2017年5月10日更新

知らなかった!キャノーラ油とサラダ油の違いとは?

みなさんは料理に何の油を使いますか。
最近ではオリーブオイルや亜麻仁油、えごま油などが健康的とされていますね。
しかし、今もなお最も多く使われているのは、サラダ油やキャノーラ油ではないでしょうか。今回は、ふだん何気なく使っているこれら植物油について紹介します。

  1. 目次
  2. キャノーラ油とサラダ油の最も大きな違いは?
  3. キャノーラ油とは
  4. サラダ油とは

キャノーラ油とサラダ油の最も大きな違いは?

食用油のうち、バターやラードといった動物性の油を差し引いたものが植物油であり、植物油の中にもさまざまなカテゴリーがあります。

分類上の違い

植物油をさらに詳しく分けると、サラダ油とサラダ油以外になります。

サラダ油

  • 大豆油
  • ひまわり油
  • ごま油
  • コーン油
  • 綿実油(めんじつゆ:綿の種からとれる油)
  • くるみ油
  • アーモンドオイル
  • べにばな油
  • ごま油
  • 葡萄油
  • こめ油
  • なたね油
    • 従来のなたね油
    • 改良されたキャノーラ油

なたね油は、従来のなたね油と改良されたキャノーラ油に分かれます。
つまりキャノーラ油は、サラダ油の1種ということですね。

サラダ油以外

  • ココナッツオイル
  • 亜麻仁油
  • えごま油
  • オリーブオイル
  • しそ油

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不飽和脂肪酸の違い

食用油の多くは不飽和脂肪酸を含んでおり、不飽和脂肪酸はオメガ3、オメガ6、オメガ9の3つに分かれます。
それぞれの特徴を簡単に紹介すると、

  • オメガ3・・・体に良く多く摂ることが推奨されている
  • オメガ6・・・多く摂ると善玉、悪玉両方のコレステロールを下げるため、摂りすぎによるデメリットが懸念される
  • オメガ9・・・悪玉コレステロールを下げる効果があり、摂ってもリスクが少ない油されている

この不飽和脂肪酸の種類で植物油を見ると、サラダ油の中でもこめ油とキャノーラ油はオメガ9を多く含み 、その他はオメガ6を含んでいるという違いがあります。
サラダ油の中でもキャノーラ油は体に優しいということですね。
ちなみにサラダ油以外のうちココナッツオイルを除く亜麻仁油、えごま油、しそ油はオメガ3が豊富で健康食品として食べられています。
以上がサラダ油とキャノーラ油の最も大きな違いです。次にサラダ油とキャノーラ油それぞれの特徴を見ていきましょう。

キャノーラ油とは

サラダ油のひとつ、なたね油を改良したのがキャノーラ油でしたね。
他にはどんな特徴があるのでしょうか。

キャノーラ油の定義

従来のなたね油の有害な成分を排除したセイヨウアブラナをキャノーラを呼びます。キャノーラ油はこの品種からしぼった油です。
さらに国連食糧農業機関の基準によると、キャノーラ油のエルカ酸含有量は5%以下、チオグリコシドは40umol/gを超えないものとされています。

キャノーラ油の特徴

キャノーラはなたね油特有の有害物質エルカ酸やチオグリコシドの含有量が低く、ある研究ではキャノーラ油の脂肪酸組成は植物油の中で最も優秀と言われるほど。
キャノーラ油はカナダで開発され、具体的な特徴は主に以下の3つからなります。

飽和脂肪酸が極めて少ない

飽和脂肪酸はコレステロールの生成を促し、血中コレステロール値を下げて冠動脈性心疾患や心臓血管疾患のリスクを高めます。
研究によると、キャノーラ油の飽和脂肪酸は2%弱がステアリン酸、4%はパルミチン酸という抗酸化作用のあるものからなり、植物油の中では最も少ないことが分かっています。

一価不飽和脂肪酸が高い

オレイン酸含有量が高く全体の58%以上を占めます。
オレイン酸とは血中の悪玉コレステロールを下げつつ、善玉コレステロールは下げずに保つ働きがあります。そしてこの善玉コレステロールは、周囲の細胞の過剰な中性脂肪が分解されてできたコレステロールを一掃します。
また、悪玉コレステロール受容体の働きを阻害して値を下げ、コレステロールの蓄積による動脈硬化を防ぎます。

リノレン酸とαリノレン酸をほどよく含む

不飽和脂肪酸は酸化しやすく、細胞に有害な酸化物へと変化するため、大量に摂ると血液をドロドロにすることが分かっています。その点、キャノーラ油はリノレン酸が22%、αリノレン酸が10%と比較的低めです。
ほかにも、キャノーラ油は従来のなたね油の2倍のビタミンEを含み、酸化しにくいという利点から、栄養補助や抗酸化材としても幅広く応用されているんですよ。

サラダ油とは

サラダ油というと多くの植物油のことを指しますが、これらには共通する特徴があります。

サラダ油の定義

以下の9つの材料からなる植物油に限りサラダ油と表記できます。
大豆、ひまわり、ごま、綿実、べにばな、葡萄、こめ、なたね、とうもろこし。
また、他の油に比べてより細かく精製されており、冷蔵庫で保管することを想定して、4.4℃低温下でも固まらないよう加工されていることも挙げられます。

サラダ油の特徴

もともとサラダ油とはサラダに直接かけて食べるように開発された植物油であり、サラダや野菜の和え物をよく食べるヨーロッパで多く使われていました。
特に前菜などは冷蔵庫で冷やして食べるため、低温でも固まらない、そしてかけることで野菜の色や味が保たれる油が必要だったんですね。

サラダ油はその精製度の高さから味が非常に薄くなっています。そのため用途が幅広く使いやすいという利点はあるものの、自然由来の抗酸化物質まで削ぎ落とされているため、脂質に偏った食品といえます。
栄養バランスを考えれば、毎日サラダ油ばかりではなく、他の不飽和脂肪酸を含む油も取り入れる方が良さそうです。

見た目も味もそれほど変わらないサラダ油とキャノーラ油ですが、詳しく見るといろんな違いがあるんですね。
毎日の食事に使う油を上手に使い分けて、健康に毎日を過ごせるといいですね。