2020年2月20日更新

ハマボウフウの食べ方、栄養について

高級料亭の刺身のつまに付いてくるハマボウフウ。茎がくるくる撒いていて香りも清々しく華やかですよね。またハマボウフウの根は漢方薬にも使われているとのこと。今回はハマボウフウについて調べました。食べ方や栄養など、ハマボウフウの情報をご紹介します。

  1. 目次
  2. ハマボウフウとは
  3. ハマボウフウの根の効能
  4. 浜防風と防風の違い
  5. ハマボウフウの食べ方
  6. ハマボウフウの栄養
  7. ハマボウフウを料理に活用してみよう

ハマボウフウとは

ハマボウフウはセリ科ハマボウフウ属の多年草の植物です。学名はGlehnia littoralis。漢字で浜防風と書きます。八百屋防風とか珊瑚菜などとも呼ばれています。

日本全国の海岸の砂地に自生していましたが、近年砂地が少なくなるなどの環境の変化や、乱獲によって希少な植物になってしまいました。海岸性の食用植物で、オカヒジキのように海浜に生育する山菜として名前が知られています。

食材として利用されるほか、薬草としても知られている植物で、根や根茎の部分は漢方薬や民間療法薬として利用されます。

ハマボウフウの根はゴボウのように長い

漢方薬などに利用されるハマボウフウの根は、細長いごぼうのような長い根を地中の中に伸ばしています。茎は低く地表を這い、厚く光沢のある葉を広げます。茎の部分は赤紫をしており、葉の縁が小さくギザギザに縁どられているのが特徴です。

ハマボウフウの根の効能

ハマボウフウの根の部分は薬用の効果があり、漢方薬や民間薬として使われます。効果効能はリウマチ、肝炎、高血圧、ニキビ予防、蕁麻疹、湿疹、風邪からの発汗、解熱、頭痛、関節痛などに効果があると言われています。

そのほか婦人病や糖尿病にも効果があると言われますが、糖尿病に関する効果は俗説のような部分もあり、効能は定かではないようです。漢方薬の生薬として根が利用される場合は、「北沙参」と呼ばれ、鎮咳去痰、解熱の効果がある漢方薬として利用されます。

浜防風と防風の違い

浜防風は薬草の防風に見た目が似ていることで浜防風という名が付いたと言われますが、植物学的には浜防風と防風は全く違う分類です。ただ浜防風の根や根茎を漢方薬として利用するときの効果や効能が、防風と似ているため、防風の代用として浜防風が使われることがあります。

防風とは

セリ科ボウフウ属の草本の一種です。学名はSaposhnikovia divaricata。漢方薬として使用される薬草で、根や根茎は「防風」という名前の生薬で日本薬局方に収録されています。シベリアやモンゴル、中国北部に自生する多年草で、茎に付く葉は小さいですが、根は太いのが特徴的です。

漢方薬では化膿性皮膚疾患や蕁麻疹、水虫などに効果がある「十味敗毒湯」や、高血圧や肥満による動悸や肩こり、のぼせ、便秘などに効果がる「防風通聖散」などに使われています。

ハマボウフウの食べ方

現在、自生しているハマボウフウの数は激減していますが、新芽が伸び始める3月上旬~5月の終わりごろにかけて砂浜の海岸をよく探すと見つけることができます。近年流通しているハマボウフウのほとんどはハウスで栽培されたものです。自生しているものは少し硬いですが風味を強く感じます。

栽培されたものは柔らかく癖が少ないです。茎部分がしっかりしていて、茎の色が赤く鮮明なものが新鮮です。セリにいた香りと風味があり、サラダなど生のまま料理したものはシャキシャキした食感が楽しめます。

ハマボウフウを使った料理

ハマボウフウを生のままで使う場合はサラダや刺身のつまに使われます。茎の部分を十字に切り込み、水にさらすと切った部分が丸くくるりと反り返り、つまとして飾ると見栄えもし、清々しい風味が魚の生臭さを抑えてくれます。

そのほか新芽は天ぷらにしたり酢味噌和えはよく作られる料理です。汁物に浮かべたり、お正月の雑炊にあしらわれることもあります。さっと湯にくくらせて酢の物、和え物、炒め物に料理するほか、色合いがいいのでパスタの具や、香りに消臭効果があるので魚料理の付け合わせにも使われます。

ハマボウフウのおひたし

ハマボウフウをおひたしにすると、色合いがいつもと違う紫色のおひたしが楽しめます。味わいはセリに似た味わい。さわやかな風味が食欲をそそります。ポン酢ではなく和風だしでつゆを作ったものを利用しても美味しいです。

<材料>

  • ボウフウたくさん(大きいボウルいっぱい)
  • 大根おろし適量
  • ポン酢適量

作り方はこちら(クックパッド)

ハマボウフウの栄養

セリ科の植物であり、またオカヒジキ同様に海浜の山菜であることからマグネシウムやカリウム、リン、鉄、カルシウムなどのミネラル類や、ビタミンC、B1、β―カロテン、ヨウ素などのビタミン類が栄養素に含まれていることが予想されますが、食品成分表にはハマボウフウの栄養成分の記載はされておらず、また分析による確たる情報もありません。

漢方薬品などを扱う製薬会社などの情報よると、ハマボウフウには塩漬けの桜の葉の香りの原料にも使われている「クマリン配糖体」が豊富に含まれていると報告されています。この成分はポリフェノールなどの植物の芳香成分の一種で、苦くて芳香性ある刺激的な香りを食材に出すのが特徴です。抗酸化作用や抗菌作用、抗血液凝集作用があるといわれます。

ハマボウフウを料理に活用してみよう

砂浜の環境の変化や乱獲によって、近年は浜辺で見かけることが少なくなってしまったハマボウフウですが、新芽が伸びる時期に浜辺をよく探すと、地表を這うように葉を広げている自生のハマボウフウ見つけることができます。

生で食べるならサラダに加えるとシャキシャキした食感が楽しめ、刺身のつまにすると、見た目もきれいで魚の臭いを消す効果もあります。根は生薬として漢方薬に使われるほか、民間薬としても利用されます。

栄養成分は分析された報告がありませんが、オキヒジキと同様に海の山菜と呼ばれるハマボウフウにはミネラル類やビタミン類が含まれていると予想されるほか、ポリフェノール系の芳香成分が含まれているので、つまとして使うと生ものの臭い消しにもなる食材です。上手に料理して食卓を飾ってみてください。