2017年2月16日更新

食卓塩と食塩の違いとは

食卓塩と食塩の違い

塩は、私たちにとってとても大事な存在です。
味の面でももちろんですが、健康な身体を維持するためにも、塩分は必要不可欠。
ですから、食事のときそばに置いてあって、必要に応じて使える食卓塩はとても便利ですよね。
しかしこの塩、食卓に置いてあるから食卓塩なのでしょうか? それとも、食卓塩という種類の塩があるのでしょうか? だとしたら、食塩との違いは?
身近なようでいて、案外詳しくは知らない食卓塩のこと、いろいろとまとめてみました。

  1. 目次
  2. 食卓塩とは
  3. 食卓塩の栄養成分とカロリーとは
  4. 食卓塩の基本的な使い方とは
  5. 食卓塩は身体に良くないって本当?
  6. 食卓塩は食卓のおともに!

食卓塩とは

食卓塩とは、塩の種類の一つです。
つまり、食卓に置いていなくても、どういう使い方をしても、食卓塩。
塩化ナトリウムが99%以上のものに、炭酸マグネシウムを添加した精製塩のことを食卓塩といいます。

食卓塩と食塩の違いとは

食塩も、食卓塩と同じで塩化ナトリウムが99%以上なのですが、炭酸マグネシウムは添加されず、イオン交換膜法をもちいて作られています。
イオン交換膜法とは、イオン交換膜と電気分解によって塩化ナトリウム水溶液から水酸化ナトリウムを作り出す、電解法の一つです。
このように、食卓塩と食塩では、そもそもの作り方が違うようです。

食卓塩と食塩、味の違いとは

食卓塩と食塩には、作り方以外にもいろいろと違いがあります。
その一つが、味。
食塩は、基本的に塩化ナトリウムのみで出来ているので、塩そのものの味しかしません。
しかし、食卓塩には、グルタミン酸ナトリウムなどが含まれています。これは、昆布のうまみ成分なので、食卓塩にももちろん同じうまみが加わっています。

食卓塩と食塩では、原料も違う?

日本では、食塩をはじめ、塩のほとんどは海水から作られています。
しかし、食卓塩は海水からではなく、メキシコから輸入した天日塩から不純物を取り除き、再び煮詰め直して作られているのです。

食卓塩の栄養成分とカロリーとは

食卓塩の栄養成分は、だいたい次のとおり。

ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、銅、セレンなど。

ただし、成分はほとんどナトリウムであり、それ以外の含有量はあまり多くありません。

食卓塩のカロリーはどれくらい?

100gあたりのカロリーは、食卓塩も食塩もともに0kcalです。

食卓塩の基本的な使い方とは

食卓塩とは塩の種類ですから、食卓に置こうが置くまいが、食卓塩であることに変わりはありません。
ですが、食卓に置き、必要に応じて料理にふりかけて使うために工夫されているのもまた事実。
たとえば、食卓塩には炭酸マグネシウムが加えられていますが、これによりサラサラした塩になっており、湿気のために固まることもありません。頻繁にフタを開け閉めしても大丈夫なのです。

食卓塩を料理に使ってもいいの?

食卓塩も塩の一種なので、使ってはいけないことはありません。
ですが、サラサラに保つために加えられた炭酸マグネシウムは透明な水を濁らせるので、たとえばおすましなどの料理には使えません。
また、うまみ成分としてグルタミン酸ナトリウムなどが加えられていますが、コクや味の深みがあるわけではありません。あくまでも、口に入れた瞬間に感じ取ることのできるうまみであり、煮物等に使っても味付けになるわけではないのです。

結局、食卓塩の使い道って?

食卓塩は、その名の通り、食卓に置いておき、料理に振りかけるのが一番。
加えられているうまみ成分や、炭酸マグネシウムによりほどこされている加工も、そうやって使うことを想定してされている工夫。食卓に置いて使えば、それらをすべてメリットとして味わうことができますよ。
そして、料理に使う塩を切らしてしまったときは、もちろん食卓塩をピンチヒッターとして使いましょう。

食卓塩は身体に良くないって本当?

塩は、私たちの身体にとって必要不可欠な成分です。
それにも関わらず、身体に良くないとはどういうことなのでしょうか。

塩分の摂り過ぎは心臓病や高血圧を引き起こす

塩分を摂りすぎると、高血圧や心臓病のもとになるとはよく聞きますよね。
実はこれは、塩というより、塩化ナトリウムにより引き起こされる害なのです。
塩化ナトリウムを摂りすぎると、血中のナトリウム濃度が高くなります。そうすると、身体がそれを薄めようとして水分を欲しがり、結果的に血液量が増えて血圧が高まり、高血圧となるのです。
また、体内の水分が増えることで心臓に負担がかかり、むくみや心臓病のリスクも高まると言われています。

塩はすべて身体に良くないの?

高血圧や心臓病のリスクを高めるのは、塩化ナトリウムです。
そして、食卓塩や食塩などの精製塩は、成分の99%が塩化ナトリウム。このために、食卓塩や食塩は身体に良くないと言われているのです。
しかし、精製されていない、天然の塩の成分はナトリウムだけでなく、カリウムやカルシウム、マグネシウムといったミネラル分も豊富に含まれています。
当然そのぶん、同じ量をとってもナトリウムの割合は下がりますし、なにより、そのほかの成分はとても身体にいいもの。
過剰摂取がよくないことに変わりはありませんが、それはどの食品にも言えることではないでしょうか。

食卓塩は食卓のおともに!

塩が足りないと、せっかくの料理もなんだか味気なく感じられて、もったいないですよね。
そんなときにとても重宝する食卓塩ですから、ぜひ、これからも食事の際には活躍してもらいましょう。
健康のリスクを避けるためには、料理には使わないほうが良さそうですが、食事中ならうまみをさっと足せたり、サラサラして使いやすかったりといいことづくめ。
せっかくいろいろな種類がある塩なので、適材適所、便利に使い分けたいものです。