこめた最上級の意味をもつXOという言葉は、他にヘネシーXOやレミーマルタンXOといったブランデーも意識して付けられています。実際、伝統的な製法で作られたXO醤は高級品と呼ぶにふさわしい原料からなり、世界的にも味は極上と評価されているため高価な贈答品としても人気を博しています。
気になるその味は?
選りすぐりの金華ハムに大粒のホタテ、そして高級干しエビを煮詰めて作るXO醤はコクのある味と芳醇な海の香りが特徴で、調理される食材の栄養をさらに引き立てる効果があります。
このほか、XO醤はブランデーに似た深い褐色をしており、これもXOという名前の由来の1つとされています。
XO醤(エックスオージャン)の作り方は?自分で作れる?
XO醤はホタテ、金華ハム、干しエビ
そして唐辛子が主な材料であり、これらがXO醤特有の海鮮味と辛みを担っています。
しかし、それ以外の材料に関して明確な規定はなく、中国各地のレストランで普及し始めた当初より作り方はそれぞれの場所でアレンジされてきました。そのため、レストランによっては製法自体が企業秘密となっているところもあります。
XO醤(エックスオージャン)を自分で作る時のコツは
既製品ではなく自分好みのXO醤を楽しみたいという場合は、とにかく手間と費用を惜しまないことです。
先ほど紹介した通り、家で作る際も基本となる材料は高級なものを選ぶ必要があります。また材料の選択同様、下準備においてもいくつか細かいポイントがあり、それらを怠るとせっかくの美味しさが半減してしまいます。
XO醤を長年作ってきたレストランのオーナーによると、XO醤は他の調味料に比べると難易度の高い合わせ調味料ではありますが、本当に自分が食べたい味を自らの手でプロデュースできるため、美味しさを追求する人にとってはこの上ない調味料ということです。
もし時間とお金が許すならば、いつもと違う贅沢な調味料を楽しんでみるのも良いかもしれませんね。
XO醤(エックスオージャン)がないときの代用
お手持ちの調味料で手軽に作りたいという方には、ホタテの煮汁にオイスターソースを加えたものをベースに酒、砂糖、胡椒少々で味を調えるといった作り方もあります。
使用量だけ使いたいという場合はオススメの方法ですよ。
XO醤(エックスオージャン)はどんな料理に合う?使い方のコツは?
干しエビとハムから醸し出される海鮮の風味にピリッとした辛さの組み合わせは、どんな食材と掛け合わせても食欲を刺激する絶品料理に早変わりします。
炒めものがオススメ
XO醤特有の味わいを最大限に生かすなら炒めものが最適です。
ある程度火を通しておいた食材にXO醤を加え、強火でさっと炒めるだけでスパイシーな味と海鮮風味がしっかり食材にゆきわたります。
また、においが強くて柔らかい食材を煮込む時もよく使われます。XO醤で似た食材は鮮やかになることもあり、香港では牛肉、アヒル、カニなどの煮込み料理にも多用され、本場の名物料理にもなっているんですよ。
XO醤で絶品チャーハンや焼きそばを作ってみよう!
XO醤油は前菜やお酒のつまみ、メインディッシュからスイーツまで、その使い方次第でさまざまに変化します。まずはチャーハンや焼きそばといった身近な料理に取り入れてみてはいかがでしょうか。
XO醤に少量の塩コショウだけで味付けは完成です。滑らかなペースト状のタレがご飯や麺にしっかりからんで使いやすいですよ。
これを機に調味料界の“XO”を堪能してみてくださいね。