2018年7月17日更新
太刀魚(タチウオ)の美味しい食べ方。下処理の仕方も
太刀魚は太刀(日本刀)のように細長く銀色の体色をしていることから太刀魚を呼ばれているそうです。伝説によると鎌倉時代の武将が海に投げた太刀が魚になったという話もある魚です。今回はそんな面白い伝説のある太刀魚の美味しい食べ方をご紹介します。太刀魚の下処理の仕方や人気の料理もご紹介します。
太刀魚はクセのない淡白な味
スズキ目サバ亜目タチウオ科に分類される太刀魚。学名はTrichiurus lepturusと言います。全身が美しい銀色に輝く美しい魚です。味はクセのない淡白な味で、身はやわらく揚げるとふんわりするのが特徴です。皮にうま味があり、刺身にするときは皮つきで食べるのがおすすめですが小骨が多いのが難点です。
太刀魚は夏から秋にかけてが旬
人気の魚なので国産ものだけでは足らず、東南アジアなどからも輸入されるものも多く市場では常に入荷のある魚です。周年美味だと言われますが、特に夏から秋が美味しい旬の時期だと言われます。
太刀魚は北海道以南の全国の沿岸で漁獲されます。夏から秋にかけては各地で、「波止めからもよく釣れる釣りの対象魚」として人気の時期でもあり、太刀魚の夏の夜釣りなどは夏の風物詩とも言われています。そんな場面からも、太刀魚の旬は夏から秋、7月~11月だと言われます。ちなみに太刀魚の産卵期は6月~10月ですが、食べ頃もその時期と重なります。
太刀魚の相場価格
太刀魚の価格はやや高めです。国産のものは3,000~5,000円/kgくらいの価格で取引されています。ネット通販で輸入の冷凍ものでは1,500円/kg程度です。焼き用にして食べるのであれば輸入の冷凍ものでも味はよいと言われています。
太刀魚の下処理の仕方
太刀魚の美しい銀色の体表にはうろこはありません。ですから太刀魚はうろこを取る必要はありません。
両顎に、触っただけで手が切れてしまうほどの鋭い歯を持っているので、頭の部分を切り捨てないのであれば、口の先の部分は切り落としてしまいます。
腹に包丁を入れてあごを開いてエラの付け根と頭のつながっている部分を切り離します。エラを引き離すと内臓も一緒にはがれます。尾は身が付いていないので、尾の部分は切り落としてしまいましょう。
また背びれの付け根にある骨は硬いので背びれの両側から浅く包丁を入れて取り除いておくとよいでしょう。腹ワタを取り除いたら腹の中に残っている血あいなどをきれいに洗い、キッチンペーパーなどで水気を良く取ります。ここまでは下処理にしておきたい内容です。
骨ごとぶつ切り
腹の中をきれいに洗って水気を拭き取ったら、調理する料理や使用する鍋の大きさに合わせて必要な大きさに骨ごとぶつ切りにします。三枚におろす場合は、大きめにぶつ切りにしたものを三枚におろします。塩焼きや唐揚げなどはぶつ切りにしたものを使用します。
太刀魚の美味しい食べ方
太刀魚は身質がいいのでどんな料理にしても美味しく食べることができます。熱を加えると淡白な白身はうま味がぎゅっと増します。それがまた太刀魚の味わいの特徴です。
小さい太刀魚は三枚におろすと、身は薄いですが、同じ幅で細長い形状の身になるので、巻いたり重ねて調理すると美味しく食べられます。釣り人の間では太刀魚の体高を指の本数で図るそうです。一般的な太刀魚の体高は指三本の幅と同じくらいだと言われます。
また太刀魚の美しく輝く銀色の皮にはうろこがありません。皮にはうま味が詰まっているので刺身にするときは皮を引かずに銀の皮つきのままでいただくのが、太刀魚の刺身の美味しい食べ方です。
太刀魚のおすすめ料理
淡白な味で火を加えると旨みがグッと増す太刀魚の人気のおすすめ料理は塩焼き。刺身は皮つきがおすすめです。バターと相性が良いのでムニエルや洋風の料理にもよく使われます。煮付けで食べるのもおすすめですが身が柔らかく煮崩れしやすいので落し蓋をして、煮汁の中で魚が動かないように気を付けてください。
また、ぶつ切りにした身を唐揚げや天ぷらにすると身がふっくらして美味しいです。三枚におろしたときに出た骨は、揚げて骨せんべいにすると美味しくいただけます。蒲焼き、竜田揚げなどどんな料理にしても美味しい魚です。
太刀魚のおすすめの料理のレシピをいくつかご紹介しますので、太刀魚の美味しい料理をご賞味してみてください。
太刀魚のムニエルと絶品レモンソース
クセのない淡白な味の太刀魚はバターと相性がよく、ムニエルは太刀魚のおすすめ料理です。今回ご紹介するレシピではバター風味によく合うレモンソースを添えたレシピです。ご紹介するレモンソースはミントなどのハーブを加えたソースです。レモンの酸味とさわやかなハーブがバターで焼き上げた太刀魚のムニエルの味と絶妙なコンビネーションを醸し出しています。
<材料2人分>
- 太刀魚切り身2枚
- プチトマト2個
- 片栗粉 大さじ4
- バター20g
- 塩こしょう適量
*レモンソース*
- オリーブオイル 大さじ3
- レモン汁 大さじ1
- ミントの葉 2枝ほどの葉を刻む、パセリやバジルでも。
- 塩小さじ半
太刀魚の蒲焼
火を加えると淡白な味にグッとうま味を増す太刀魚。うま味だけではなく身もふっくらとするので、蒲焼にするとウナギに勝る美味しさだと評価されることもあります。今回ご紹介するレシピはフライパンで簡単に作れる太刀魚の蒲焼のレシピです。夏が旬の太刀魚!ウナギの蒲焼から軍配を上げることがあるほどの太刀魚の蒲焼をご賞味してみてください。
<材料1人分>
- 太刀魚半身
- 小麦粉少々
- サラダ油少々
*タレの材料
- 醤油大さじ2
- 砂糖大さじ⒈5〜
- みりん 大さじ1
- 酒大さじ
太刀魚のグルグル串焼き
作り方は超簡単!太刀魚の美味しい食べ方は何と言っても塩焼きが人気ですが、塩焼きをアレンジしたレシピです。太刀魚を三枚におろすと、身が薄く、同じ幅の長いシート状になる特徴を活かし、その身をくるくると串に巻き、太刀魚の人気のメニューに上がる塩焼きにした料理です。同じ塩焼きでもこのようにすると食べやすく、パーティーのなどの料理にもおすすめです。竹串を2本使って巻き付けると、身が固定されて焼きやすいし、また食べやすいです。
<材料2人分>
- 細めの太刀魚2〜3本
- 塩少々
- すだち好みで
骨まで食べる太刀魚の骨せんべい
太刀魚を三枚におろして出た骨を、骨まで食べるおすすめのレシピです。骨せんべいというと揚げるのもが多いですが、このレシピはオーブンで焼くだけなのでとてもヘルシー。しかもカルシウム満点なので、ダイエット中の女性や、カロリー制限している方にもおすすめです。太刀魚を三枚におろして中骨が出たら、捨てずに骨せんべいでご賞味してみてください。
<材料>
- 太刀魚3~4匹
- 塩適量
夏から秋が旬の太刀魚!美味しく食べよう!
淡白な味わいの太刀魚はどんな料理にしても美味しくいただけます。熱を通すと身からうま味がグッとでるので塩焼きは人気の料理です。美しく輝くうろこのない銀色の皮にはうま味が詰まっているので、お刺身は皮を引かずに銀の皮つきで食べるのがおすすめです。お値段はやや高いようですが、人気の魚です。好みの料理に調理して、ぜひ美味しくご賞味ください。