2017年9月20日更新

はと麦とは? はと麦の栄養価や食べ方

はと麦

はと麦という食材をご存知でしょうか? 日本では主にはと麦茶や爽健美茶が知られていますが、実はお茶以外にもさまざまな食べ方や使用方法があるのはあまり知られていません。ここでは、そんなはと麦の食べ方や、効果効能などをご紹介します。

  1. 目次
  2. はと麦は小麦の仲間ではなかった
  3. はと麦の栄養成分や美容面での効果は?
  4. はと麦の食べ方
  5. まとめ

はと麦は小麦の仲間ではなかった

穀物の一種であるはと麦。味わいや、生薬としての利用など、魅力がたくさん詰まっているようです。さらに、はと麦の古い歴史についても調べてみました。

大麦や小麦より、とうもろこしに近い

はと麦はイネ科の穀物です。はと麦と同じように「麦」が名前に付く小麦とは属が違い、はと麦はジュズダマ属という属に分類されます。見た目としては小麦というよりは、トウモロコシに近く、味わいはもちもちとした食感で噛み応えがあります。パサつきは少なめです。

生薬として利用されている

はと麦は生薬として利用されています。その名は「ヨクイニン」と言い、有名なところでは、外用としてイボ取りに使われています。生薬としての効能は様々で、免疫力の向上や、解熱鎮痛効果、皮膚炎の炎症緩和など。その他さまざまな症状に効果を発揮すると言われています。

はと麦の歴史は気が遠くなるほど古い

はと麦の歴史は実はかなり古く、少なくとも紀元前1500年頃にはインドで食用として栽培されていたようです。気が遠くなるほど古いですね。その後、漢方にも欠かせない生薬となったのが、紀元前一世紀頃と言われていますが、日本に伝わってきたのは奈良時代から江戸時代にかけて諸説あるようです。日本でも最初は薬や薬膳として使用されていました。

はと麦は英語でJob’s tears

はと麦は英語でJob’s tearsと書きます。ジョブさんの涙?
いいえ違います。このJobは旧約聖書に収められている「ヨブ記」の主人公ヨブのことなんです。ヨブは神によって課された過酷な試練の数々を涙を流して耐え抜き、信仰を守りました。その時、彼が流した涙がはと麦の形に似ているためにJob’s tearsと言われるようになったそうです。

はと麦の栄養成分や美容面での効果は?

ここからは、気になるはと麦の栄養成分や効果をご紹介します。はと麦は穀物の中でもタンパク質の含有量が多い方で、栄養満点です。

はと麦に含まれる主な栄養成分はタンパク質

はと麦には、白米の2倍以上のたんぱく質が含まれています。ただ単にアミノ酸量が多いだけではありません。脂質代謝を促す働きを持つ、ビタミンB群の含有量も多いため、その栄養価のバランスが良い穀物だと言えます。

デトックス効果でむくみや便秘の解消

はと麦にはリンパの流れを良くする効果があり、そのために体内の余分な水分を排出してくれる働きがあります。そのため、むくみの解消が期待できます。リンパの流れが良くなると、体内の余分な水分だけでなく、老廃物の排出も促してくれるので、結果、便秘の解消にも効果が出てくるようになります。このデトックス効果は、単にむくみ解消だけでなく、体内に水分が多すぎるときに生じやすいと言われているあらゆる症状(だるさや頭痛など)の改善にもつながると言われています。

また、肌のざらつきや、乾燥、吹き出物など、肌荒れに悩まされた時にも効果があります。はと麦には、角質細胞の代謝を活発にしてくれる「コイクセノライド」や「有機ゲルマニウム」が含まれているのです。これらの成分が、肌のターンオーバーを促してくれるので、肌荒れの改善が期待できるのです。

先述した通り、はと麦にはイボ取りの効果もあります。これは、コイクセラノイドの腫瘍抑制作用によるもので、イボやぽつぽつした出来物などに効果をもたらします。最近では、アトピー性皮膚炎にも改善効果があると言われており、注目を集めています。

はと麦の食べ方

ここでは、はと麦の食べ方をご紹介します。はと麦茶なども効果はありますが、是非一度、そのものの味を味わってみてはいかがでしょうか。

そのまま食べるのも有り!

東南アジアの国などでは、おやつ代わりにそのまま殻を割って中身を食べているようです。日本でも、そのまま食べる用に売っているものもあります。ただ、はと麦には身体を冷やす作用があるため、冷え性の人は食べ過ぎに注意が必要です。

炊き方は?

はと麦は鍋で炊くことが可能です。まずは、米とぎの感覚ではと麦を洗い、水に少なくとも1時間はつけおきます。ざるにあけたら、新しい水をはと麦の3倍から4倍入れて、火にかけます。沸騰したら、弱火にし、30分程度煮ます。

食べるときは、炊き上がったご飯にはと麦を2割程度混ぜていただくのが一般的です。食べ過ぎると体を冷やすだけでなく、胃痛などを引き起こすこともあるようですので、注意してくださいね。

はと麦のおすすめの食べ方は、なんといってもスープ!

炊いたはと麦は、スープに入れるのがおすすめです。コンソメスープやポトフ、ミネストローネなどにいれていただくと、お腹にたまりやすくなり、ヘルシーなのに満足感が得られておすすめです。

おすすめスープのレシピをご紹介

スープなら、どのような味の物にでもはと麦はマッチするのですが、特におすすめの、コンソメスープのレシピをご紹介します。材料は、玉ねぎ、にんじん、セロリ、ウインナー、あとは冷蔵庫に余っている野菜、そして炊いたはと麦です。

味付けはコンソメキューブと塩コショウ、ローリエもあるとおいしく煮込めます。このスープのポイントは、野菜を大き目のみじん切りに揃え、ウインナーも小口切りに揃えるところ。そうすることで、はと麦とのバランスが良くなり、スプーンですくったときの一口が一層美味しくなります。このスープはコンソメ味なので、飽きたらトマト缶をプラスしてトマト味のスープにしたり、カレー粉をプラスしてカレースープにすることも可能です。もちろん、はと麦は何味にもマッチします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。はと麦に含まれるデトックス効果は確かなもののようです。しかし、いくら体に良いとはいえ、食べ過ぎは体に負担をかけることにもなりかねませんから、ほどほどにしておいたほうがいいかもしれませんね。