2017年6月23日更新

栄養豊富な松の実の効果・効能とは

松の実

松の実を食べたことはありますか?
あっさり味の小さな実の中にたくさんの栄養が詰まっているので、海外では人気の食材です。
今回はそんな松の実の食べ方や効能について紹介します。

  1. 目次
  2. 松の実がとれる品種とは
  3. 松の実の栄養やカロリーについて
  4. 松の実の食べ方
  5. 松の実の保存方法は

松の実がとれる品種とは

松の実は、さまざまな松から採った種の皮をむき、取り出した胚の部分を指します。胚の部分が大きく、現在商品化されている品種は、チョウセンゴヨウ 、タカネゴヨウ、シベリアアカマツなどで、特にアカマツから採れる松の実の出荷量が多いのが特徴です。

どんな味?

柔らかく、ほんのり甘いピーナッツのような味です。渋みや苦みはほとんどなく、食べた後口の中に油分がわずかに残ります。

アレルギーがある?

松の実はアレルゲンとしてメジャーな食材ではないため、見落とされがちですが、アレルギーを引き起こすことがあります。
ピーナッツ、クルミ、アーモンド、ヘーゼルナッツ(ハシバミ)、カカオ、ココナッツ、ブラジルナッツ、カシューナッツなどにアレルギーがある人は、松の実でも皮膚の乾燥、かゆみ、吐き気、下痢、じんましんなどの症状が出る場合があり、注意が必要です。

松の実の栄養やカロリーについて

松の実にはタンパク質、炭水化物、脂質が豊富に含まれており、脂質はオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸が大半を占めます。他にもカルシウム、鉄分、リンなどの微量元素を含みます。
松の実のカロリーは100gあたり669kcalで、ピーナッツ585kcal、くるみ674kcalなど他のナッツ類に比べるても平均的な高さです。

アンチエイジング効果

松の実の栄養素のうち、特に注目されるのがアンチエイジング効果。抗酸化物質のビタミンEが豊富で、血管をしなやかに保つ作用があります。ビタミンEを積極的に摂ると、老廃物を排出しながら栄養が全身をめぐります。
この効果は、保健食品としてだけでなく、肌に理想的な美容食品といえます。

他にも、松の実の脂質の多くは液体の状態で存在します。常温で固まらない油は体内でも血流の妨げにならず、代謝されやすいというメリットがあり、松の実中のその割合はタカネゴヨウで50%、アカマツでは70%にも達します。
松の実は独特の風味により、直接食べられる他にも、添加剤として使われます。そして松の実の脂質を構成する脂肪酸は、普通の脂肪酸とは違うことが分かっており、ここに松の実の特有の以下の効用が隠されていると考えられます。
病後の体力低下、肌の乾燥、咳や気管支炎、便秘、めまい立ちくらみ、多汗、動悸、心臓血管疾患、老人性便秘

さらに松の実はタンパク質の占める割合も13-20%と高く、体に必要なアミノ酸がバランスよく含まれています。
もともと必須アミノ酸は植物に多く含まれており、松の実はその代表格のような食材です。例えば旨味成分としても有名なグルタミン酸は、アミノ酸中16%も含まれており、血中アンモニア濃度を下げたり、脳血管障害による記憶・言語障害を予防します。
これらの疾患が精神面に及ぼす影響は大きいため、東洋医学で松の実は精神疾患の予防効果もあるとされているほどなんです。

松の実の食べ方

そのままスナックがわりに食べる以外にも、炒めものや、おかゆ、スープのトッピングにも使われます。 程よい甘さと歯ざわりに加え、松の実の香りが口の中いっぱいに広がりますよ。

他の食材でも代用可能!ジェノベーゼの作り方

ジェノベーゼとはバジルと松の実、オリーブオイル、塩、にんにくをミキサーにかけて作るイタリアのソースです。本場ではパスタなどで多用されるこのジェノベーゼソース、もし松の実が無ければ、他の食材で代用することもできます。
松の実を同量のごまやくるみ、アーモンド、カシューナッツに置き換えて、焦げないようから炒りしてから、通常の作り方通りミキサーにかければ出来上がりです。
ジェノベーゼソースを作るためだけに少しだけ松の実が欲しいという時は、ぜひこれらの食材で代用してみてください。ミキサーにかけるので食感は変えず、いつもと違う新しい風味が楽しめますよ。

松の実の保存方法は

松の実は、高温多湿の状態だと3ヶ月ほどで脂質が変質してしまいます。
よく使う場合は、密封容器に乾燥剤を入れて冷蔵庫で保管し、長く置いておく場合には冷凍用の保存袋に入れて、平らにした状態で冷凍保存します。

甘くて美味しい松の実、料理やお菓子のアクセントに、ぜひ使ってみてくださいね。