2018年1月16日更新

フェヌグリークの効能効果と副作用について

フェヌグリーク

インド料理に欠かせないスパイスのフェヌグリーク。最近では強壮効果や美容効果をうたったサプリメントとして、その名が聞かれるようになりましたが、それでもまだまだ遠い存在ですね。そこで今回はそんなフェヌグリークの、効能効果や副作用について、詳しくご紹介いたします。

  1. 目次
  2. フェヌグリークとは
  3. フェヌグリークの効果効能
  4. フェヌグリークの副作用
  5. メープルの代用品としても!フェヌグリークの色々な使い方
  6. フェヌグリークがない時の代用
  7. スパイスとしても健康食品としても有能なフェヌグリーク

フェヌグリークとは

フェヌグリークとは

フェヌグリークは、地中海原産のマメ科の一年草で、その葉や種は古くから食用または薬用として利用されてきました。インドではメティと呼ばれ、中国では胡廬巴、そしてその日本語読みの「コロハ」が和名となっています。

フェヌグリークの歴史

フェヌグリークの歴史は古く、古代エジプトのミイラの保存に用いられたスパイスのひとつでした。古代ギリシャ・古代ローマ時代に家畜の飼料として使われ始めたことから、「ギリシャの牧草」という名前の由来を持ち、その後ヨーロッパや中近東、北アフリカ、インド、中国などへ食用、薬用として広まります。日本へは江戸時代に渡来していますが、普及はしませんでした。

フェヌグリークの特徴

フェヌグリークはたんぱく質、ビタミン、ミネラルが豊富で、北アフリカや中近東ではポピュラーな食材です。フェヌグリークの種は、生のままでは苦みが強いためローストし、また殻が固いためつぶしたりパウダーにしたものを使用します。フェヌグリークの種には、セロリやカラメルのような香りと苦みがあり、この独特の風味がインドカレーには欠かせないスパイスとなっています。

フェヌグリークの効果効能

胃腸の働きを健やかに

フェヌグリークは古くから胃腸の調子を整えるとして、ヨーロッパやインド、中国などで薬草として使われてきました。現在でも、食欲不振、胃の不快感、便秘、胃の膨張感、ガスなどの効果があるとされ、広く利用されています。

女性特有の悩みに

フェヌグリークには性ホルモンを活性させるジオスゲニンという成分が含まれています。これにより、ホルモンのバランスが整い、更年期障害、月経痛、PMS(月経前症候群)といった女性特有の悩みを改善し、多嚢胞性卵巣症候群などを防ぎます。また、女性ホルモンへ働きかけるため、期待されるバストアップ効果をうたったサプリメントが数多く販売されています。

生活習慣病の予防に

フェヌグリークには、血糖値やコレステロールや中性脂肪を下げる働きがあり、糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞といった生活習慣病の予防に効果的です。

脳機能を改善

フェヌグリークに含まれるコリン、ジオスゲニン、トリゴネンといった成分は、私達の脳細胞を活性化し、脳の老化を予防する働きがあり、認知症やアルツハイマー病などの予防や改善に効果があると言われています。

ダイエット効果

フェヌグリークに含まれるコリンは必須栄養素のひとつで、脂質の代謝を促進する働きがあります。これにより、体内での脂肪蓄積が抑制され肥満防止につながるとし、ダイエット効果が期待されています。

強壮効果や精力剤としても

フェヌグリークに含まれるジオスゲニンは、ステロイドや男性ホルモンを活性させます。これにより、男性の強壮や精力増進に効果があるとされ、健康食品として多くのサプリメントが販売されています。

炎症を鎮める

フェヌグリークの炎症を鎮める効能は古くから利用され、口内炎、気管支炎、結核、慢性的な咳などには内服で、外傷、関節痛、リンパの腫れなどの消炎鎮痛には湿布などの外用で用いられてきました。

母乳にも効果的らしい

ある研究チームからはフェヌグリークを授乳婦に摂取させると母乳の出がよくなると報告が上がり、母乳の分泌を促す効果があるというフェヌグリーク入りのハーブティーが販売されています。慢性的に栄養不足と言われる国の授乳期の女性にフェヌグリークを煎じて与えると母乳の出がよくなるという報告もあります。しかしその使用量には気を付けてくださいという警告も出ているのは事実です。

ハーブの中には妊婦や授乳婦が摂取すると母体や胎児、乳児に与える母乳に思わぬ被害を与える可能性のあるものもあり、注意が呼びかけられているものがあります。フェヌグリークも子宮刺激作用があるとか鎮痙作用があると警告されているので妊娠中の女性には摂取を控えるように警告されることもありますが、子宮刺激作用を利用して出産直前の妊婦には分娩誘発に使われることもあります。

フェヌグリークは授乳婦の母乳の出をよくするといわれますが、厚生労働省の発信する情報からはハーブ(ハーブ製品を含め)に関してはその安全性や有効性については、科学的な根拠において様々な解釈があるので安全性の懸念は払拭しかねることもあるため、情報を自分でよく検討して、妊婦や授乳婦などはかかりつけの医師によく相談するように促されています。

テストステロンの分泌を促し筋肉増量

フェヌグリークは男性ホルモンのテストステロンの分泌を促す作用があるといわれます。テストステロンという男性ホルモンは筋肉を増大させたり、骨格の発達に効果があるので筋力トレーニングを重ねて男性的な体型を目指している人にとっては、分泌を促したいホルモンです。

筋力を増量して男性的な体型を作ろうとトレーニングしている人は、トレーニングと並行してテストステロンなどの男性ホルモンの分泌を促すため栄養補助食品を使います。たとえばプロテイン、BACC 、HMBなどはよく知られる筋肉増強の栄養補助食品ですが、近年フェヌグリーク入りのサプリメントが人気上がっているようです。

フェヌグリークに含まれる成分が男性ホルモンのテストステロンの分泌を促すと言われ、これまで人気であった筋肉増強剤に加えて、フェヌグリーク入りのサプリメントが注目されています。しかし摂取の仕方を間違えると副作用などの心配があるので、摂取の仕方はトレーナなどに相談して上手に摂取してください。

フェヌグリークの副作用

他のハーブやスパイス同様、フェヌグリークにも副作用が起こる可能性はあります。通常の食品としての利用は安全とされていますが、6か月以上の継続的な摂取や、サプリメントなどでの過剰摂取により、下記の症状がみられる場合があります。

起こりうる副作用

下痢、胃の不快感、腹部の膨満感、ガス、尿のメープル臭・鼻づまり、咳、喘息、顔の腫れ、アレルギー反応・低血糖

また、下記の方は特に気をつけましょう。

  • 妊娠中:食用以上の摂取は早産の危険があります
  • 授乳中:母乳の出をよくすると言われますが、様子を見ながら短期間に留めましょう
  • 子供:フェヌグリークのハーブティーで意識を失ったという報告があります
  • マメ科植物のアレルギー:大豆、ピーナッツ、グリーンピースなどのアレルギーがある場合は禁忌
  • 糖尿病の方:血糖値を下げるので、低血糖症にならないよう気を付ける

メープルの代用品としても!フェヌグリークの色々な使い方

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フェヌグリークはカレー粉に欠かせない

インドのカレーに使用されるスパイスは沢山ありますが、その中でもフェヌグリークは欠かせないスパイスのひとつです。特にローストをして甘みを引き出し、固い殻を挽いて滑らかな口当たりにしたフェヌグリークのパウダーは、日本でもカレー粉の原料として重要な存在です。

フェヌグリークの甘い香りはメープルシロップの代用品に

フェネグリークの種から抽出したエキスの甘い芳香は、バニラの代用品としてキャンディやお酒の香料、タバコのフレーバー、そしてイミテーションのメープルシロップの風味づけなどに利用されています。

種はベジタリアンの蛋白源として

フェヌグリークはビタミン、ミネラルと共に蛋白質も豊富に含みますので、インドや中近東、北アフリカでは、ベジタリアンの貴重な蛋白源の豆類として、広く利用されています。また、フェヌグリークの種を発芽させたスプラウトも多く食されています。

葉はサラダや炒め物に

フェヌグリークの葉も、インドや中近東ではサラダや炒め物として利用されます。インドでは、サブジという野菜の炒め煮料理や、チャパティなどに入れたものがポピュラーです。

フェヌグリークのハーブティー

フェヌグリークの健康効果を手軽にハーブティーで実感してみましょう。種を軽くつぶしてカップに入れ、熱湯を注いで5~7分ほどで、甘い香りと微かな苦味のハーブティーができあがります。お好みでミルクや蜂蜜などを加えても美味しくいただけます。

フェヌグリークパウダーの活用法

最近はフェヌグリークパウダーが健康食品として、和名のコロハパウダーという名前でも手軽に購入できるようになりました。ホットミルクに加えてサプリメントとして、また炒め物やチャーハンなどの隠し味として、気軽に活用できそうです。

フェヌグリークがない時の代用

インド料理にはよく使われるスパイスですが、一般家庭ではあまり馴染みのないスパイスです。レシピを見た時にフェヌグリークが記載されているけれど、手元にないなどという場合、これなら代用できるとおすすめできるものは少ないです。フェヌグリークの特徴的な苦さなどを兼ね合わせるものはなかなかありませんが、香りなどからこんなものが代用できると考えられます。

砂糖で作った濃いキャラメル+しょうがのしぼり汁+シナモン

濃く煮詰めて作った砂糖は、苦みがありメイプルシロップのような香りあります。砂糖が煮詰まった苦みをフェヌグリークの代わりに代用します。ただキャラメルは甘いのでほんの少し生姜のしぼり汁とシナモン(煮込み料理ならスティック、そうでなければパウダーを少量)を加えると甘さが少し押さえられます。フェヌグリークは甘い香りがしますが、味は甘いわけではなく辛くもありません。キャラメルをたくさん使いすぎて甘くなりすぎないように注意して代用しましょう。

シナモン+バニラビーンズ+コリアンダー

シナモンの香りはもともとフェヌグリークにもあり、甘い香りをバニラビーンズで料理に表現します。コリアンダーの苦みはフェヌグリークより爽やかさがありますが、甘味や辛さを出さずに苦みを出しやすいので加えてみましょう。

すりおろしゴーヤ+バニラビーンズ

ゴーヤとは意外かもしれませんが、苦みは満点。煮込み料理などに代用するにはすりおろしたゴーヤ、もしくはそのしぼり汁を加えてバニラビーンズで甘い香りをつけるのも代用になります。でもあくまでも代用なので同じ風味への期待はできません。

スパイスとしても健康食品としても有能なフェヌグリーク

いかがでしたでしょうか?思った以上の効能を持ち、健康にも美容にも効果のあるフェヌグリーク。あまり馴染みのない遠い存在から、少しだけ身近な健康食品として、みなさんの生活に役立てたら幸いです。