2017年11月21日更新
アナゴの美味しい時期や値段・調理法も
甘いタレに絡めるアナゴは回転寿司などで安価な価格で提供される店に欠かせない存在です。柔らかい身を生かし、調理法には蒲焼きにしたり白焼き、他にも天ぷらなどにして私たちの舌を楽しませてくれる魚でもあります。今回はそんなアナゴの値段や美味しい時期、刺身にしても問題はないのかといった点をご紹介します。
甘タレと相性抜群のアナゴ
少々小骨が気になりますが、それでも舌にしっとりと乗る食感はたまらない魚です。そんなアナゴは食用とされているもののほとんどが「マアナゴ」と呼ばれる内湾に多く生息するアナゴで、分類学で見た際もウナギ目アナゴ科のアナゴは全てを総称して「アナゴ」になります。
アナゴの生態
アナゴはご存じの通り、ウナギと姿形が非常に似ている魚で、体長は50~90cmもの大きさになる横に長い魚です。
魚と言ってもウロコはなく、通常、魚についている腹びれもありません。アナゴと呼ばれる魚は総称しての呼び名ですが、日本には約20種類のアナゴが生息しています。数々の種類がありますが、食用とされるアナゴは先ほども触れたマアナゴやクロアナゴ、ギンアナゴなどが食用に該当します。
一生を海で過ごすアナゴ
アナゴは海で誕生するため、海水魚としてのカテゴリーですが、誕生してからもそのまま海で生活を営み、海で一生を終えます。
アナゴの生態は夜行性であるため、昼間の明るい時間帯は砂泥地などに穴を見つけ、その中に潜んでいます。アナゴの最大の特徴とも言えるこの穴に入る様子は、呼び名となった「穴子」という名前の由来になったのではないかという説もあります。穴に入る姿があなごもりに見えたため、そこから変わってアナゴと呼ばれるようになったという話が最も有力な説だと言われています。
アナゴの産地
アナゴの産地は主に愛知県や長崎県、兵庫県、宮城県、島根県などの地域です。
蒲焼きなどの甘いタレと絡めても美味しく食べられるため、よくウナギの代用品になるのではと言われているほどのアナゴは年々消費量が増加しているために国内産のアナゴだけでは足りなくなっている状況です。
そのため、韓国や中国といったアジアの地域から輸入して何とか必要な場所に提供が行われているため、アナゴがどれほど大量に食べられているかが分かりますよね。
また、東京湾羽田沖などで捕獲したアナゴはブランド化されていたりと産地によっても値段や扱い方が異なります。高級寿司店などではそんなブランド化されたアナゴが使われていたり、それらのアナゴは昔ながらの筒で捕獲する方法を取っているところもあります。
アナゴの旬な時期
年中美味しく食べられるアナゴの旬な時期は6月~8月の夏の季節です。この季節のアナゴは脂味が少なく、あっさりと食べられることで旬とされているようです。
しかし、アナゴは11月~12月頃の冬の季節の方が美味しく食べられるという方もいます。11月~12月頃はアナゴが捕食するエサが豊富にあり、アナゴもエサをたくさん食べることで身に脂が乗ってきます。
その結果、年の中で2回旬な時期を迎えるアナゴは食べる方の好みによってどちらが美味しいか分かれるのです。しかし、本来アナゴはさっぱりと素朴な味で食べられる場面が多いため、旬の時期は夏の季節という認識で問題はありません。こってりとした魚らしい脂が乗った方を好む方は冬の時期に出回るアナゴを選ぶと良いですね。
アナゴは高い?販売されている値段は?
寿司屋で当たり前に姿を見るアナゴですが、美味しさ故に正直値段は高いと思っている方もいるでしょう。しかし、アナゴは年を通して比較的安価で手に入れることができます。
販売されている量などにもよりますが、平均して500~1000円程度で購入することができるため、お財布を痛めず様々な料理に変化する非常に優秀な魚と言っても良いでしょう。
アナゴの調理方法
アナゴはこってりとした味付けをするとより美味しく食べることができます。そのため、蒲焼きなどの調理法を取る方もいますが、ウナギと比較すると若干脂味が足りず、物足りない感覚になることが多いため、あまり料理の材料には加えないという方も多いのではないでしょうか。
まだまだ広げたいアナゴの調理法
ではアナゴにはどういった料理のレパートリーがあるのかというと、蒲焼きを筆頭に白焼きや天ぷらなどにも料理として使うことができます。蒲焼きと同様に白焼きもアナゴを使った料理としては知名度が高いでしょう。また、煮アナゴなどにしても美味しく頂くことができます。
アナゴは基本的に熱を加えた調理法が一般的ですが、実は刺身にも姿を変えてくれる万能な魚です。刺身にしたアナゴは食感もほど良く感じられ、舌でアナゴの旨みなども一緒に味わえます。
しかし、アナゴは微量に毒を含んでいる場合もありますので、刺身にして食べる際はよく洗浄し、入念に血抜きを行う下準備をしましょう。アナゴの毒は血液に含まれるため、血抜きをしっかりと行えば心配しすぎるほどのことではありません。アナゴを血抜きし、身をさばいたら氷水や流水などで再度しっかりと洗えば刺身にすることができます。
普段は熱を加えて食べるのが一般的なアナゴですから、抵抗がある方はアナゴの刺身を取り扱っているお店などで食べ、好みに合うかどうか試してみるのも良いでしょう。
馴染んでいるようでまだ知らないアナゴ
安価で食べることが可能なアナゴは年中お店で食べることができ、いつ旬な時期なのかといったところが曖昧でしたが、2回も旬な時期があることは驚きですよね。季節によって味わいが大きく変わる珍しい魚ですから、ご家庭の食卓にも是非アナゴを登場させてみてくださいね。