2017年6月6日更新
みりんの効果って?みりんの成分や使い方をみてみよう!
みりんを入れるとコクが付く!なんて言われて使ってはいたけれど、みりんってそのほかにどんな効果があるのでしょうか?今回はみりんの効果を徹底的に調べてみました。みりんの成分そして使い方をおさらいしてみましょう。
みりんとは
みりんはお酒を含んだ日本に古くからある酒類調味料です。みりんを使うことでお料理にコクや旨みを加え、素材の煮くずれや臭みをとるなどの働きをしてくれます。アルコールを含んでいるので、お酒を取り扱うことができるお店でしか購入することができません。ここでお話しするみりんとは、「本みりん」のことをさします。アルコールを約14%含んでいるみりんです。ちなみにアルコールが1%未満のみりんは「みりん風調味料」とよばれています。
みりんの歴史
みりんの歴史は、戦国時代に甘いお酒として飲用されていたという説や、日本酒の原型といわれる練酒や白酒に腐敗防止のために焼酎が加えられてみりんが生まれたという説などがあります。調味料として使われるようになったのは江戸時代に入ってからで、鰻のタレやそばのつゆを作るときに使われるようになりました。
明治時代に入ると一部の一般家庭でも使われるようになりました。しかしまだ贅沢なものとして扱われていました。みりんはアルコールを含む酒類のカテゴリーに含まれているので酒税が掛かり贅沢な品でしたが、その後酒税の減税などの影響で、多くの家庭で一般的に使用されるようになりそして日本の代表的な酒類調味料となっていったのです。
みりんの原料
みりんの原材料はもち米、米麹、醸造アルコール(焼酎など)、糖類です。酒税法で定められた原料を使用しています。アルコール分は約14%です。みりんはこの原料を40~60日かけてたんぱく質と糖を結びつける糖化熟成させて作ります。糖化でもち米のデンプンやたんぱく質が分解されてみりん特有の風味が形成されます。
みりんの栄養成分
みりんの主成分は、麹菌の酵素の作用によりでんぷんやたんぱく質が分解されてできた生成物とアルコールです。生成物として糖分、アミノ酸、有機酸、香気成分が生成されます。
<生成物の栄養成分>
糖分…グルコース、オリゴ糖など
アミノ酸…グルタミン酸、ロイシン、アスパラギン酸など
有機酸…乳酸、クエン酸など
香気成分…フェルラ酸エチルなど
みりんの役割・効果
みりんの役割は、料理にコクや旨みをつけよりおいしくするだけではなく、甘味を加えるなど味付けの効果や、料理の仕上げに使うとみりんの糖分が素材の表面を覆い照りをつけて見た目を良くする効果や、煮魚などは魚の身をひきしめ煮くずれ防ぐ加工の効果があります。
甘味の効果
みりんの甘味はぶどう糖やオリゴ糖の成分で構成されているので、普通の砂糖に比べて甘味が上品でまろやかな甘味がつきます。
煮くずれ防止の効果
糖類とアルコールが素材の煮くずれを防止するのと同時に、見た目だけではなく素材の旨み成分の流出を抑制する効果があります。
消臭効果
肉や魚を煮る時にみりんを使うと、素材にしみ込んだみりんのアルコールが熱を加えることで蒸発して、アルコールと一緒に素材の臭みを取り去る効果があります。このみりんの消臭効果はアルコール、糖類、アミノ酸、有機酸の反応で臭いの成分を変化させるという科学的な裏付けもあるほどです。
コクと旨みを出す効果
もち米の成分であるアミノ酸やペプチドが素材の旨みや風味を広げます。含有されている有機酸が素材に酸味をつけ、糖類の上品な甘さとそれぞれ絡み合って深いコクと旨みをだす効果あります。
味付けを早くする効果
アルコールは分子が小さいので素早く食材に浸透し、旨み成分のアミノ酸や有機酸、糖類などの味を食材にしみ込みやすくするので味付けが早くできる効果があります。
みりんの使い方
みりんの使い方の基本はみりんと醤油を1対1の割合で合わせて使うことです。これを基本に出し汁や酒、砂糖、水などを加えて色々なお料理に応用させて使います。
野菜の煮物に使う場合
野菜の煮物にはほかの調味料より先にみりんを加えるのが使い方のコツです。それは野菜に煮物は醤油や塩など塩分の浸透が早いから、みりんを先に加えて素材のコクや旨みを出してから味付けとなる調味料を加えると美味しく仕上がるからです。料理にツヤを出したい時は料理の仕上げの直前にもう一度みりんを少し加えると色がきれいに仕上がります。
魚の煮物に使う場合
魚の煮つけは短時間で仕上げるため、あらかじめみりんをはじめ使う調味料はすべて合わせておき、合わせた調味料の煮汁を煮たたせてその中に魚を入れます。そうすることでみりんが魚の臭みを消してくれると共に、煮くずれを防ぎ、魚の旨みが煮汁に出てしまうのを防止してくれます。
照り焼きに使う場合
照り焼きのタレを作るときにみりんを使う場合は、みりんの使い方の基本に従い、みりんと醤油を1対1に合わせたものに砂糖をみりんや醤油の半分程度の分量で加えて、約半量になるまで煮詰めると、つやのある香ばしい照り焼きのたれができます。
すし飯などに使う場合
酢にみりんを合わせてすし飯に使う時は、アルコール分をとばした煮切りみりんを使うと美味しいすし飯が作れます。煮切りみりんは、小鍋にみりんを入れて火にかけます。沸騰したところで鍋を傾けると鍋にコンロの火が入りアルコール分が飛びます。鍋を傾けるのが怖ければ沸騰させるだけでも大丈夫です。
みりんは日本の代表的な酒類調味料
みりんはアルコールを含んだ日本の代表的な調味料です。ここでお話ししたみりんはすべて「本みりん」についてのお話しです。アルコール分を約14%含んでいます。みりんを使う効果はどれもお料理を美味しくそして美しくしてくれるものです。上手にみりんを使って、より美味しいお料理へとご活用ください。