2017年7月5日更新
レンズ豆の栄養と、他にはない栄養価とは?
西洋料理でよく耳にするレンズ豆。缶詰は見かけたことはあるけれど、実際使ったことがないという人は多いのではないでしょうか。 今回はそんなレンズ豆の栄養や使い方について紹介します。
レンズ豆とは
レンズ豆は、アジア西南部から地中海東部にかけての地域が原産で、新石器時代から栽培される歴史の長い豆類です。
特徴
マメ科ヒラマメ属の1年草で、成長すると10-50cmになります。黄色く膨れた楕円形のサヤに1-2個の豆が入っています。褐色の豆が両凸レンズの形をしていることから、レンズ豆と呼ばれます。
5-8月に花を咲かせ、8-9月に収穫時期を迎えるレンズ豆は、温暖で乾燥した気候を好み、日照りに強い反面湿気に弱いのが特徴です。
豆は15℃以上の環境でしか発芽せず、最適な栽培温度は18-21℃。実のなる時期には24℃程度必要です。酸性度の高くない砂質の土壌でよく育ちます。
良質のレンズ豆は粒が薄く、きれいな両凸レンズの形をし、表面が滑らかです。色は薄い赤や黄色、黒、緑、灰褐色などがあり、品種によっては斑点や縞模様のあるものも。大粒の品種では表面にシワがあり、おヘソの部分が小さいのが良いとされています。
種類
青銅器が盛んに使われていた時代に地中海周辺やアジア、ヨーロッパに広まり、現在はアジアを中心とする約40か国で栽培されています。
大粒種と小粒種の2種類あり、ヨーロッパ南部やアフリカ北部、南アメリカで主に栽培されるのは大粒。アジア南部やヨーロッパ東部では小粒が栽培されます。
レンズ豆の味やカロリー
火が通りやすく、すぐに食べられるため調理の便利な豆でもあります。
常用食にもなるほどのレンズ豆、果たしてどんな味がするのでしょうか。
どんな味?
豆特有の爽やかな香りに、枝豆に似た甘さと食感で、多くの人に好まれています。
気になる糖質やカロリーは?
100gあたりのカロリーは170kcalで、糖質は19.7gです。
糖質は高めで糖質制限向きの食材ではありませんが、他の豆類に比べるとカロリーは低いことから、食べ過ぎないよう量を決めて摂るぶんには問題はありません。
レンズ豆の栄養と効能
ユダヤ人にとってレンズ豆は日常欠かせない食べ物の1つであり、着目すべきはその栄養価が高さにあります。
ビタミンやタンパク質が抜群に豊富
タンパク質が25%、炭水化物が60%を占め、他はビタミンとミネラルからなります。
特にビタミンB群が豊富で、脂肪の占める割合がわずか0.7%という点も、多くの人々に食べられている理由の1つです。
他にもこんな効果が
- レンズ豆特有の脂溶性食物繊維は、体内でタンパク質の吸収を高めると同時にコレステロールを下げる効果があります。
- 他の豆類に比べて約2倍近い鉄分含有量のレンズ豆には、貧血を和らげる作用があります。
- 現代人が不足しがちなビタミンB群のうち葉酸の含有量が特に高く、葉酸は胎児の畸形率を下げることでも知られています。ちなみに葉酸はビタミンB群を含む他の食品と合わせて摂ると、吸収率がさらに高くなります。
レンズ豆の食べ方や保存方法
レンズ豆は他の豆類のようにあらかじめ水につけて戻しておく必要がなく、下準備はさっと洗うだけ。水または肉ベースのスープで他の食材と煮こめば柔らかく仕上がりますよ。
一般的な食べ方は
ヨーロッパやアラブ諸国ではレンズ豆の缶詰や、スープを食べることが多く、中国では小麦粉やトウモロコシ粉と合わせて麺にしたり、涼粉と呼ばれるところてんのような状態にして食べられます。ドイツではレンズ豆の若葉やサヤはもやしと合わせてサラダにすることも。
他にもレンズ豆の蒸しケーキや、鶏肉と冬瓜のスープ、キノコと炒めるのも甘さが増して美味しいですね。
最近ではダイエット方法の1つとして、ひき肉の代わりに茹でたレンズ豆が使われることも多く、ハンバーグやカレー、ロールキャベツなどに応用されます。カロリーカットだけでなく、他の食材と馴染みやすくしっかり食べ応えのある食感が人気となっています。
冷凍保存はOK?
基本的にどの豆類も下ゆで後は冷凍することができます。
柔らかく茹でたレンズ豆をザルにあげたら、冷凍専用の保存袋に平らにならして冷凍庫へ。2-3ヶ月を目安に使い切りましょう。
また、茹で汁ごと保管したい場合は、茹で汁と豆は分けて冷凍するようにすると風味が失われず、美味しく料理を楽しむことができますよ。
いつもの豆料理にレンズ豆をプラスするだけで、新しい美味しさを演出することができます。
さっそく今日からレンズ豆を使い、自分好みの味つけを見つけてみてくださいね。