2017年2月1日更新

小さいながらも大きな栄養価・ポピーシードの栄養と効能

ポピーシード(ケシの実)

みなさん、ポピーシードってご存知でしょうか?アンパンの飾りとして使われる小さな粒々のことで、「ケシの実」とも呼ばれています。ゴマよりも小さい物を「ケシ粒ほどの大きさ」と表現するように、とても小さなサイズの種ですので、食品やスパイスというよりは、彩りや飾りつけといった印象が強いですね。今回は、そんな小さな小さなポピーシードについて、その意外な栄養や効能などを詳しくご説明いたします。

  1. 目次
  2. ポピーシードとは
  3. ポピーシードの味や香り
  4. ポピーシードの栄養と効能
  5. ポピーシードの使いかた
  6. ポピーシードと麻薬の関連
  7. ポピーシードの高い栄養を活かして

ポピーシードとは

poppy(ポピー)

ポピーという植物

ポピーシードとは、ポピー(芥子/ケシ)という植物の種のことで日本では「ケシの実」と呼ばれます。ポピーはケシ科ケシ属に属する一年草で、草丈は50センチから1メートル、赤や橙や紫の大きな4~6枚の花弁が愛らしい花を咲かせ、中国やヨーロッパでは古来よりその美しい姿が親しまれてきました。日本では一般的に「ケシの花」と呼ばれます。

ケシの実って麻薬じゃないの?

確かにポピー(芥子)という植物の実から抽出されるアヘンから、麻薬のモルヒネやヘロインが生成されるため、その栽培は国際的に厳しく取り締まわれています。しかし、ポピーシードは日本語では「ケシの実」と呼ばれますが、実際は実ではなく種(シード)です。そして食用のポピーシードにはアヘン成分はほとんど含まれておらず、また栽培できないよう発芽防止処理がなされていますので、安心して料理などに使うことができるのです。

ポピーシードの味や香り

食用のポピーシードには、色の白いタイプと、青黒い色のタイプがあります。どちらも使用前に煎って香ばしい風味を引き出してから利用します。ポピーシードの特徴といえば、香ばしさ、食感、繊細な見た目、です。

ナッツのような香ばしい味

ポピーシードは油分を多く含みますので、クルミのような味わいがあり、まるでナッツのようです。この風味を活かして、甘いペースト状にしたものがパイや菓子パンなどのフィリングとして用いられます。

プチプチとした新鮮な食感

ポピーシードの特徴として、その小さな粒々がプチプチと口の中ではじける食感があります。これを活かして、粒のままマフィンやケーキにたっぷりと混ぜ込んで焼いたスイーツは日本でもお馴染みです。

小さな粒の繊細な見た目

ポピーシードの小さく細かい粒は、見た目にも繊細ですよね。これを活かして、様々な料理の飾りつけとして世界中で広く利用されています。

ポピーシードの栄養と効能

ポピーシードの栄養価は高く、他のシードやナッツ類と比較すると低アレルギー性であると言われ、摂取しやすい食品です。

豊富なオレイン酸で生活習慣病を予防

ポピーシード独特のナッツのような風味は、多くの必須脂肪酸と精油成分によるもので、全体の重量の半分を占めています。特に一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が豊富です。オレイン酸には、善玉コレステロール(HDL)を増やし、悪玉コレステロール(LDL)を減らす働きがあり、動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を予防します。またオレイン酸は、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などの血管由来の心疾患予防にも効果があるとされます。

たっぷりの食物繊維でお腹もスッキリ

ポピーシードには重量100gのうち19.5gと食物繊維が豊富に含まれ、これは1日の摂取目安の半分にあたります。食物繊維は、私達の消化機能を整え、腸内をお掃除し、便秘を解消します。また、食物繊維の摂取により、小腸での脂肪や胆汁酸の吸収が抑えられ、悪玉コレステロール(LDL)の値を下げる働きもあります。

ビタミンB群で不調を解消

ポピーシードにはビタミンB群の、特にサイアミン、パントテン酸、B2、 B6、ナイアシン、葉酸などを豊富に含みます。ビタミンB群はエネルギーを作りだし、代謝を助ける大切な栄養素です。ビタミンB群が不足すると、特に肌の調子が悪くなり、身体が全体的に不調となり、また精神的にもイライラや疲労感が生まれてきますので、意識的に摂取を心がけたい栄養素のひとつです。

体調を整えるミネラル類

ポピーシードは、鉄、銅、カルシウム、カリウム、マンガン、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルも十分に含みます。ミネラルは微量ながらもバランスよく摂ることで、私達の体の状態を整え、機能を維持するために必要な栄養素で、ポピーシードにはこれらもしっかりと含まれています。

神経を鎮める効果も

ケシというとヘロインのような麻薬の悪いイメージがありますが、元となるアルカロイドには様々な種類があり、多くの植物に含まれ、その薬用効果は古来より活用されてきました。ポピーシードにも、テバイン、コデイン、パパベリンなどのアルカロイドが微量ながら含まれており、それらの神経を鎮め、痛みを和らげ、心を落ち着かせる効能は古くから咳止めや去痰薬として利用されていたようです。

ポピーシードの使いかた

ポピーシード入りのオレンジケーキ

日本の使い方(例)

  • アンパン・・・ケシの実と聞いて思い浮かべるのは、アンパンのおへそにまぶされた白い粒々ですね。あんの甘さと、ケシの実の香ばしさと食感が、なんともよい塩梅で美味しさを倍増させています。
  • ポピーシード入りケーキ・・・最近はポピーシード入りのレモンケーキがコーヒーショップの人気メニューですね。ふんわりとしたケーキの中に、プチプチの食感が新鮮です。
  • 七味唐辛子・・・実はこのポピーシードは七味唐辛子に含まれているのです。
  • 松風焼き・・・お正月のお節料理にも含まれる、鶏肉やエビなどで作る焼き物で、表面にケシの実や胡麻をたっぷりのせています。

海外での使い方(例)

  • ドイツや東ヨーロッパ・・・ポピーシードを甘いペースト状にして、お菓子に良く使われます。
  • 中近東・・・ポピーシード入りのパンが食されます
  • インド・・・ポピーシードをカレーペーストに加え粘度を高めたり、じゃがいもの炒め物料理に使用したり、パヤッサムという甘いデザートにも使用します。

ポピーシードと麻薬の関連

麻薬という悪のイメージ

ポピーシードの元となる植物、ポピー(ケシの花)の熟す前の果実からアヘンが抽出され、これを精製したモルヒネは鎮痛鎮静剤として、癌の激痛緩和、ターミナルケア、ペインクリニックでの治療など、現在の医療では欠かせない重要な医薬品です。残念なことに、このアヘンの麻薬効果を私達人類が悪用してしまったがゆえに、現在もヘロインを含む麻薬に由来する様々な問題が世界中に蔓延しています。しかしそれもこの植物の一面にすぎませんので、必ずしもポピー(ケシの花)を麻薬という悪のイメージと結びつける必要はありません。

ポピーシードは安全

前述しましたがポピーシードはアヘンを抽出する実ではなく、種です。そして食用に流通しているポピーシードには発芽抑制処理が施されていますので、これを元に栽培をすることは不可能です。また、ポピーシード自体に含まれるアルカロイドの量はごく微量ですので、どれだけ大量に摂取しても中毒になることはありません。

食用ポピーシードでも偽陽性反応が?

ポピーシードに含まれるアルカロイドはごく微量ですが、体内にその成分が入ると、尿検査などで麻薬の偽陽性反応が出ることがあります。同様のケースは風邪薬でも有名で、麻黄や胃薬が含まれる風邪薬を摂取すると覚醒剤の偽陽性となる事が知られています。

国による規制の違い

上記のように微量であってもアルカロイドを含む食品であるということで、例えばシンガポールのようにポピーシードを使用禁止とする国もあります。そのため日本の七味唐辛子も、海外販売用の製品にはポピーシードと麻の実は入れずに、代わりにゴマとショウガを入れているそうです。

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ポピーシードの高い栄養を活かして

小さくて目立たない存在のポピーシードですが、意外と高い栄養価がある食品だということ、また麻薬との関連性という誤った認識がクリアになりましたでしょうか?ポピーシードを使ったお菓子や料理を手にする機会がありましたら、小さいながらも大きな栄養価を持つんだな、と思い起してみてくださいね。