2016年11月11日更新

硝酸カリウム、硝酸ナトリウムとは。食品への用途や危険性

硝酸カリウムや硝酸ナトリウムは、工業や農業などの産業分野で利用される他、食品添加物としても使用されることがある天然でも存在する化合物です。食品に使用される場合、人体への影響はないのか気になる情報をまとめてみました。

  1. 目次
  2. 硝酸カリウム、硝酸ナトリウムとは
  3. 用途や使用されている食品
  4. 危険性はあるのか

硝酸カリウム、硝酸ナトリウムとは

硝酸カリウムは、無色結晶の形状をしており、別名で硝石とも呼ばれており、天然で存在している物質です。強い酸性を示し、少しひんやりとして塩味がする他、防腐性があるという特徴があります。また、炎色反応でピンク色を呈することでも知られています。

また、硝酸ナトリウムも無色結晶の形状で、南米の太平洋沿岸で産出され、別名でチリ硝石と呼ばれています。水やアルコールに溶ける性質もあり、水に溶かすと中性を示すことでも知られています。
また、硝酸カリウムは工業的には、硝酸ナトリウムと塩化カリウムを反応させて作られているとされています。

用途や使用されている食品

硝酸カリウムは、食品添加物の他に肥料や発炎筒、花火などの発火剤、強化ガラス、医薬品、太陽光発電などの蓄熱媒体など多くの用途に使用されています。また、歯の研磨剤として使用されることもあります。

一方、硝酸ナトリウムはマッチやタバコの原料、爆薬、ガラスや陶器などに使われています。なお、硝酸ナトリウムは元々ほうれん草や白菜などの葉野菜に含まれていることがわかっています。さらに、これらを口にした際に、亜硝酸ナトリウムという物質に変わり、発がん性のあるニトロソアミンという物質になる可能性もあると言われています。

亜硝酸ナトリウムの毒性や発がん性

食品添加物としては、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムはいずれも、日本では昭和32年に認可されました。両者とも食肉製品の発色剤や防腐剤として使われていることがあり、その使用量にも制限があります。

硝酸塩は食肉や魚肉、魚卵などに含まれるアミンと反応するとニトロソアミンに変わることがわかっているため、現在は使用が減少しつつあります。その他の食品への用途としては、発酵調整剤として硝酸カリウムはチーズ、硝酸ナトリウムは清酒のみに使用が可能となっています。

危険性はあるのか

硝酸カリウムは、砂糖などの糖類と混合することで発煙する危険性のある物質です。ただし、硝酸カリウムそのものは、巷で容易に入手できるものではないので、発煙を伴う恐れのあるほどの量を普段扱うことは考えにくいので、特に気にする必要はないかもしれません。

それよりも硝酸塩類は、中毒を起こしやすいという性質や、ヒトの体内に取り込まれると発がん性のある物質に変わって吸収される毒性のある物質であるということが知っておいたほうが良いでしょう。食品添加物としては、ハムやソーセージ類に使用されるケースがありますので、気になる場合には「無添加」や「無塩せき」と表示されたものを選ぶと良いでしょう。