2017年4月19日更新

これを極めれば本格中華!蝦醤(シャージャン)の使い方とは

蝦醤(シャージャン)という調味料を知っていますか?
一般の中華材料コーナーではあまり目にしないこの調味料、実は私たちがふだんしている調理法にも応用できるんですよ。
一体どのような調味料か、詳しく見ていきましょう。

  1. 目次
  2. 蝦醤(シャージャン)とは
  3. 蝦醤(シャージャン)の作り方や種類は?
  4. 蝦醤(シャージャン)の使い方は?

蝦醤(シャージャン)とは

蝦醤は中国沿岸部、香港や東南アジアの家庭料理に使われる調味料です。

蝦醤という読み方の由来

シャージャンは中国語による発音で、直訳するとエビペーストという意味になります。
東南アジアで生まれた調味料は、中国を経由することが多く、その過程で中国語の発音に変換されて日本へ伝わります。それで、このような特別な読み方になるんですね。

蝦醤(シャージャン)の味は?

小エビに塩を混ぜて発酵させ、粘り気を出してペースト状にした調味料です。缶詰で売られるのが一般的ですが、蝦醤を丸めて乾燥させた干し蝦醤として売られることもあります。
干し蝦醤はエビの風味がさらにアップするということで、使いやすいようさまざまなサイズ、形状で売られています。

味は、海鮮由来の塩味がメインです。良質の小エビからなる蝦醤は、赤紫色で粘り気があり、エビの風味はあっても生臭さはなく、口当たりなめらかで程よい塩加減、小エビの純度が100%であるといった特徴があります。

蝦醤(シャージャン)の栄養価は?

蝦醤は発酵の過程で、タンパク質が分解されてアミノ酸になります。独特の香りと凝縮されたエビの旨味、そして広がる後味。これらはすべて貯蔵期間中に作り出されます。
栄養面では、小エビに含まれるカルシウムは、分解されると体に吸収されやすいカルシウムとなり、脂質は代謝されやすい脂肪酸に分解されます。
蝦醤から良質なタンパク質やカルシウム、脂肪酸が豊富に摂れるんですね。

蝦醤(シャージャン)の作り方や種類は?

蝦醤にはいくつか種類があり、それぞれ作り方にも違いがあります。

原材料による分類

沙茶醤(サーチャジャン)

乾燥エビと玉ねぎを揚げてからピーナツと炒め、ニンニク、砂糖、醤油、
バンウコンの粉、防腐剤を加えて煮込み、すり潰したもの。

使い方次第でアレンジ自由!沙茶醤(サーチャジャン)とは?

銀蝦醤

パイチュウ(蒸留酒)、蝦糕(蝦醤の1種)、蝦醤少々、保存料を混ぜてすり潰し、乾燥させたもの。

麻蝦醤

オキアミ(ゴマのように小さなエビ)に調味料を加えて煮つめたペースト。製造に大量のオキアミを用いるため、高価な贈答品として使われたり、客をもてなす時の特別な調味料として使われます。

味による分類

通常タイプ

前述の方法でエビを加工し、塩味や海鮮風味を活かしながら、香辛料などを加えたもの。エビ本来の旨味に、あっさりした辛味とほどよい塩味が特徴。

臭い控えめ減塩タイプ

最新の加工技術で生臭さや塩分をカットし、いつでも手軽に食べられるファストフードに対応できるもの。これにより蝦醤の最大の欠点は解消され、生産拠点の中国や東南アジア以外のみならず海外でも食べられるようになりました。
また、この技術は蟹味噌の加工に利用されたり、野菜を含む海鮮食品にも応用されます。特に野菜を含む海鮮食品では、エビの風味を残しつつビタミンを添加することが可能になることで、蝦醤自体の栄養価が増えて種類の多様化につながっています。

台山蝦醤

広東省台山市特産の蝦醤。小エビやオキアミではなく、エビの稚魚を塩漬けにして作られるもの。
薄く柔らかい殻に覆われたエビの稚魚は全身のほとんどが肉質であり、地元では生食されるほど。
台山蝦醤は他の蝦醤よりも更に新鮮で栄養豊富、鮮やかな赤紫色で濃厚な海の香りが特徴的です。

蝦醤(シャージャン)の使い方は?

ぎっしりつまったエビの風味を堪能したい人にオススメ。
ふだんの食材が豪華な味に早変わりしますよ。

特にオススメの使い方

炒め物の味つけや、肉の下味に使って焼くのが、蝦醤の風味を最大限に活かす方法です。具体的には、豆腐の蝦醤炒めや、手羽先の蝦醤煮などが挙げられます。
また、麺類のスープに少し加えれば、それだけで海鮮風味になり便利ですよ。
蝦醤の味に慣れてきたら、チヂミやお好み焼きにそのままつけて食べるのもいいですね。

こんな使い方も!

本場広東省での使い方を紹介します。
本格中華に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

豚肉とキノコの蝦醤炒め

ひとくちサイズに切った豚ばら肉にエノキや数種類のキノコを加え、蝦醤、塩、味の素、胡椒、山椒、ネギみじん切り、しようがみじん切りで調味して炒めます。
キノコのつるっとした口当たりに、濃厚なエビの香りがたまらない一品です。

カブの蝦醤蒸し

うすぎりにしたカブに砂糖を加えて蒸し、そこへ蝦醤と味の素を加えて更に蒸します。

フジ豆の蝦醤炒め

鮮やかな色になるまでにたフジ豆を、ほそぎりしようがと唐辛子、蝦醤で炒め、最後に卵を回し入れ、酒とごま油で香りづけをしたら完成。

蝦醤の海鮮風味は使えば使うほど、その魅力の虜になるといわれています。
蝦醤でいつもと違った味を試されてはいかがでしょうか。