2017年4月21日更新

甜麺醤(テンメンジャン)・豆板醤(トウバンジャン)・コチュジャン!それぞれの違いについて

中華・韓国料理の調味料売り場にいくと並んでいる甜麺醤(テンメンジャン)、豆板醤(トウバンジャン)、コチュジャン。どれも中華や韓国料理で何度も口にしたことはある調味料だと思います。ここでは意外と理解していないこの3つの調味料の違いについてお話しします。

  1. 目次
  2. 甜麺醤(テンメンジャン)とは
  3. 豆板醤(トウバンジャン)とは
  4. コチュジャンとは
  5. 甜麺醤・豆板醤・コチュジャンの違いまとめ

甜麺醤(テンメンジャン)とは

甜麺醤(テンメンジャン)が使われるポピューラーなメニューにあがる北京ダック。ご存知のように甜麺醤とは北京ダックを食べる時につけるあの甘い味噌のことです。中華料理の調味料の一つです。豚肉とキャベツを炒めた回鍋肉、ひき肉を甘辛く炒めてキュウリのせん切と一緒に麺の上にのせて食べるジャージャー麺、麻婆豆腐の隠し味にも使われています。

甜麺醤(テンメンジャン)の原材料は?

甜麺醤の原材料は小麦粉と塩と特殊な麹。これらを醸造して醤油などの調味料が加えられて作られます。

甜麺醤(テンメンジャン)の特徴

色は濃い茶褐色し、どろりとした甘しょっぱい味が特徴です。辛味はありません。中華の甘みそと言われています。甜麺醤の「甜」は甘いという意味で、「麺」は小麦粉、「醤」は味噌という意味です。

甜麺醤(テンメンジャン)の使い方

北京ダックに使うように肉や生野菜にそのままつけて食べることができるほか、火を通すことで強い風味が増すので、炒めものや煮物のときの隠し味や甘みをつける味付けの調味料として使われます。

<使用例4人分>YOUKI食品株式会社「甜麺醤」を使用した場合

回鍋肉:大さじ3杯
麻婆豆腐:大さじ2杯
ジャージャー麺:大さじ3杯

甜麺醤(テンメンジャン)がない場合の代用

甜麺醤の代用には、日本の辛口の赤味噌が代用されやすいものと言われます。辛口の赤味噌の中でも大豆だけを原料にして作った米味噌の八丁味噌は代用するのにとても良い味と言われます。八丁味噌に砂糖、醤油、ごま油、などの調味料を加え、味をととのえると甜麺醤の代用として使えます。甘みをだすため砂糖ではなくハチミツや水飴、みりんなどを使うのもおすすめです。そのほか、次にご紹介する豆板醤に甘みを加えて代用する方もいるようです。

豆板醤(トウバンジャン)とは

豆板醤(トウバンジャン)は中華料理でピリッとした辛さをだすのに使われる調味料です。ポピュラーなお料理は麻婆豆腐や担担麺、エビのチリソースなどです。中国の四川省が発祥の地で現在も四川省は豆板醤の一大産地となっています。中国の四川料理には欠くことのできない調味料です。

豆板醤(トウバンジャン)の原材料は?

豆板醤の主原料はそらまめと唐辛子。それに塩や大豆、米、大豆油、ごま油、酒精などの調味料が加わり作られています。

豆板醤(トウバンジャン)の特徴

唐辛子をたくさん含んでいるので、ヒリヒリするような強い辛味が特徴です。唐辛子の赤みから鮮やかな濃いオレンジ色をしています。香りは味噌っぽい香りに唐辛子のつんとした辛さを感じる香りがします。中華の調味料で甘さを出すのが甜麺醤なら、辛さを出すのは豆板醤と覚えておくと便利かもしれません。

豆板醤(トウバンジャン)の使い方

豆板醤の使い方は、日本のわさびのように卓上調味料としてそのまま食材に使われることもありますが、多くは炒めものや煮物などに辛味を出す調味料として使われます。加熱するとより一層香りが加わります。

豆板醤(トウバンジャン)がない場合の代用

豆板醤の代用には八丁味噌や辛口の赤味噌が使われます。この味噌に唐辛子や、一味唐辛子や七味唐辛子に醤油やごま油などの調味料を加えると、豆板醤に代用できます。

コチュジャンとは

コチュジャンは朝鮮料理で使われている調味料です。辛さのある調味料ですが、豆板醤よりも甘味やコクがあります。コチジャンとも呼ばれ、唐辛子を使った辛い味噌の一つということから、日本では韓国唐辛子味噌とも呼ばれています。

コチュジャンの原材料は?

コチュジャンの主原料はもち米麹と唐辛子です。これに塩などの調味料を加えて発酵させた発調味料です。

コチュジャンの特徴

唐辛子の赤さから少し赤みを帯びたこげ茶色をしています。味は甘辛く、辛味は原料の唐辛子の風味が特徴です。辛い味噌味にかすかに唐辛子のピリッとした味がします。

コチュジャンの使い方

コチュジャンはそのまま肉や野菜につけて食べるのもよし、また炒めものや煮物の調味料として使うことで多いです。コチュジャンを使ったポピュラーなメニューはビビンバ。人気のメニューですね。そのほか焼肉屋さんへ行くと焼肉にコチュジャンをつけてサンチューで巻いて食べる方もいます。加熱すると香りが増すので野菜炒めなどにも向いています。

コチュジャンがない場合の代用は

コチュジャンの代用は辛口の赤味噌に砂糖に、塩、赤唐辛子や一味唐辛子や七味唐辛子を加えるとコチュジャンに近い風味になります。甘みの砂糖の代わりにハチミツやみりん、水あめを加えるのもおすすめです。

甜麺醤・豆板醤・コチュジャンの違いまとめ

中華料理で甘い調味料は甜麺醤(テンメンジャン。
唐辛子のきいたヒリヒリ辛い調味料は豆板醤(トウバンジャン)。
そして韓国料理の調味料はコチュジャン。
コチュジャンは唐辛子を使った韓国の辛い味噌ですが、豆板醤ほどの辛さはなく、少し唐辛子の味がする甘辛い味噌です。中華料理の麻婆豆腐などは、豆板醤を使ったピリッと辛い味付けの隠し味に甜麺醤を加えていることもあります。それぞれの代用は日本の辛口の赤味噌、その中でも中京地方で作られている豆味噌の八丁味噌は特に代用しやすい味噌のようですが、その味噌に、それぞれの特徴となる辛さや甘みを出すため唐辛子や砂糖などの調味料を加えると代用が効くようです。甜麺醤、豆板醤、コチュジャン、それぞれ違う持ち味のあるこれらの調味料を上手に活用してお料理のレパートリーを広げてみてください。