2018年5月26日更新

コウイカの味やおすすめ料理。さばき方も

今回はイカの中でもずんぐりした姿のコウイカについて調べました。スマートなヤリイカとは対称的な、丸っこい姿をしたコウイカって一体どんな味なのでしょう。コウイカのおすすめ料理や上手なさばき方をご紹介します。コウイカに心配される寄生虫についても調べてみました。

  1. 目次
  2. コウイカってどんな味?
  3. コウイカとモンゴイカ、アオリイカとの違い。それぞれの値段も
  4. 寄生虫の危険性は?
  5. コウイカのさばき方
  6. コウイカのおすすめ料理のレシピ
  7. コウイカを上手にさばいて美味しく料理してみよう

コウイカってどんな味?

全体に細長くとがった感じのヤリイカはスーパーなどでもお馴染みですが、コウイカは体内に甲を持っているイカで、その姿はずんぐりとした楕円形の姿をしています。ヤリイカと比べると身肉は柔らかな歯触りで、ねっとりとした甘みと旨みがあります。関東ではたくさんに墨を吐くので「スミイカ」とも呼ばれています。江戸前寿司や天ぷらには欠かせない食材です。

春に生まれ夏に甲の長さが5cm前後に育ったコウイカの子の「新イカ」は寿司にすると1ぱいでせいぜい1貫程度にしかならず、旬の走りの時期は超高級品であり、夏の風物詩として珍重されています。

新イカの味わいはシコっとした歯ごたえの良さと噛みごたえがよく、身が厚く、甘みが強い味わいです。刺身はもちろん、天ぷらにしても甘味があり柔らかで絶品です。

コウイカの旬の時期は秋から冬にかけて

コウイカの最も美味しい旬の時期は、秋から冬にかけての寒い時期に肉厚になり甘味が増すので、秋から冬が旬の時期だと言われています。

コウイカとモンゴイカ、アオリイカとの違い。それぞれの値段も

コウイカはコウイカ目コウイカ科コウイカ属に分類されますが、コウイカ科にはコウイカのほかにモンゴウイカ(別名・カミナリイカ)とよばれるイカもいます。

コウイカと同じ種類のモンゴウイカは春から夏にかけてが旬

モンゴウイカは分類学上はコウイカと同じコウイカ目コウイカ科コウイカ属ですが、モンゴウイカは別名カミナリイカと言われ、雷の多い季節の春から夏にたくさんとれます。そのためコウイカと美味しい時期が異なり、モンゴウイカは春から初夏が最も美味しい旬の時期だと言われます。

コウイカは大きさがおよそ15~20cmで背面が褐色の濃い色であるのに対して、モンゴウイカは20~40cmの大きさです。モンゴウイカはコウイカより大型のイカで背面は多数の横縞があります。モンゴウイカもコウイカと同じように体の中に甲を持っているため間違えやすいかもしれません。

味わいはコウイカ同様に肉厚で甘味のある味わいで柔らかい食感です。コウイカと同じような料理に調理されます。モンゴウイカは西日本では評価が高いですが、東日本にはあまり流通していません。

コウイカとアオリイカとの違いは

コウイカやモンゴウイカは体内に甲を持っていて、ずんぐりとした丸みのあるコウイカ科のイカですが、アオリイカはヤリイカやスルメイカのように全体に細長くとがった体つきをしているヤリイカ科のイカです。

アオリイカはイカの中でも最高級の食材と評され、「イカの王様」と言われています。もちろん市場価格も高価です。東京都の中央卸売市場の取引平均価格(2018年3月)を見てみても、モンゴウイカは1kg=1,379円、コウイカは1kg=1,25円、アオリイカは1kg=3,879円と倍以上の価格で取引されています。

アオリイカは体長が40~50cmほどもある大型のイカで、身が透き通っていて泳いでいる姿はとても優美です。味わいはしなやかな柔らかさのある歯ごたえと甘みが特徴で、アオリイカの刺身は絶品だと評価されています。

寄生虫の危険性は?

コウイカには人の体に寄生する寄生虫がいる可能性があります。線虫の一種でサケ、カツオ、イワシ、サバなどにもよく寄生するアニサキスという危険な寄生虫です。

アニサキスによる食中毒の事例は毎年報告されています。寄生している魚介類の鮮度が落ちるとアニサキスは内臓から筋肉に移動します。アニサキスが寄生している魚介類を食べると、その幼虫が今度は人の体の中に寄生して人間の胃壁や腸壁を破り食中毒の症状を発症します。

アニサキスによる食中毒の症状

食後数時間から十数時間で発症します。症状はみぞおちの激痛、吐き気、嘔吐、下腹部の痛み、蕁麻疹などです。このような症状が出た時は速やかに専門の医療機関を受診してください。

どのように予防したらよいか

コウイカをはじめアニサキスが寄生しやすい魚介類は、鮮度を保つこと、また鮮度の良いものを選ぶこと、そして丸1匹のものはなるべく早く内臓を取り出し、内臓は生では食べないこと、さばくときに身肉に寄生虫がいないかどうかよく目視し、寄生虫を見つけたら取り除くことがすすめられています。

生食以外では加熱することで寄生虫を死滅させることができます。また-20℃で48時間以上冷凍すると寄生虫は死滅しますが、一般家庭の冷蔵庫の冷凍室では-20℃で保管するのは不可能です。

コウイカのさばき方

さてコウイカが手に入ったら上手にさばいて美味しく料理しましょう。ここでは一般的なさばき方をご紹介します。墨の部分が破れると黒くなってしまうので、内臓を取り出すまではまな板の上にはナイロン袋、もしくは新聞紙をひき、その上にキッチンペーパーを敷いてさばいていくのがおすすめです。
詳しいさばき方は動画を見てください。

コウイカのおすすめ料理レシピ

コウイカは身厚なのに柔らかく、もっちりとした食感とねっとりした甘さが特徴です。新鮮なものは早々にさばき内臓を取り出して刺身で食べるのもすすめですが、天ぷら、煮付け、フライもおすすめ料理です。干物や燻製も人気です。また墨はパスタやリゾットなどに美味しく活用できます。

コウイカの刺身を使ったピリ辛イカと温玉

コウイカの刺身は身が厚く甘みがあります。寿司ネタで味わっても酢飯と相性がよく、お寿司で味わうのもおすすめです。刺身の時はわさび醤油のほか、塩少々とレモン汁をかけて食べると甘味を感じます。そんなコウイカの刺身は韓国の調味料とも相性がよいです。このレシピはコウイカの刺身を韓国風の味付けにアレンジした料理です。和風に飽きたらこんなレシピもおすすめです。


<材料2人分>

作り方はこちら(クックパッド)

コウイカと大根の煮物

コウイカのうま味が大根に染み込んだ美味しい一品。コウイカのふわっともっちりした食感と、大根を煮込んだ柔らかくシャキッとした食感がよく合います。ご飯のおかずにも、お酒のおつまみにも向いている一品。冷えても硬くならず美味しくいただけます。好みでげそを入れても美味です。煮込んでも硬くならないので、煮付け料理にも合うコウイカ。煮付け料理にすると汁にイカのうま味が出るので、大根や里芋などと一緒に煮付けることでコウイカのうま味を十分に堪能でます。


<材料>

  • コウイカ2~3杯(小ぶりのもならば)
  • 大根(乱切り)1/3本
  • 生姜(スライス)1辺
  • ★醤油・砂糖・酒・味醂適量

作り方はこちら(クックパッド)

コウイカを上手にさばいて美味しく料理してみよう

体に甲を持っているコウイカは丸みのあるずんぐりした姿をしています。身厚だけれど身は柔らかな弾力のある歯ごたえで、ねっとりとした甘みが特徴です。刺身、天ぷら、煮付けで美味しく味わってみてください。そして墨はパスタやリゾットに活用できるので、さばく時に破いてしまわないように気を付けましょう。コウイカの子である新イカは大変高価ですが、美味しさも抜群なのだとか。何かに機会にぜひ味わって見たいものです。コウイカ!旬は秋から冬と言われます。美味しくご堪能ください。

【参考リンク】
厚生労働省 アニサキスによる食中毒を予防しましょう