2016年11月10日更新

性質の異なる4タイプ。着色料カラメル色素の危険性

カラメル色素

カラメル色素は、あらゆる着色料の中で最も使用される食品の多い食品添加物と言われています。カラメルは料理や製菓の際に作ることもできるものですが、食品添加物としてのカラメルとは一体どのようなものなのでしょうか。

  1. 目次
  2. カラメル色素とは
  3. 性質の異なる4タイプ。それぞれの特徴は?
  4. ありとあらゆる食品に使用されているが危険性はあるのか?使用できない食品も?

カラメル色素とは

カラメル色素は、ブドウ糖や砂糖などの糖類やでんぷんなどの加水分解物や糖蜜などを加熱処理することによって製造されます。製法の違いにより4つの種類がありますが、全て淡褐色〜黒褐色をしています。

カラメル色素は、水に溶けやすく、油分や有機溶媒には溶けにくいという性質のほか、光や熱、phの変化に強く、色調変化を起こしにくいとされています。

そもそも、カラメルそのものは日本では明治初期にドイツから輸入されたのを機に、それを利用した食品が作られるようになったとされています。大正時代から昭和初期の頃には、醤油や佃煮類に使用され、戦後の経済成長以降は、食の洋風化も進んだことから、より多くの食品や飲料に使用が拡大されてきました。

性質の異なる4タイプ。それぞれの特徴は?

カラメル色素には、亜硫酸化合物やアンモニウム化合物を製造の際に加えるか否かという製法によって、カラメルⅠ〜Ⅳの種類に分かれます。

カラメルⅠ

カラメルⅠは従来からの製法で、単に糖類のみを加熱してできたものを指します。この製法は他に比べコストはかかるものの、毒性はなく非常に安全性は高いとされています。

カラメルⅡ

カラメルⅡは、糖類に亜硫酸化合物を加えて加熱したものですが、現在、日本ではこの製法は禁止されています。

カラメルⅢ

カラメルⅢは糖類にアンモニウム化合物を加えて加熱したものです。

カラメルⅣ

カラメルⅣは、糖類に亜硫酸化合物もアンモニウム化合物も加えて加熱したものです。

カラメルⅢとカラメルⅣにはアンモニアが使用されていますが、これらが現実的に日本では多く使用されている製造法とされています。

ありとあらゆる食品に使用されているが危険性はあるのか?使用できない食品も

カラメル色素の製造法で、カラメルⅢとカラメルⅣにおいてはその危険性が指摘されています。これらには、アンモニウム化合物が使用されており、その製造過程で「4−メチルイミダゾール」という発がん性のあるとされる物質ができることが知られています

しかし、食品の成分表示には、一般的に「着色料(カラメル)」「カラメル色素」とだけしか記載されていないことが多く、私たちにはその製法まではわからないというのが現状です。

このような危険性のあるカラメル色素ですが、食品や飲料の着色に非常に有用とされているようです。代表的な例としては、清涼飲料水、乳飲料、菓子類、醤油、ソース、カレールウや麻婆豆腐などの料理の素、漬物などが挙げられます。また、ウイスキーなどには品質調整のための製造用剤として使用されることもあります。

非常に多岐にわたる食品や飲料に使用されているカラメル色素ですが、使用基準の関係上、使ってはいけないものもあります。これは、カイガラムシを原料としたコチニール色素などと同様で、昆布類、食肉、鮮魚貝類、お茶、海苔類、豆類、野菜、わかめとされています。なお使用量の制限については規定はないようです。