2017年1月10日更新
麻の実(ヘンプシード)の栄養とその効果・効能、おすすめの食べ方!
最近、スーパーフードとして取り上げられることの多いヘンプシード。
なんとなく身体に良さそうだから……と、とりあえず取り入れている人も多いのではないでしょうか。
せっかくですから、ヘンプシードにはどんな栄養があって、どの成分がどういうことに効果的なのか知ってみませんか。その上で、一番効果的な使い方をして、美容と健康に思う存分役立てましょう。
- 目次
- ヘンプシードって何?
- ナッツやオイル(油)……ヘンプシードの種類って?
- ヘンプシードの効果・効能って?
- ヘンプシードの効果的な使い方や食べ方って?
- ヘンプシードを食べるときに注意したほうがいいことってある?
ヘンプシードって何?
ヘンプシードとは
ヘンプシードとは、日本語で言うと麻の実です。七味唐辛子に入っている、一番大きな丸いやつだというとピンと来る人も多いのではないでしょうか。
いったいなぜこのヘンプシードがスーパーフードと呼ばれているのかというと、栄養価が非常に高いから。それだけでなく、栽培するときに農薬や肥料を必要としないので、体内に取り入れても安全だというのも大きな理由となっているようです。
ヘンプシードってどんな味?
ヘンプシードはナッツの味がします。くるみとカシューナッツを混ぜたものをとても淡くしたようなイメージ。
まったくクセのない味ですから、和洋中どんな料理にも合わせやすく、無理なく毎日摂取できます。
ヘンプシードに含まれる栄養成分って?
ヘンプシードには、豊富なタンパク質が含まれています。
しかも、タンパク質を構成するアミノ酸の中には、体内で作り出せないために食物から取らなければならない必須アミノ酸が9種類(必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6)ありますが、なんとヘンプシードにはその9種類すべてが含まれているのです。このことからも、ヘンプシードがスーパーフードと呼ばれる理由がわかるのではないでしょうか。
ほかにもヘンプシードには、鉄、銅、亜鉛、マグネシウムなどのミネラル、不溶性食物繊維など、体にいい栄養成分がぎっしり詰まっているのです。
それに加えてヘンプシードの素晴らしさは、含まれている栄養成分のバランスのよさにもあります。
厚生労働省の発表によると、オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸の割合は4:1が理想的なのですが、ヘンプシードに含まれる割合は3:1と理想に近いのです。
ヘンプシードのカロリーってどれくらい? 一日の適量は?
ヘンプシードのカロリーは100gあたり約460キロカロリーです。
数字だけ見ると高いと感じるかもしれませんが、ヘンプシードだけで結構な栄養素を補えるところから考えても、決して高すぎるということはありません。
ですが、身体にいいからといって食べ過ぎると、カロリー過多になってしまうのも事実。
ヘンプシードは一度にたくさん食べるのではなく、一日25グラムを目安に毎日続けるようにしましょう。
ヘンプシードってアレルギーや副作用の心配はないの?
ヘンプシードは栄養豊富……と聞くと、副作用を心配する人もいるかもしれませんね。
でも大丈夫。ヘンプシードに副作用の恐れはありません。
ただ、オメガ6系脂肪酸は多く摂取すると免疫力が低下したり、血液が固まりやすくなったりしますから、アレルギーを引き起こす危険性は多少なりともあるといえます。
しかしその一方、オメガ3系脂肪酸のほうは免疫力を高める効果があるため、アレルギーの原因となる細菌への抵抗力も高まり、逆にアレルギーを改善していく効果があるとも言われているようです。
それに加えて、ヘプシードをオイルにしたときのγ-リノレン酸には、アトピー性皮膚炎を改善する効果があるのです。
チアシードとの違いは?
ヘンプシードと並んでスーパーフードといわれているのがチアシードです。
しかし、麻の実であるヘンプシードに対して、チアシードはチアの実。含まれる栄養成分は両方とも豊富ですが、チアシードに含まれる必須アミノ酸はオメガ3系脂肪酸と、違いは歴然です。
ナッツやオイル(油)……ヘンプシードの種類って?
ヘンプシードは、一般的にヘンプシードナッツ(麻の実ナッツ)、ヘンプシードパウダー、ヘンプシードオイルとして売られています。
ちなみに、七味唐辛子に入っているヘンプシードは実をまるごと加熱しただけの状態です。
ヘンプシードナッツ(麻の実ナッツ)
麻の実の皮をむいたものがヘンプシードナッツ。ヘンプシードナッツは、加熱してからナッツに加工したものと、非加熱のまま加工したものの二種類あります。
ヘンプシードは酵素抑制物質が少なくて消化しやすいナッツですから、生のままでも問題のない珍しいナッツ。それに加えて、ナッツ本来の栄養素やエネルギーをそのままの状態で取り入れることができる非加熱タイプを選ぶことをおすすめします。
それぞれの味の差は、非加熱タイプがフレッシュグリーンの風味で軽い口当たりと弾力のある食感が特徴。
加熱タイプは、カドのとれたクリーミーな味わいで甘みがあり、ほろっとした口溶けが特徴です。
ヘンプシードオイル(麻の実油)
ヘンプシードオイル(ヘンプオイルと呼ばれることもあります)は、麻の実を絞って作られたもの。そのため、ナッツが液状になったものと考えて問題ありません。口当たりや食感こそ違いますが、基本的な味などはそのままです。
ヘンプシードパウダー
オイルを絞ったあとの麻の実を臼でひいたものがヘンプシードパウダーです。プロテインパウダーと呼ばれることもあります。
麻の実の殻部分が多く含まれるので、食物繊維やたんぱく質が特に多くなるのが特徴です。
ヘンプシードの効果・効能って?
すでに述べたとおり、ヘンプシードには非常にたくさんの栄養成分が、それもバランスよく含まれています。
そのため、健康にも、美容にも高い効果が見込まれます。
健康にヘンプシード
ヘンプシードに含まれる抗酸化成分やγリノレン酸などにより、健康面のさまざまな予防や、改善に効果があります。
- 生活習慣病(がん、糖尿病など)の予防
- アレルギー(花粉症など)の抑制
- 記憶学習能力の向上
- コレステロール、血圧を下げる
- アトピー性皮膚炎の抑制
- 月経前症候群の緩和
ヘンプシードはダイエットにも効果的!
ヘンプシードの抗酸化成分は美肌を作る効果もありますが、もう一つ美容効果といえばダイエット。
さきほど、厚生労働省が理想としてあげているオメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸の割合は4:1だとのべましたが、実はこの数字は、身体の燃焼効果が最も高まる割合でもあるのです。そのため、ヘンプシードを摂るだけで燃焼しやすい身体になり、ダイエット効果があるといえます。
また、ヘンプシードに含まれる食物繊維は不溶性食物繊維なので、腸内の有害な物質を排出するなど、デトックス効果も抜群。この面からみても、ヘンプシードは美容にもとても効果的なのです。
ヘンプシードの効果的な使い方や食べ方って?
ヘンプシードを食べるのなら、おすすめはやはりヘンプシードナッツをそのまま食べることです。ヘンプシードナッツはナッツですから、もともとそうすることを想定して作られていると考えてもいいでしょう。
もし、それでは飽きそうだという場合はサラダやシリアルに混ぜたり、デザートやヨーグルトのトッピングにしたりするのもおすすめ。ごまの代わりとしておにぎりやご飯に使ってもおいしいですよ。
また、ヘンプシードパウダーなら、スムージーやドリンクに混ぜて飲むのもいいですね。
ヘンプシードオイルの場合は、サラダ油の代わりに使うよりも、サラダにかけたり、トーストに塗ったりする使い方がおすすめです。
ヘンプシードを食べるときに注意したほうがいいことってある?
ヘンプシードが健康によく、また、副作用の心配もないことは既にわかってもらえたと思います。
ですが、いくつか注意点があるのでそのあたりには気をつけるようにしてくださいね。
- ヘンプシードに含まれる食物繊維は不溶性で水に溶けにくいため、食べ過ぎると便秘になってしまう場合があります。
- 一度開封したヘンプシードは冷蔵庫に入れて3ヶ月を目安に使い切らないと酸化が進み、劣化してしまいます。
- ヘンプシードは40度以上の熱が加わるとせっかくの栄養成分が失われてしまいます。そのため、ナッツやパウダーはもちろん、オイルも揚げ油等には使わず常温で摂取しましょう。(ただし、ナッツに加工される際に発芽防止で加熱されるぶんには栄養の消失はないようです)
以上の点だけ注意して、あなたもぜひスーパーフードであるヘンプシードを始めてみませんか。