2021年4月27日更新

オニオコゼの毒の怖さ!オニオコゼの値段や料理について

オコゼ

オニオコゼって不細工な顔つきの魚ですよね。しかし見た目とは裏腹にとても美味しい魚なんだとか。ただしうかつに近づくと毒のある棘に刺されてしまうそうです。今回はオニオコゼの毒に関して調べました。高級といわれるオニオコゼの価格や料理も一緒にご紹介します。

  1. 目次
  2. オニオコゼの毒とは
  3. 高価な魚と言われるオニオコゼの値段は?
  4. オニオコゼの食べ方とおすすめ料理
  5. オニオコゼの毒には気を付けよう

オニオコゼの毒とは

オニオコゼはカサゴの仲間です。「冬はフグ、夏はオコゼ」と言われますが、大変美味しいけれど可食部が少ないので、カサゴ類の中でもオニオコゼはとくに高価な魚だといわれています。

大変美味しく高価な魚ですが見た目は不細工で怖そうな顔立ちをしたオニオコゼ。見た目が怖いだけではなくなんとオニオコゼは猛毒とも言われる強い毒を持っているのです。

背ビレには16~18本の棘がありそこに毒腺を持っていてその毒が猛毒であると恐れられている魚です。刺されると半日から1日中、激しい痛みに襲われます。

気になる毒の成分は?

オニオコゼの毒の成分については未だはっきりと解明されていません。しかしこれまでの研究報告によると、オニオコゼのような魚の刺毒は共通して薬物には作用する性質があるようだと言われています。

オニオコゼの毒の場合は硫酸マグネシウムを傷に使用すると鎮痛効果があり、またアスピリンや麻薬や局所ブロックも効くと言われます。

またオニオコゼの毒の致死的成分や痛みを発症する原因となる物質が何なのかは解明されていませんが、熱で急速に分解される物質であると研究報告されていることから刺された時の処置として、できるだけ熱い湯(45℃くらいの湯)に30分以上傷口を浸けることが進められています。

オニオコゼの毒は熱に弱く、薬で効果的に毒素を分解させることができる毒だということは確かなので、棘に刺された時は刺された部位を確認し、現状が局所的な症状なのか、全身に症状が出ているのか判断して適切な処置を取り、できるだけ早く病院で手当てしてもらいましょう。

また魚の毒は死んだ魚にも毒性が残っているので死んでいるからと言っても、棘には十分気を付けて取り扱いください。

毒にやられるとこんな症状がでる!

オニオコゼの棘に刺されて毒が体に入ると、その直後から患部にものすごい痛みをともないます。また紫色に腫れ上がりしびれを伴う場合もあります。重症になると吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、神経マヒ、関節痛が起こり、さらには呼吸困難や心臓衰弱して死に至ることもあります。

【参考リンク】
・公益財団法人 日本中毒情報センター 保健師・薬剤師・看護師向け中毒情報

高価な魚と言われるオニオコゼの値段は?

猛毒な毒腺のある棘を持ち合わせるオニオコゼですが、味は冬のフグ料理に匹敵するほど美味しい魚です。しかし可食部が少ないので高級な魚として扱われ、価格は大変高価だと言われます。

年間を通し入荷されますが、特に美味しい旬の時期は6~8月と言われ、春から夏にかけては多く入荷されます。生きているオニオコゼは大変高価ですが釣ってすぐに締めた野締めのものは価格が少し下がります。

際数字にしてみると、オニカサゴを扱う鮮魚専門店では活け締めの小さめのもので1キロ2050円という価格がついているものもあります。

オニオコゼの食べ方とおすすめ料理

見た目はだれが見ても不細工だけれど味は1級品であるオニカサゴ。

見かけとは裏腹に想像を絶するその味わいはコリコリと歯ごたえがあり旨みに溢れた白身魚です。皮下のゼラチン質はねっとりした味わいでこれもまた美味しい部分です。

新鮮なものは薄造りにするのがおすすめです。肝もとても美味しく、生の肝に肝醤油をかけていただくとこれまた美味な料理になります。
つまみには皮と肝和えは珍味で日本酒によく合います。

可食部が少ないですが、アラからはコクのある美味しいだしがでて味噌汁や潮汁もおすすめ料理です。刺身、煮付け、汁物などの和風のほか、アクアパッツアやブイヤベースなど洋風の料理にもよく合います。死んだオニオコゼでも背ビレに付いている棘の毒性は消えないので調理するときはまず背ビレを切り落としてから調理してください。

唐揚げもおすすめ料理

小型のオニカサゴは丸のまま唐揚げにすると骨まで食べることができ余すところなく食べることができます。カルシウム摂取にも効果的な調理法です。

【参考】
・オニオコゼの背鰭棘抜去標識の有効性 https://www.jstage.jst.go.jp/article/aquaculturesci/58/2/58_189/_pdf

オニオコゼの毒には気を付けよう

オニカサゴの成魚は体長25cmほどの大きさで水深200mより浅場に生息しています。体色を周りの色に合わせ砂に潜って目の前に獲物がくるまでじっと身を隠し小魚などを獲物にして生息しています。

間違えて海の中でカサゴに触れてしまったり、砂に潜っているカサゴを踏んづけてしまいカサゴの棘に刺されてしまったときは、激痛に負けず冷静に処置してください。

現場でできる処置は、まず傷口を洗い棘が残っていたら取り除いて患部をできるだけ熱い湯(45℃くらい)に浸けることです。オニカサゴの毒の成分は解明されていませんが熱に弱いということは研究報告されています。応急処置をしたらできるだけや早く医療機関を受診しましょう。薬理的効果がある毒だということも報告されているのであとは医療機関で処置してもらいましょう。

見た目は不細工ですが「冬のフグ」に匹敵するほど美味しい夏が旬のオニカサゴ!美味しく味わってみてくださいね。