2019年9月7日更新

無果汁のジュースに含まれるエキスの意味とは。エキスは果汁じゃないの?

ジュース

無果汁のジュースに含まれるエキスとはどのような意味を持つのかご存じでしょうか。体に悪いといった意見や、無果汁なのにアレルギーなどが起こるのかどうかも調査しました。

  1. 目次
  2. 長年の謎…無果汁ジュースに含まれるエキス
  3. 無果汁ジュースが体に悪いと言われるワケ
  4. 果実エキスはアレルギーを引き起こすか
  5. 無果汁ジュースは適度に楽しもう

長年の謎…無果汁ジュースに含まれるエキス

果汁が入っていない無果汁ジュース。ファンタ(※)など誰もが飲んだことのあるこれらの無果汁&低果汁ジュースは、果汁が入っていない、若しくはほぼ含まれていないのにも関わらず、なぜグレープやオレンジといった香り豊かな果実の味わいが口いっぱいにするのでしょうか。また、近年では続々と無果汁ジュースが登場しており、すっきりとしたゴクゴク飲める毎日のドリンクとしても大人気です。

※ファンタは2016年から果汁入りになりました。

無果汁に含まれるエキスの意味とは?

無果汁ジュースはしっかりとオレンジやブドウ、イチゴなどの甘い味わいがしますが、それにはエキスというものが関係しており、無果汁ジュースの裏面を確認すると多くの場合記載されています。

ではそのエキスとは一体何なのか、と言うと、フルーツ類のジュースに使われるエキスであれば、果実やワインなどの有機化合物である酒石酸、オレンジの香り付けを行いたい場合は、柑橘類の有機化合物であるクエン酸、そしてリンゴやブドウなどの果実に含まれる有機化合物であるリンゴ酸などを抽出して香料などの添加物込みで無果汁でも果実の風味を再現しています。

簡単に言うとエキスは素材の成分です。成分とは素材の持つ風味や香りなどです。

果汁はその素材を絞ったり摺りつぶしたりして得られるものです。それに対しエキスはアルコール類で成分(風味や香り)を抽出します。

無果汁ジュースに入る成分

上記でお伝えしたように、無果汁ジュースの基本となっているのは果実の風味を再現するエキスなのですが、このエキスは動物や植物といった対象となるものから水、またはアルコール類で成分を抽出する方法を使い、専用のエキスを作っています。

しかし、このエキスのみではまだまだ果実の風味には遠く、甘さがないため美味しいとは感じられない状態です。そこでここにプラスして甘味料であるスクラロースやアスパルテーム、アセスルファムカリウムなどを入れ、着色料で液体に色を付けてどんどん果実の風味や味わいに近づけていくのです。

無果汁ジュースが体に悪いと言われるワケ

日頃飲むジュースは体のことを考えて100%ジュースを積極的に取り入れている方も多いことでしょう。無果汁ジュースも100%ジュースと比較すると甘さいっぱいで美味しいのですが、100%ジュースで感じられる甘さや美味しさは果実が本来持つ果糖という自然が作り出した成分があるためです。

この果糖は果物やはちみつなどの食品に含まれており、天然で存在する糖の成分では最も甘く血糖値の上昇も緩やかにしてくれるまさに自然界から生み出された糖です。もちろん天然の糖だと言っても摂り過ぎは肥満などに繋がり良くありませんが、適度に楽しむ程度なら生活に問題が起きるわけではありません。

一方で、無果汁や低果汁ジュースに使われることの多い人工甘味料と呼ばれる甘さを人工的に作った成分のものは、やはり100%ジュースと比較すると体に良い成分が含まれているとは言い難いでしょう。

人工甘味料と呼ばれる成分にはいくつも種類がありますが、こういった人工甘味料をラットに用いた実験では、規定量を超えて大量に成分を摂取した個体が死亡に至ったり、確定ではないものの副作用として不妊や胃酸過多、緩下作用などが懸念されています。

しかし、無果汁ジュースや低果汁ジュースに含まれている人工甘味料がただちに身体への悪影響を及ぼすという決定的な情報はないとも言えます。こういった様々な成分が含まれている飲料は規定量を超えての摂取や長期的な使用で体に何らかの影響が出ることもあるため、大量に飲むのは避けて適量で楽しんでいくのが上手な付き合い方と言えるでしょう。

ただし、人工甘味料は甘味への依存性が高くなる点があり、カフェイン以上との意見もあるため「体に悪い」という捉え方は多方面から広がっているのも事実です。

果実エキスはアレルギーを引き起こすか

アレルギーを持つ方は多く、特に近年果実アレルギーの方も増加しているようです。必須ではないですが、加工食品にされる表示に推奨として、オレンジやもも、キウイやバナナといった果実はアレルギーを引き起こしやすい食品として認識されています。

そんな無果汁ジュースは、対象となるアレルギー食品が含まれていないという認識になるのが一般的ですが、いくら無果汁と表記されていても実は真実の無果汁ではない場合も多いのです。

日本の法律では果汁の使用を5%未満にしている場合、「無果汁」と表記しても良いことになっており、〇〇エキスに加えて果汁〇%の文字が記載されていれば少なからずアレルギーを引き起こす可能性はあります。

また、〇〇エキスと記載がある場合にも、アレルギー特定原材料として使用されているエキスの果実名がしっかり表示されているため、何らかの果実アレルギーを持っている方はエキスだからと安心せず、裏面の表記を確認することが大切です。

無果汁ジュースは適度に楽しもう

果実が入っていないのにも関わらず、いつでも口当たりさっぱりとした無果汁ジュースが楽しめる現代は非常に便利になった反面、どこで落とし穴に引っかかるか分からない恐怖があります。適度に楽しむことが大切なので、今一度、自分の口に入るものを厳選していきたいですね。