2018年8月26日更新

杜仲茶の杜仲(とちゅう)って何だろう?

杜仲茶

味の好き嫌いは別として杜仲茶は健康に良いお茶であるということはだれもがご存知のことと思います。そして健康志向の高まる近年、漢方食材が注目されるようになり、漢方の食材を学ぶ中には「杜仲」という単語を良く目にします。なぜなら杜仲茶の原料である杜仲は大昔から中国で重宝されている漢方薬の大切な原料だからです。ここでは杜仲茶の杜仲についてご紹介します。

  1. 目次
  2. 杜仲茶の杜仲(とちゅう)とは
  3. 杜仲の葉はお茶の原料になる
  4. 杜仲茶の葉の成分と効能
  5. 杜仲の木の樹皮は漢方薬の原料
  6. 杜仲の木の樹液から天然ゴムが作られる
  7. 葉はお茶、樹皮は漢方薬、樹液は天然ゴムに使える杜仲

杜仲茶の杜仲(とちゅう)とは

杜仲茶の杜仲とはトチュウ目トチュウ科の中国原産の一種類しか存在しない落葉高木です。学名はEucommia ulmoides。一科一属一種のみのとても貴重な木です。

杜仲の歴史をさかのぼると、なんとこの世にまだ恐竜たるものが生きていた時代にまでさかのぼります。その頃は杜仲の木も色々な種類が存在していたようですが、すべての生物が絶滅した氷河期を乗り越えて生き残ったのが、今私たちがその木の葉を煎じて飲んでいる杜仲茶の、その一種類だけで、現代に存在する杜仲の木なのです。

杜仲は、地球の長い歴史を生き延びた非常に生命力のある木だといわれ、「現代の生きた化石植物」などと呼ばれることさえあります。そんなたくましい生命力を持った杜仲は、原産国の中国では今も昔も人間の健康に効果的な薬効を持つ木であると重宝されています。

中国の古い薬物書である「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」の中では、杜仲は無毒であり長くそしてたくさん服用しても人の体に害はない安全な薬草に分類されているそうです。

杜仲の葉はお茶の原料になる

コンビニのペットボトルではお馴染みの杜仲茶。のどごしの良い味で、体に良いお茶だと、多くの方にその名が知られているお茶です。

杜仲の葉は杜仲茶の原料として利用されます。中国でははじめ杜仲の樹皮を煎じてお茶にしていましたが、樹皮は一度採取すると再生されるまでに時間がかかるので、毎年採取できる葉の成分を調べたところ、同様の効果のある成分があることがわかり、葉からお茶を煎じて飲むようになりました。

杜仲茶の煎じ方

生の葉が手に入ったときは、2~3日天日干しします。やかんにたっぷり水を入れ、乾燥茶葉をひとつかみ入れて10~15分煮だします。天日干しした茶葉を煮だす前に、弱火にかけたフライパンで軽く炒ると焙煎した茶葉ができ、味に深みのあるお茶を煎じることができます。

杜仲茶の茶葉はスーパーでも購入できます

杜仲茶の茶葉は一般のスーパーやドラッグストアなどでも購入することができます。紅茶のようにティーパックなどに包まれているタイプもあります。

どちらにしても杜仲茶の薬効に期待したいときは、少し長めに煮だし濃く煎じます。

茶葉の煎じ方は1Lの水に対して3gの茶葉をやかんなどに入れて10~15分煮だします。ティーパックの場合は紅茶のティーパックを入れる要領で入れてください。濃く出すとそれだけ味も苦くなりますが、薬効はより期待が高まります。とりわけ薬効を気にせず水代わりに飲みたい場合は、煎じる水の量を2倍するとよいです。

杜仲茶の葉の成分と効能

杜仲の葉の成分には、ゲニポシド酸やアスペルロシドなどという普通の食生活からでは摂取できない体に良い成分がたくさん含まれています。

そのほか、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、鉄分、カリウム、亜鉛などの栄養素が豊富に含まれているほか、フェノール化合物やフラボノイドなどを含有していますが、カフェインは含まれていないので、夜遅くに飲んでも、子供やお年寄りの方、また妊娠中の方でも安心して飲むことがきます。

その効能はメタボ改善、ダイエット効果、ストレス解消、老化の予防、そして便通や冷え性、肩こりの改善など、健康によい効果に幅広く期待できる効能のあるお茶だと紹介されています。

ゲニポシド酸は強い抗酸化作用がある

杜仲の葉の成分であるゲニポシド酸には強い抗酸化作用があります。体の酸化を抑制してアンチエイジングに効果的です。またゲニポシド酸は副交感神経を活発にする作用があるので緊張を緩和させリラックス効果を高めてくれるほか、ストレス解消や自律神経失調症に効果的であると言われています。

アスペルロシドは肥満に効果的

食事から摂取できないアスペルロシドは基礎代謝を上げる作用があります。肝臓や筋肉などの働きを高めて基礎代謝を上げることで、内臓脂肪を減らしていく作用があるので、肥満を気にする方やダイエットに効果的なお茶だとすすめられています。

生活習慣病の症状を改善に効果的

ゲニポシド酸は強い抗酸化作用でなく、副交感神経に作用することから血管を拡張させる作用があり血圧を穏やかに下げてくれので、血の巡りがよくなり高血圧などの予防に期待されるほか、インスリンの働きを促進する作用で、糖尿病の予防にも期待されています。コレステロールを改善し、中性脂肪を低減する作用があることで高脂血症や動脈硬化の予防もでき、現代人が心配している生活習慣病の症状の改善に効果的であると言われます。

利尿作用や滋養強壮にも効果がある

杜仲茶を飲んだあとは利尿作用が働き排尿が促進され、むくみなどが改善されます。また強い抗酸化作用から細胞を活性化する効果も高く、そのため滋養強壮が強められると言われます。胃腸の働きを促し便秘の改善につながり、血の流れがよくなることでは肩こりや冷え性の改善にもなると言われています。

杜仲の木の樹皮は漢方薬の原料

杜仲の樹皮は、樹皮に含まれている成分の薬効から漢方薬の材料に使われています。杜仲茶は、もとは杜仲の葉ではなく樹皮を煎じて飲んでいたので、葉と同様の成分が樹皮にも含まれているのです。

何千年もの昔から、中国では杜仲の樹皮を、日ごろから食事に摂り入れることで体の不調を予防したり改善できる食材の一つとして扱ってきました。

中国の古い薬学書「神農本草経」の中ではその効力と用法が明確に記載されており、そのことから16世紀末には杜仲の樹皮が正式な漢薬として使われていたことがわかります。杜仲は五大漢薬(杜仲、芍薬、鹿茸、朝鮮人参、冬虫夏草)の一つです。降圧作用や利尿作用、滋養強壮作用、鎮痛作用をはかり体の不調の予防や治療に大昔から利用していたのです。

現代の医学においても杜仲の樹皮に含まれるリグナン成分には、抗ストレス、更年期障害、血圧降下、滋養強壮に効果が期待できることが証明されており、日本でも杜仲の樹皮は薬事法で医薬品に指定されています。ちなみに昔から滋養強壮に効果があると謳われた薬用健康商品で、何種類かの生薬を煮だした薬酒の「養命酒」の成分にも杜仲の樹皮が生薬の一つとして利用されています。

杜仲の木の樹液から天然ゴムが作られる

杜仲ゴム

杜仲は人間の健康に良い影響を与えるだけの植物ではありません。天然ゴムも産出する木としても有名です。杜仲の葉や樹皮を裂くと、その裂け目から白っぽく輝く乳液のような糸を引くものが出てきます。この乳液のようなものはゴム質の成分で、これが固まると天然ゴムとして使うことができるのです。これを杜仲ゴムといいます。

杜仲から採取したゴムはプラスチックのような堅さがあり、酸アルカリに強く、電気を通しにくい特徴があります。工業素材として利用されており、近い未来においては、杜仲ゴムを使い自動車のタイヤや医療用のギプスなどの原料として活用されることに期待されています。

杜仲ゴムは杜仲の木の虫除けになる

杜仲の木には杜仲ゴムのおかげで害虫が付きません。害虫が杜仲の葉を食べ始めるとネバネバとゴム質の液体が絡まるため虫が付かないのです。害虫駆除の手間のかからない便利は木です。

葉はお茶、樹皮は漢方薬、樹液は天然ゴムに使える杜仲

杜仲の葉はお茶に、そして樹皮は漢方薬に、さらに木の樹液からは天然のゴムを採取することができ工業素材に使われる杜仲は、人間の健康にも役立ち、工業にも貢献するとてもECOな木ですね。五大漢薬の一つに紹介される漢方薬の代表選手である杜仲の薬効は幅が広く、その効果に期待されています。茶葉を濃く煎じるとそれだけ苦みも出ますが効果もそれだけアップするのだとか。ダイエットに期待する方は濃く煎じたお茶を飲んで効果のアップを狙ってみてはどうですか。毎日のお茶を杜仲茶に変えるなど杜仲を上手に活用して効果に期待してみてください。