2017年3月22日更新

粉砂糖とは

粉砂糖と聞くと、ケーキのデコレーションなどで粉雪のようにふりかけられる、肌理の細かいパウダー状の砂糖が思い浮かびますが、実際に口にしてみると、本当にお砂糖?と思うような軽い味わいが印象的ですね。今回はこのふんわりとした粉砂糖について、どのように作られているのか、また、どのような用途があるのかなど、詳しくご紹介いたします。

  1. 目次
  2. 粉砂糖とグラニュー糖の違い
  3. 粉砂糖の使い方
  4. 粉砂糖の賞味期限と保存方法
  5. 粉砂糖の代用について
  6. 粉砂糖のカロリーや栄養成分について

粉砂糖とグラニュー糖の違い

粉砂糖は、グラニュー糖を細かく粉砕しパウダー状にした加工糖で、粉糖、パウダーシュガー、アイシングシュガーとも呼ばれます。この粉砂糖は用途に合わせて、下記の3種類に分かれます。

  • 純粉糖・・・100%グラニュー糖だけで作られる粉砂糖
  • 粉糖・・・純粉糖にコーンスターチを少量混ぜた粉砂糖
  • プードルデコール・・・粉糖の粒子を油脂でコーティングした粉砂糖

100%グラニュー糖の純粉糖は湿気に弱く固まりやすい性質があるため、コーンスターチを混ぜて固まりにくくしたのが粉糖です。さらに湿気で溶けてしまわないように、粉糖の粒子を油脂でコーティングしたものがプードルデコールです。

コーンスターチは、とうもろこしのでんぷんをパウダーにしたもので、無味無臭で余分な風味は付きません。日本で一般的に市販されているのは、このコーンスターチの入った粉糖です。

粉砂糖の使い方

非常に細かい粒子を持つ粉砂糖は、材料に素早くなじみ、口当たりが良く、他の素材の邪魔をせず、くせのない甘みを加えることができます。この特徴を活かし、粉砂糖は主に下記のような製菓用として活用されています。

焼き菓子などの生地に混ぜ込む

砂糖の割合の多いケーキなどを作るときは、粉砂糖を使うと、粒子が細かいので生地に混ざりやすく、ザラザラとした食感が残らず、ふんわりと口当たりの良い焼き上がりになります。

ホロサクッとした食感が魅力のスノーボールクッキー(プールドネージュ)も、アーモンドプードルと粉砂糖が、その独特の口当たりの秘訣です。また繊細な味わいの焼き菓子マカロンの材料としても、粉砂糖が欠かせません。

クッキーのアイシングに

色とりどりの柄や模様でクッキーを華やかにデコレーションするアイシング。その材料となるのは卵白と粉砂糖。通常の砂糖ではなく、粒子の細やかな粉砂糖を使うからこそ、キレイに溶けてスムースなアイシングシュガーができるのです。

ドーナッツやパンのグレーズとして

ケーキやドーナッツの表面に塗られている、半透明のパリッとしたグレーズは、元々はお菓子の乾燥を防ぐためのもの。このグレーズも、粉砂糖から作られています。

ケーキやタルトなどの仕上げパウダーとして

粉砂糖というと真っ先に思い浮かべるのは、色々なスイーツの表面に粉雪のようにふりかける、仕上げ用パウダーです。繊細で、口当たりがよく、ほんのりと甘くて、見た目にも美しく、特にチョコレートケーキとの愛称は抜群です。

粉砂糖の賞味期限と保存方法

砂糖の中でも、グラニュー糖や上白糖は、長期保存しても品質に変化がないため、JAS法によって「賞味期限を表示する必要のない食品」に定められています。粉砂糖に関しても、その成分のほとんどがグラニュー糖ですので、賞味期限はありません

しかし粉砂糖は、熱や湿気に弱く、固まりやすいため、密封可能な容器に保存し、できるだけ早く使い切るようにしましょう。特に粉糖やプードルデコールなど、グラニュー糖以外の成分を含むものは、長期保存により砂糖以外の成分が変化し、風味が劣化することもありますので、注意が必要です。

粉砂糖の代用について

粒子が細かく独特の食感をもつ粉砂糖ですが、他の砂糖の代用として使用できるのでしょうか?また反対に、粉砂糖が無い場合は、他の砂糖で代用は可能でしょうか?

他の砂糖の代用として

純粉糖

100%グラニュー糖で混ぜ物のされていない純粉糖は、グラニュー糖や上白糖、角砂糖の代わりとして使用ができます。

粉糖

コーンスターチが配合されている粉糖は、若干甘みが弱いですが、風味は変わりませんので、グラニュー糖や上白糖の代わりに使用が可能です。ただし、水分に溶けにくいため、コーヒーや紅茶などには向きません。

粉砂糖の代用として(粉砂糖がない場合)

和三盆

粉砂糖の特徴である粒子の細かさや、口溶けのよさを持つ砂糖としては、和三盆があります。貴重な原料を元に、伝統的な手法で手作りされる独特な砂糖のため若干高価ですが、粉砂糖の代用としては申し分ありません。

手作り粉砂糖

粉砂糖を使用したいけれど手元にない!という場合は、グラニュー糖をミルミキサーで挽く、または乳鉢ですりつぶすなどして粉砂糖を手作りすることもできます。市販品ほど均一な細かさは求められませんが、代用としては充分使用価値ありです。

粉砂糖のカロリーや栄養成分について

粉砂糖は基本的にグラニュー糖からできており、添加されるコーンスターチや油脂なども少量ですので、カロリーやGI値についてはグラニュー糖を参照しましょう。また、グラニュー糖は精製純度が高いため、栄養成分はほとんどありません。

カロリー

  • グラニュー糖・・・387
  • 上白糖・・・384
  • 三温糖・・・382
  • てんさい糖・・・390
  • 黒糖・・・354

GI値

  • グラニュー糖・・・110
  • 上白糖・・・109
  • 三温糖・・・108
  • てんさい糖・・・65
  • 黒糖・・・99