2019年4月7日更新
かいわれ大根が辛い理由は?栄養満点野菜の裏に危険性はあるの?
毎日形を変えてサラダなどに多用されるかいわれ大根は、彩りを良くしてくれる定番の野菜ですよね。少し辛味があるのが特徴で、口に大きく広がる辛味は料理のアクセントになります。そんなかいわれ大根の栄養や辛い理由、更には危険性までご紹介していきます。
辛みが特徴のかいわれ大根
家庭菜園の第一歩とも言えるかいわれ大根は、栽培方法も簡単で自宅でも作ることができる野菜ですよね。細かい無数の葉を付けるかいわれ大根は名前の通り、大根の新芽を食用とした野菜です。
近年「スプラウト」というフレーズを良く見聞きしますが、このスプラウトこそかいわれ大根の正体です。正確には野菜や豆類から発芽した種子の総称をスプラウトと呼ぶため、かいわれ大根は大根でもスーパーなどで販売しているあの白くて立派な大根とは別物になります。スプラウトは様々な種類のものがあり、エンドウ豆や緑豆もやし、ブロッコリー、クレス、からし菜、豆苗などからもスプラウトが作れます。
かいわれ大根は大根ではない
混乱してしまう人も多いですが、かいわれ大根は一般的な大根とは異なる種類の野菜です。そのため、市販されているかいわれ大根の種からスーパーで販売されている大根を作ることはほぼ不可能に等しく、そもそもスーパーで販売されている大根は食用として大きく収穫できるように品種改良されたものなのです。
食べ応え抜群の白い大根は、大きく成長するように手が加えられたもののため立派な大根を収穫することができますが、かいわれ大根の種は大根ほど大きな根を作る必要がないため、収穫用の育てる種になっていません。野菜としての見方では同じものですが、それぞれに食べる際の目的が異なるためかいわれ大根のようなスプラウトを作る際にはかいわれ大根用の種が必要なのです。もちろん市販されている大根のような大きいものを収穫したい場合は同じように大根用の種を用意しなければならないということです。
かいわれ大根の危険性
体に良い野菜であるかいわれ大根に危険性があるのかどうか疑問に感じるところですが、かいわれ大根に危険性の疑いがかかった問題が1996年に堺市の小学校で発生しました。学校給食に出されたかいわれ大根が原因と疑われた集団感染では病原性大腸菌О157の食中毒が原因とされ、当時の厚労省がかいわれ大根を製造する工場にて立ち入り検査が行われました。
しかし、関連性は立証されず、集団感染した食中毒とかいわれ大根は無関係という結果に。このことからスプラウト産業では衛生面を策定され現在の日本では安心してかいわれ大根などを含むスプラウト商品を安全に口に入れられるようになりました。
かいわれ大根の栄養と辛い理由
肉料理などの脇役的存在として認識されているかいわれ大根には、どのような栄養が含まれているのか気になるところです。付け合わせ程度の栄養しかないと思っている人も多いですが、実はこんなにも栄養満点の野菜でもありました!
かいわれ大根の栄養…想像以上!
まずかいわれ大根のカロリーですが、100gで21キロカロリーとかなり低カロリー。そしてビタミンKやビタミンC、葉酸、ビタミンA、ビタミンEなどのビタミン類が非常に豊富です。ただし、ビタミンCは熱に弱いため、ビタミンCを中心に摂取したい場合はサラダなどの生食で、ビタミンAなどは油などと共に熱を加えると吸収率が上がるので、ビタミンAを中心に摂取したい場合は油と一緒に炒め物にしましょう。
主にビタミン類が豊富なかいわれ大根ですが、実はそれだけに留まりません。他にも自然な上質の眠りを叶える「メラトニン」という成分が含まれ、この成分は眠りの他にもアルツハイマー予防にも最適なんだそうです。
また、胃腸の働きを助ける「ジアスターゼ」という成分も含まれています。かいわれ大根を食べるだけで上記の効能や代謝アップ、ホルモンバランスの調整、肝臓の代謝向上なども得られるので不調なときこそかいわれ大根を日々の食事に取れ入れたいものです。
かいわれ大根が辛い理由は?
簡単に言うと大根だからです。。
かいわれ大根に辛味を感じる理由には、「イソチオシアネート」という成分が関係しています。かいわれ大根の特徴とも言えるあの独特の辛味には、このイソチオシアネートが作用しており、しかも辛い理由になるだけではなく、がんの予防や動脈硬化、老化、生活習慣病といった現代人には無視できない体の異変を予防してくれる作用があります。したがってかいわれ大根はただ辛いだけではなく、この辛さこそが体に良い効能をもたらしてくれる証拠なのです。
かいわれ大根を美味しく食べる料理
かいわれ大根は独特な辛味があるため料理に入っていたら仕方なく食べる…程度の人も多いのではないでしょうか。しかし、これだけ栄養がたっぷり詰まったかいわれ大根は仕方なく食べるその二倍の量を美味しく食べたいものです。意外とアレンジ自在なかいわれ大根を使った料理をご紹介するのでぜひ参考にしてみてくださいね!
味噌汁orスープ
かいわれ大根の辛味がどうしても苦手という人は、食べやすく飲み込みやすい味噌汁に入れて食べてみましょう。もちろん洋食向けにスープにしてもOK。サラサラと流れるように食べられるので小さい子どもでも食べられます。
肉巻き
かいわれ大根単体ではお腹いっぱいになりませんが、ガッツリとしたおかずに変化させたいならお肉と一緒に巻いて焼いて食べるのも良いでしょう。こってりとしたお肉の中に潜むかいわれ大根が口の中をサッパリさせてくれるのでいくらでも食べられるおかずになります。
揚げ物
揚げ物と言ってもかいわれ大根をそのまま揚げるのではなく、餃子の皮などにかいわれ大根を入れて揚げていきます。きつね色をしたパリパリの皮に出現するかいわれ大根は何ともクセになる一品です。
チャーハン
色合いが重要なチャーハンはかいわれ大根のような緑色を入れると更に見た目が良くなります。卵や鮭なども混ぜると更に目も味も美味しくなるチャーハンです。
優秀野菜かいわれ大根!ピリッと辛い風味を堪能しよう
数ある野菜の中でも一際影の存在と言えるスプラウトなどのかいわれ大根は、料理の付け合せ程度にしか認識されていません。しかし、栄養がしっかりと詰まった野菜でもあるので、自宅でも簡単に栽培できるかいわれ大根を美味しくアレンジして明日のパワーに繋げていきましょう!