2018年4月25日更新
行者にんにくの栄養成分と効果・効能
行者にんにくをご存知でしょうか。
今までに使ったことはなくても、スーパーで見かけたことはあるとか、にんにくの商品名だと思っていたという人も多いかもしれませんね。
この行者にんにく、好きな人はトリコになるほどだと言いますが、はたしてどんな風味なのでしょうか。また、栄養や効果・効能はどういったものなのか。気になるあたりをまとめてみました。
- 目次
- 行者にんにくとは
- 行者にんにくの栄養成分とは
- 行者にんにくの効果・効能とは
- 行者にんにくの使い方と食べ方
- 行者にんにくを使った料理レシピ
- 行者にんにくの保存方法は?
- 行者にんにくは栄養豊富、効果抜群!
行者にんにくとは
行者にんにくはユリ科ネギ属の多年草で、別名はキトビロやヤマビル、ヤマニンニク。高山と、東北から北海道にかけて生息しています。
行者にんにく、名前の由来は?
昔、修行者がにんにくに似た香りの山菜を見つけ、滋養強壮にいいのではないかと思い食べていたことに由来しているようです。名付け親は植物学者の牧野富太郎さん。
行者にんにくの味と香りは?
行者にんにくは、深い味わいとしゃきしゃきした歯ごたえが高く評価されている山菜の王様です。
ただし、にんにくに似たにおいが強烈で、一度つくとなかなかとれません。そのにおいは、臭いと感じる人もいれば、いい匂いだと思う人もいるようです。
売られている行者にんにくは栽培されたものばかり?
行者にんにくは、好きな人にとってはたまらない一品です。そのため、山菜採りにきた人が見つけると必ずと言っていいほど収穫するのですが、中には、根ごともっていく人もいるようです。
それに加えて行者にんにくは生長がとても遅く、収穫できるようになるまで5~7年かかるといわれています。
これらのことから、天然の行者にんにくはどんどん数が減っていて、いま手に入るもののほとんどは栽培されたものなのです。
行者にんにくの旬っていつ?
行者にんにくは冬から初夏にかけて売られていますが、旬といえるのは4月~5月ごろです。
行者にんにくの栄養成分とは
行者にんにくには、アリシンやスコルジニン、パテント酸、チオエーテル類などが含まれています。
中でもアリシンの含有量はにんにくを上回っているのです。
また、行者にんにくの栄養は以下のとおりです。
ビタミンB1、B2、B6、C、E、K、カロテン、ナイアシン、葉酸ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄など。
行者にんにくの効果・効能とは
行者にんにくの栄養成分で着目するべきは、なんといってもにんにくよりも豊富なアリシンです。
アリシンは、行者にんにくの細胞を壊す(切る、刻む、すりつぶすなど)ことで生成されるのですが、その効果や効能には目を見張るものがあります。
アリシン効果で得られる効能ってどんなもの?
- 血糖値や血液中のコレステロール値を抑え、高血圧や糖尿病などの予防や改善につながります。
- 血液をサラサラにし、血栓、心筋梗塞、脳梗塞を予防します。
- 活性酸素の発生を抑え、動脈硬化などの生活習慣病を予防します。
- 身体の免疫力を高め、がんをはじめ、さまざまな病気を予防します。
- 強力な殺菌作用により、食中毒の他、身体を結核菌、ブドウ球菌、赤痢菌、チフス菌などの病原菌から守ります。
また、アリシンにはビタミンB1の働きを高める効果もありますので、ビタミンB1を多く含む食品と一緒に摂ることで疲労回復や滋養強壮にもとても役立ちますよ。
そのほか、行者にんにくを食べれば得られる効果は?
行者にんにくには、アリシン以外にもたくさんの栄養成分が含まれています。
そのため、疲労回復、新陳代謝促進、免疫力アップ、髪や視力の健康維持、粘膜や皮膚の正常化、呼吸器系統の健康維持、ストレスの緩和などが期待できます。
行者にんにくの使い方と食べ方
行者にんにくに決まった使い方はありません。
ニラやネギ、それからもちろんにんにくのように使うのもいいでしょう。炒め物、揚げ物、天ぷらやおひたしなど、行者にんにくはなんにでも使えます。
行者にんにくの選び方
鮮度のいい行者にんにくは、葉がみずみずしく、張りがあります。ですから、葉先までピンと張っているものを選ぶといいでしょう。また、茎が太く、どっしりとしているかどうかもポイントです。
また、古くなったものは根元の切り口が溶けたようになってきますから、その部分も参考になるはずです。
ただし、行者にんにくの場合、香りはあまり選ぶポイントになりません。
なぜなら、行者にんにくは、だんだん葉が開いていくにつれて香りが弱まるのですが、この段階では、特に鮮度が落ちているとまではいえないから。
ですから、においを抑えたい人は、葉がピンと張ったものの中で、できるだけ開いて香りが抑えられているものを選ぶといいでしょう。
行者にんにくは生でもOK!
行者にんにくは、そのままでも食べられる食材です。
きゅうりのように、味噌をつけて食べる人も少なくありません。
行者にんにくのにおいを抑える方法ってあるの?
行者にんにくのにおいを抑える方法としては、まず、買うときに新鮮なものの中で、できるだけ葉が開いているものを選ぶというのがあります。
そのほか、下処理をするときに行者にんにくの根元周りにある皮をなるべく取り除くこと。
それでもにおいが気になる人は、一度凍らせるのがいいでしょう。
凍らせると行者にんにくの香り成分がはたらかないので、その間に調理をすることをおすすめします。
行者にんにくを使った料理レシピ
行者にんにくは、ニラやネギ、にんにくの他、一般的な葉物野菜としても使えます。
軽く茹でてから衣をつけて天ぷらにしたり、茹でたあとざく切りにして卵焼きに入れたり、パスタにに混ぜたり、春巻きや餃子のあんに入れたりと使い道はさまざまです。
行者にんにくの醤油漬け
行者にんにくをさっと茹でたら冷水につけます。
水気をよく拭き取ったら、密閉できる容器や袋に入れ、3:2の割合になるように醤油:だし汁を加えて2~3日冷蔵庫で寝かせましょう。
保存がきくので、残った行者にんにくは醤油漬けにしておくのもおすすめです。
行者にんにくの酢味噌和え
行者にんにく100gを茹で、冷水で冷やしたら水気を切って容器に入れます。
そこに味噌大さじ2、酢大さじ1と2分の1、砂糖大さじ1、だし汁大さじ1を加えてよく和えれば出来上がり。
お好みで鰹節や、一味唐辛子をふりかけてください。
行者にんにくの保存方法は?
行者にんにくは、濡らしたキッチンペーパーでくるみ、立てて野菜室で保存しましょう。
冷凍保存する場合は、茹でてから水気を切って冷凍庫に入れてください。一度冷凍したものは、凍ったまま加熱調理すれば火の通りや味の染み込み具合も早くなりますよ。
行者にんにくは栄養豊富、効果抜群!
行者にんにくの有効成分は、本家のにんにくよりも多く含まれているようですね。それに加えて、山菜の王様と言われるほど風味がいいのなら、ぜひ取り入れたいところ。
まだ味わったことがないという人は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。