2017年10月27日更新

柚子(ゆず)の旬っていつ?柚子の種類と産地について

柚子(ゆず)

柚子は皮を薄くスライスしてお料理の香り付けに使うととってもさわやかな香りを添えてくれますよね。日本では冬至の時に柚子をお風呂に浮かべ柚子湯に入る風習もあります。今回はこの柚子の旬に時期、種類そして産地を調べました。

  1. 目次
  2. 柚子の旬っていつ?
  3. 柚子の種類
  4. 柚子の産地
  5. 柚子の旬は冬に飛び切りフレッシュな香りを楽しもう

柚子の旬っていつ?

ミカン科ミカン属香酸柑橘類の果実である柚子は11月中旬~12月に収穫期を迎え、この時期が柚子の旬のだと言われます。

柚子は5~6月に白い花を咲かせ、そして7~8月の夏の時期に青玉と呼ばれる緑色のまだ未熟な青い実を収穫します。この青玉は柚子胡椒などに利用されるのですが、その後果実は熟成して11月中旬~1月には成熟した黄色い実が収穫されます。11月中旬~12月に収穫の最盛期を迎え、この頃が柚子の旬と言われます。

ユズはハウスでも栽培され、ハウスものは青玉が4~7月に出回り、8月には成熟した黄色い柚子が出始め10月に出荷のピークを迎え11月まで収穫されます。露地ものとハウスものの生産がある柚子はそれぞれ旬の時期はありますが、通年店頭に並ぶ果物です。

柚子は独特なさわやかな香りがあり、果皮を削って料理の色合いに添えたり、果汁を縛って料理の香り付けとして香りや風味を楽しみます。

料理だけではなく、果皮や果汁を利用しジャムやゼリー、ジュース、アイスクリームなどの香り付けにも使われます。柚子は果皮の色も綺麗で香りも大変さわやかな果実なのですが、果肉はとても酸味が強いのでミカンなどのように生食できなのは残念です。

ちなみに日本には冬至(太陽暦の12月21日頃)にお風呂に柚子を浮かべて柚子湯につかる風習がありますが、これは柚子には血行を促進し体温を上げる効果があるため、柚子湯に入るとその冬風邪を引かずに過ごせると言われることのほか、柚子の強い香りが邪気を払うという言い伝えから生まれた風習です。

柚子の種類

柚子は中国が原産地です。奈良時代に日本に入ってきたといわれ、日本でも古くから各地で栽培されています。耐寒性が高く、柑橘類でありながら東北地方でも栽培されています。

また柚子の樹には長く鋭い棘があるのが特徴です。本柚子にはその地方から選抜されたものや栽培の仕方で様々な系統の種類の柚子があります。また小さい柚子として利用される花柚子や大きい鬼柚子という面白い形をした柚子もあります。

本柚子

ミカン科ミカン属香酸柑橘類の仲間です。香りが高く酸味の強さが特徴です。果実は重さが130gくらいの女性の握りこぶしほどの大きさのものがほとんどです。

<本柚子の系統>

木頭系(きとうけい)

徳島県の木頭村で選抜された柚子です。香りが高く皮が分厚くて酸味の強さが特徴です。樹には非常に大きくて鋭い棘があります。

海野系(かいのけい)

徳島県で栽培されている柚子です。那賀川中上流域にある海野農園から普及されました。果実は中玉で香りが高く酸味が強いのが特徴です。

山根系(やまねけい)

徳島県阿南市の山根氏より選抜された柚子です。早期結実な品種です。形が少し扁平的なのが特徴です。

多田錦(ただにしき)

種のないジューシーな柚子です。大きさはキンカン(100g)くらいの小さい柚子です。樹にとげがありません。種がないので絞って柚子茶などとして飲んで楽しむ方法も人気です。

小さい花柚子とは

花柚子は柚子の近縁種です。「一才柚子」とか「常柚(とこゆ)」とも言われています。本柚子同様に寒さには強い性質ですが、大きさは重さ50gくらいの小ささで皮がとても薄く本柚子より香りが弱いのが特徴です。

大きい鬼柚子とは

「獅子柚子」とも言います。大変大きく直径20cmほどの大きさです。

柚子と呼ばれていますが、柚子と同じくミカン科ミカン属でも香酸柑橘類ではなくブンタン類の文旦の仲間です。

見かけはゴツゴツした独特の形をしています。皮は分厚く表皮と果肉の間には文旦のように分厚い白い綿のようなものに包まれています。文旦の仲間なので柚子のようなさわやかな香りもなく、香りはかすかに柑橘系の香りを感じる程度です。

果肉は食べても甘みも酸味もなく美味しくありません。食用というより正月の飾り物など観賞用に利用されます。

柚子の産地

柚子は耐寒性の強いのが特徴で、ほかの柑橘類より北の東北から中国、四国、九州で生産されています。

各産地の生産量はその年によって違いがありますが、2014年の柚子都道府県別の生産量順で以下の通りです。

1位 高知県
2位 徳島県
3位 愛媛県
4位 大分県
5位 宮崎県
6位 鹿児島県
7位 山口県
8位 熊本県
9位 和歌山県
10位 島根県

現在は生産量のトップ10には入りませんが柚子の最も古い産地は埼玉県です。そのほか東京、神奈川県、栃木県、山梨県、京都府などでも栽培されています。

ちなみに大きい柚子と言われている鬼柚子は関東以南で栽培されています。食用には向かない果実なので、商業的に生産しているところはほとんどありません。鬼柚子は独特な見た目から観賞用を目的として趣味の園芸などで栽培されています。

柚子の旬は冬に飛び切りフレッシュな香りを楽しもう

ミカン科ミカン属香酸柑橘類の仲間である柚子は11~12月の冬に旬の時期を迎えます。酸味がとても強いのでミカンのように生食には向かない果実です。しかしフレッシュです清々しい香りが高くお料理のわき役として香り付けに使われたり、果皮をそいで料理に色味を加えて、五感を楽しませてくれます。

果汁を使いジュースやアイスにも利用されます。ごつごつとした見た目が面白い大きい鬼柚子は実は文旦の仲間だったのですね。置いておくだけでも楽しい形です。柚子!香りを楽しんで大いに利用してみてください。血行を良くして温浴効果がある柚子湯も香りの強さで邪気も払ってくれると言い伝えられています。冬至には柚子湯につかり風邪をひかずに冬を乗り切りましょう。