2017年10月27日更新

牡蠣が美味しい旬のシーズンっていつ?牡蠣の有名な産地も

牡蠣

最近は通年牡蠣を食べることができるオイスターバーも人気ですよね。食べたいときに食べられるのは嬉しいですが、一体牡蠣の旬とはいつなのかと疑問に思います。そこで今回は牡蠣の美味しい旬のシーズンについて調べました。有名な産地も一緒にご紹介します。

  1. 目次
  2. 牡蠣の特徴とは
  3. 牡蠣は旬のシーズンは種類によって冬と夏にあり!
  4. 月の英語表記で「R」の付くシーズンは美味しくない?
  5. 牡蠣の美味しい産地
  6. 牡蠣の美味しいシーズン

牡蠣の特徴とは

牡蠣は海の岩について生息している2枚貝で「岩からかきおとして漁獲する」ことから「カキ」と呼ばれているとも言われます。食用のほか薬品や化粧品の原料にも利用されています。大変美味でタンパク質やミネラルなど豊富な栄養を含んでいる海産物ですが、食中毒を起こしやすいという危険もある食材です。

1個の貝の中にたくさんの栄養素が含まれている

「海のミルク」とも呼ばれる牡蠣には豊富な栄養が含まれています。ブドウ糖を構成するグルコーゲンをはじめ、アミノ酸の一種であるタウリン、必須アミノ酸を含むタンパク質、亜鉛やカルシウムなどのミネラル類、ビタミンA、B1、B2、B6、B12などのビタミン類などを含む栄養豊かな食材です。

中身の大部分は内臓

牡蠣は岩場につきそこに固着して生息します。ほかの貝のように移動しません。自分の前にやってきた獲物を食べて生きています。動かないので筋肉が発達することがないため、牡蠣の中身のほとんどは内臓の部分が大きくなったものです。

貝柱が一つしかない

牡蠣は貝柱が一つしかありません。貝を開くときはナイフを差し込み、真ん中の貝柱を切り離すだけで貝を開けることができます。

牡蠣は「あたる」ことがある

牡蠣は「あたる」という言葉を使うことがあります。これは食中毒を起こしやすい食材であること意味しているのです。

牡蠣は海水の中のプランクトンを食べて生きています。そのため食中毒の原因となる細菌(腸炎ビブリオ、大腸菌など)、ウイルス(ノロウイルスなど)、動物性の自然毒である貝毒など、海水に由来する菌が牡蠣の貝内や消化器官に取り込まれてしまうのです。

食品衛生法の基準に基づいて生食用と表示されて販売されている牡蠣の中でも、またレストランで生食として出されたものでも、漁師が漁獲した新鮮な牡蠣でも食中毒を引き起こすこともあり、運悪く「あたる」可能性がある食材なのです。

牡蠣には生食用と加熱用の表示がある

生食することが多いからだという理由もありますが、牡蠣の食中毒をさけるため、牡蠣は販売にあたり加工基準や規格基準、保存基準、表示基準が設けられており、販売される牡蠣には生食用と加熱用の表示があります。

生食用は具体的には食品衛生法あるいは厚生労働省通知の基づき、

  • 定期的に動物性の自然毒である貝毒検査が行われていること
  • 大腸菌の数値が一定以下の水質基準を満たした海で漁獲されたもの

それ以外の海域で漁獲された牡蠣でも

大腸菌の数値が一定以下の海水もしくは塩分濃度が3%以下の塩水もしくは滅菌処理した水の中で2~3日入れ牡蠣を断食させ牡蠣の腸の中のものを排出させて腸内を綺麗にしたもの

などでなければ生食用にはなりません。

加熱用と表示されている牡蠣

  • 水質基準を満たない海域で漁獲されたもの
  • 腸内を綺麗にしていないもの

のほとんどが加熱用になります。

しかし生食用と表示されていても100%生食しても安心だとは言い切れません。生で絶対食べたいとき以外、家庭ではなべ物などのように煮る、フライのように揚げる、蒸す、ソテーなど加熱調理して牡蠣を食べることがおすすめだといわれます。

牡蠣は旬のシーズンは種類によって冬と夏にあり!

牡蠣は冬に美味しいシーズンを迎える種類と夏に旬のシーズンを迎える種類があります。冬に旬を迎える牡蠣は真牡蠣(まがき)、そして夏に美味しい旬の時期を迎える牡蠣の種類は岩牡蠣(いわがき)といいます。冬が旬の真牡蠣と夏が旬の岩牡蠣にはそれぞれこんな特徴があります。

  • 冬に旬を迎える牡蠣は真牡蠣(まがき)
  • 夏に美味しい旬の時期を迎える牡蠣の種類は岩牡蠣(いわがき)

真牡蠣の特徴と旬の時期

真牡蠣は一般的によく知られている牡蠣です。世界でも一番多く食べられています。

現在日本では天然の真牡蠣はほんどなく大半が養殖物で、天然の真牡蠣は大変貴重なものとされています。

北海道から九州まで全国各地で養殖が行われており、産地や養殖の方法などによって大きさや形に違いがあります。真牡蠣で特に有名なのは瀬戸内海に面する広島県。日本の真牡蠣の生産量のトップであり、美味しさも抜群だと有名です。

真牡蠣の旬は秋から冬(11~2月頃まで)が一番美味しい旬の時期です。夏の産卵期は身がやせてしまうので美味しくないと言われますが、近年は産卵しない牡蠣に品種改良された3倍体牡蠣が出回り、夏場でも身が痩せず通年食べられる真牡蠣もあります。

岩牡蠣の特徴と旬の時期

真牡蠣のほとんどが養殖であるのに対して岩牡蠣はその大半が天然ものです。素潜りなどで獲られます。

岩ガキも産地により形や大きさが様々ですが、真牡蠣よりも大きく厚みがあるのが特徴です。殻は触るとパリッと崩れてしまうような貝の皮がまるでパイのように幾重にも重なっています。貝自体は大きいですが中身も大きいとは限りません。真牡蠣よりも味が濃くクリーミーだと言われます。

岩牡蠣は青森以南から九州にかけて日本海、太平洋の沿岸域に分布し、真牡蠣より深い岩に固着して生息しています。市場に流通する岩牡蠣の一般的な大きさになるまでには天然のものは4~5年、養殖物は3年くらいかかるそうです。産卵期は数カ月かけて行うために夏でも身が痩せてしまうことがありません。そのため岩牡蠣の旬は真牡蠣のシーズンが終わる頃から夏が終わる頃に旬の時期(6~8月頃)を迎えます。

月の英語表記で「R」の付くシーズンは美味しくない?

Rの付かない月に牡蠣を食べてはいけない

牡蠣の旬の時期を調べると必ず「Rの付かない月に牡蠣を食べてはいけない」ということわざ?を目にします。

月を表す英語表記でRが付かない月-May5月、June6月、July7月、August8月-に牡蠣を食べてはいけないというのです。

この月の真牡蠣は産卵期に入り、精巣と卵巣が大きくなり食用としてはあまりおいしくないからです。そして産卵するため身が細くなり味が落ちてしまい、牡蠣自体も体力がなくなり菌に感染しやすくなっていたり腐敗しやすいため、この時期の牡蠣は食べてはいけないと言われるのです。

日本で牡蠣の生産量の多くを占める真牡蠣の生態から、この時期の真牡蠣は美味しくないのでこんなことわざが言われます。しかし近年は、品種改良で作られた3倍体の真牡蠣や日本とは季節が真逆の南半球からの輸入の牡蠣、また岩牡蠣などにより牡蠣は通年美味しく楽しめる食材となっています。

牡蠣の美味しい産地

真牡蠣は北海島から九州の宮崎までの地方で養殖が行われていますが、特に有名な美味しい産地というと、何といっても広島は生産量も多く真牡蠣の有名な産地です。

岩牡蠣はほとんどが天然ものなので真牡蠣より生産量が少なくなっています。北海道では取れませんが青森(八戸)以南から宮崎までの日本海、太平洋沿岸地方で獲れます。鳥取県で獲れる岩牡蠣のなかで「夏輝」というブランド名を持つ岩牡蠣は大きさが13cm以上もある平らな天然牡蠣で鳥取県の自慢の牡蠣です。

真牡蠣が獲れる産地

北海道、岩手県、宮城県、新潟県、石川県、静岡県、三重県、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、福島県、佐賀県、長崎県、大分県など。

岩牡蠣が獲れる産地

青森県、秋田県、山形県、千葉県、富山県、石川県、福井県、愛知県、京都府、鳥取県、島根県、佐賀県、長崎県、宮崎県など。

牡蠣の美味しいシーズン

「Rの付かない月は食べてはいけない」といわれる真牡蠣の旬の季節は11~2月の冬に美味しいシーズンを迎えます。それに対して天然ものの岩牡蠣は6~8月の夏に美味しいシーズンを迎えるんですね。真牡蠣と岩牡蠣、味わいの違う牡蠣ですが、牡蠣好きにとっては通年楽しめる美味しい食材です。

しかし牡蠣は海の中にいるプランクトンを餌にしているので身に細菌やウイルスをもっていることがあり「あたる」心配もあります。スーパーで牡蠣を購入するときは、食品衛生基準に基づいて規定された生食用と加熱用の表示がついて牡蠣が販売されていますが、生食用でも100%安全であるとは限らないようです。生食が美味しい牡蠣ですが生で味わうときはより管理された牡蠣であるか確かめていただくといいかもしれません。美味しい季節に美味しく牡蠣をご賞味ください。