2016年10月19日更新

グリセリンは甘い?食品としての用途

マーガリン

グリセリンとは代表的な三価のアルコールのことで、甘味があり粘稠な無色透明な液体です。石鹸製造の副産物として得られました。現在は、食品添加物として乳化剤、保存料、甘味料、医薬品や化粧品の原料といった様々な用途があります。

  1. 目次
  2. グリセリンとは
  3. グリセリン脂肪酸エステルは何種類?
  4. グリセリンの用途や使用されている食品

グリセリンとは

グリセリンとは三価のアルコールのことで、グリセリンが脂肪酸とエステルを形成したものがグリセリン脂肪酸エステルで、別名油脂と呼ばれています。

一口にグリセリン脂肪酸エステルといっても、様々なものがあり、例えば高級脂肪酸と呼ばれている、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸があります。これらは天然の油脂を構成しています。

他にも、ギ酸、酢酸といった飽和脂肪酸、アクリル酸、メタクリル酸といった不飽和脂肪酸があります。

また、グリセリン脂肪酸エステルは代表的な食用品乳化剤の1つです。乳化剤とは水と油のようにお互い混ざり合うことのない2種類の液体を、安定した乳濁液にさせる事ができる第三の物質のことを指します。

乳化剤とは?食品に含まれる乳化剤の役割

グリセリン脂肪酸エステルは何種類?

グリセリン脂肪酸エステルは全9種類あります。

飽和脂肪酸に含まれるのが、ギ酸、酢酸、パルミチン酸、ステアリン酸で、不飽和脂肪酸に含まれるのがアクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸です。

不飽和脂肪酸を構成脂肪酸にもつ油脂の中には、常温で固体の油脂に変化するものがあります。このようになったものを硬化油といい、マーガリンなどの原料に使われています。

マーガリンは精製した動植物油とその硬化油を混ぜ合わせ、これに食塩・乳化剤・香料・ビタミンA、Dなどを加えて練り固めた、バターに似た食品で、パンなどによく塗るため世間ではお馴染みの食品だと思われます。19世紀末頃からマーガリンはつくられ、当初はバターの代用品と認知されていましたが、今日のものは風味、栄養ともにバターに匹敵しています。

グリセリンの用途や使用されている食品

グリセリンは様々な用途で使われており、薬品・化粧品などの原料の他、食品添加物としても用いられています。グリセリンを含むものとしては、マーガリンやシリアル、お菓子などといった様々なものがあります。

昨今、食品添加物が含まれるものは身体に良くないから摂取すべきではないという風潮がありますが、この考え方は少し間違っています。グリセリンは比較的毒性が低く、食べ物に含まれる量であれば全く問題がなく安全であると言えます。だからと言って過剰に身体に取り入れれば、いくらか悪影響が出るので、バランス良く摂取するのが良いでしょう。

食品添加物が含まれているから、これは健康に悪いと決めてかかるのではなくて、適当な用量であれば身体に悪いわけではないと理解して、日々の食生活の中に取り入れていければ良いのではないでしょうか。