2023年8月22日更新

栄養満点のビーツを食べ過ぎるとどうなる?胃がんのリスクはあるのか

ビタミンやミネラル、食物繊維などを豊富に含んでおり、さらにアンチエイジングにも効果的な抗酸化物質が含まれていることから栄養満点な野菜として知られているビーツですが、食べ過ぎるとよくないというウワサが出回っています。

中でも「ビーツを食べ過ぎると胃がんになる可能性がある」ということはよく耳にしますが、実際のところどうなのでしょうか。

本記事では、ビーツを食べ過ぎることでのリスクや胃がんとの関係性、さらには1日の目安摂取量について解説します。

  1. 目次
  2. ビーツを食べ過ぎるとどうなる?
  3. ビーツに胃がんのリスクはあるのか
  4. ビーツの1日の目安摂取量は?
  5. まとめ

ビーツを食べ過ぎるとどうなる?

ビーツを食べ過ぎると以下のようなリスクがある場合があります。

  • 尿管結石のリスクを高める
  • 尿や便が赤くなる可能性がある
  • 便秘や消化不良を起こす可能性がある

それぞれのリスクについて詳しく解説します。

ビーツを食べ過ぎるリスク①:尿管結石のリスクを高める

ビーツはシュウ酸が多く含まれる野菜であることが知られていますが、このシュウ酸は尿管結石の原因となる成分であるため、ビーツを食べ過ぎてしまうと尿管結石のリスクが高まってしまいます。

ビーツだけを食べ過ぎたことが原因で尿管結石になることはそれほど高くないですが、体内のシュウ酸濃度を高めると言われているインスタントラーメンやコンビニ弁当、お菓子、脂身の多いお肉などを日常的に食べるという方は要注意です。

尿管結石の対策としては、お水をたくさん飲むことやカルシウムをたくさん摂取することが推奨されていますので、尿管結石のリスクを少しでも下げるために対策してみてください。

ビーツを食べ過ぎるリスク②:尿や便が赤くなる可能性がある

ビーツには水溶性のベタシアニンという成分が含まれており、これには高い抗酸化力があると言われているため、アンチエイジングへの効果も期待されていますが、水溶性の色素であるため、食べ過ぎると尿や便としてそのまま排出されることがあります。

ビーツを食べ過ぎたことで尿や便が赤くなることは、カラダへの悪影響はないものの血尿と勘違いされることも多いため、驚かないためにも覚えておくといいでしょう。

ビーツを食べ過ぎるリスク③:便秘や消化不良を起こす可能性がある

ビーツには、100gあたりの水溶性食物繊維の含有量が0.7g、不溶性食物繊維の含有量が2.0gと、野菜の中でも豊富な食物繊維が含まれていますが、不溶性食物繊維を摂取し過ぎると便秘や消化不良を起こしてしまう可能性があります。

不溶性食物繊維は水分で溶けない性質を持っているため、摂取し過ぎてしまうと胃の中の水分を吸うことで膨張して便の水分量が減ってしまうことで便秘になってしまうことがあるのです。

厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、不溶性食物繊維の摂取目標は18~64歳で男性21g以上、女性18g以上と定められているため、不溶性食物繊維をたくさん摂取することには気をつけましょう。

ビーツに胃がんのリスクはあるのか

ビーツに含まれている硝酸塩には胃がんのリスクがあると言われていますが、実際のところ胃がんとの関係性は明確ではないのです。

農林水産省では硝酸塩と胃がんの関係性について以下のように発表しています。

”胃がんと硝酸塩の関係については、関係があるとする研究もありますし、関係が認められないとする研究もあります。大部分の研究は結論が出ていませんし、むしろ硝酸塩の摂取量が増えると、胃がんの発生率が低くなるという逆の相関を示す研究結果もあります。”(出典:農林水産省「食品中の硝酸塩に関する基礎情報」

このように、ビーツにも含まれている硝酸塩と胃がんの関係性は明確ではないですが、極端にビーツだけを食べるような食生活をしないのであれば心配する必要がないことも記載されています。

それでも心配だという方は、ビーツを茹でることで硝酸塩が減少することがわかっていますので、生では食べずに加熱調理してから食べるといいでしょう。

ビーツの1日の目安摂取量は?

ビーツの1日の目安摂取量は100gほどです。

厚生労働省「健康日本21」によると、野菜の摂取量目安は成人の男性・女性ともに350gとされており、緑黄色野菜を120g以上と淡色野菜を230g以上とされています。

これらの野菜のうち、ビーツはβカロテンの含有量が少ない淡色野菜に分類されるため、同じく淡色野菜に分類されるキャベツや玉ねぎ、もやしなどと合わせて230g以上摂取するといいでしょう。

まとめ

本記事では、ビーツを食べ過ぎることでのリスクや胃がんとの関係性、さらには1日の目安摂取量について解説しました。

ビーツは日常的に食べられる野菜ですので、過剰に食べ過ぎなければ基本的にカラダへの悪影響はありません。

また、胃がんリスクとの関係性も明確ではありませんので、過剰に反応し過ぎずに適量食べるようにしましょう。