2018年8月5日更新

マンボウは食べられる?味はまずい?マンボウを食べる地域ってどこ?

マンボウ

丸い体でおちょぼ口、よく見るととぼけた顔をしたマンボウは水族館の人気者ですよね。日本で見かけるマンボウは全長が1mくらいのものですが、世界では3~4m、重さ1トンもある大きいマンボウもいるのだそうです。マンボウは硬骨魚の中では最も巨大な魚だと言われます。魚というからにはマンボウも食べることができるのでしょうか?そこで今回はマンボウについて調べてみました。

  1. 目次
  2. マンボウって食べられる?
  3. マンボウの内臓の大半は肝と腸
  4. マンボウを食べる地域はどこ?
  5. マンボウの捌き方
  6. マンボウは寄生虫だらけ!
  7. マンボウ!ご試食あれ

マンボウって食べられる?

独特な円盤状の体形をしているマンボウ。魚だと聞くけれどほかの魚とは似ても似つかない体つきをしています。

しかしフグ目マンボウ科マンボウ属のれっきとした魚類です。学名はMaloといいます。背ビレと尻ビレが長く発達していて体の後部から上下に突き出ているのが特徴です。ほかの魚と違い尾ビレと腹ビレはありません。しかし尾ビレの代わりに丸みを帯びた舵ビレがついており、これで舵を取るように水中を泳いでいます。

観賞する分には可愛い魚ですが、魚というからには食べられるの?と疑問に思ってしまう見た目です。しかしマンボウは観賞だけではなく食用としても堪能できる魚なんです。なんとマンボウの肝や腸は独特の珍味で美味しいと評判なのです。身は刺身や湯引きして肝和えや酢味噌和えにするほか、から揚げやてんぷらにして食べます。熱を加えた身は鶏のささ身のように細かく裂くことができます。

マンボウの刺身はささ身のような食感

日本では一般には食用とされず、漁獲量も少ないので、市場に流通されることは多くありませんが、定置網などでマンボウを漁獲する地方では定番料理や郷土料理として食べられています。

表皮は厚くとても硬くて矢すりのようにざらざらしていますが、刺身で頂くマンボウは、白身で大変柔らかく淡泊な味わいです。生身は魚とは思えないような質感で、見た目はイカのようですが、触ると鶏のささ身のような感触をしています。そんな感触の身は生でも手で裂くことができ、千葉県の一部の地方では刺身用の身を手で裂いて、肝と合わせ辛子酢味噌和えで食べるのがマンボウの基本の食べ方としている地域もあります。

マンボウの内臓の大半は肝と腸

マンボウは身もさることながら、肝や腸は格別に美味しいと言われます。マンボウを捌くと内臓の大半が大きな肝と長い腸でいっぱいです。肝には独特のうま味とクセがあり脂ものっています。長い腸は食感が焼き肉のミノのような歯ごたえがあり旨みがあります。

マンボウの肝は身よりも美味いらしい

マンボウの肝はとても大きく、内臓の1/3が肝だと言っても過言ではありません。アンコウの肝はよくご存じのことと思いますが、アンコウの肝をさらに大きくした感じです。

身よりも肝の方がうま味があるとも言われるほど、マンボウを食べるときは肝も一緒に味わいます。肝と辛子酢味噌を合わせて身と和えたマンボウの酢味噌和えは、肝の独特の味が身の臭みを消してとても美味しいと言われます。高知県では身と肝を味噌で煎り煮して、酒のつまみやご飯のおかずに食べるそうです。

マンボウの長い腸はホルモンのように焼いて食べる

マンボウの腸はともかく長いのが特徴です。昔の人に言わせると、マンボウの腸の長さは昔の成人が両手を広げた長さの12倍だとたとえられています。

またマンボウの腸は魚であるにもかかわらず、牛や豚などの動物の腸よりは柔らかいそうですが、それに似た歯ごたえのある食感だそうです。

その食感を活かしてマンボウの腸の食べ方は焼いて食べるのが人気です。食感を含めて身肉よりも美味しいとも言われます。焼いて食べるほか地元では干物にして売られていることがあります。

市場ではあんまり流通していないマンボウですが、マンボウの腸はほかの部位よりも日持ちすることもあり、ほかの部位に比べて市場に流通している量も多いです。ちなみにマンボウの長い腸はマンチョウとか百尋と呼ばれています。

鮮度が落ちると臭みが出てまずい!

マンボウは鮮度が落ちると臭みが出てまずくなってしまいます。そのため漁獲されたほとんどのマンボウは現地で消費されてしまい、鮮魚が市場に流通されることがほとんどありません。ただ現在は冷凍冷蔵技術の発達で、量に安定はありませんが、全国的に冷凍のものが少量流通されているようです。

マンボウを食べる地域はどこ?

日本では一般的に市場でマンボウが流通していることはあまりなく珍味とされていますが、それでもマンボウを水揚げする地域では、地魚料理や定番料理としてマンボウを食べている地域もあります。日本では宮城県から千葉県にかけて、また東伊豆から三重県の一部の地域(紀北町や尾鷲市)はマンボウの料理が比較的多く紹介されています。

たとえば宮城県の気仙沼ではマンボウの肝和えや甘辛煮、お造りなどを提供するお店があります。千葉県の一部の地域では先に紹介したように身と肝を辛子酢味噌と合わせた酢味噌和えはマンボウの基本的な食べ方として紹介され、高知県では身と肝を味噌で煎り煮して食べられています。三重県ではマンボウの身をすき焼き風に食べる郷土料理があります。

台湾では一般的な食材として流通している

日本では珍味とされるマンボウですが、台湾ではマンボウは一般的な食材として市場で取引されています。特に台湾の花連県は台湾でのマンボウの最大の産地で、マンボウ料理がメニューによく上がります。クセがなく食べやすい上、コラーゲンをたくさん含んでいるので、台湾の女性はマンボウ料理を好んで食べるそうです。

マンボウの捌き方

日本では漁獲されたマンボウは普通、船上で漁師が捌いてしまいます。その理由は魚体が大きいことや、地元以外ではほとんど消費されなく一般ではほとんど食用とされないこと、鮮度が落ちると臭くなってしまうので新鮮なうちに捌いてしまうことが理由にあげられます。

食べられる部分を取り除いたら、あとはその場で海に捨ててしまうそうで、船上で捌くと不要な部分の片付けも便利なようです。マグロの解体のように市場構内で解体される姿を目にすることはありません。しかし普通の魚の姿には程遠い巨体をどのように捌くのかは興味があるところです。ちょうど漁師が船上ではなく、漁獲したマンボウを港で捌いている映像がありましたので、動画で捌き方をご紹介します。確かに表皮は硬そうな上、肝が大きく腸が長そうです。

マンボウは寄生虫だらけ!

調べてみるとマンボウには40種類以上の寄生虫が体の内外に寄生しているそうです。特に表皮には寄生虫が付きやすく、小魚や海鳥などがその寄生虫を食べによって来るのだとか。マンボウが海面に上がってきて体を横にして浮いている姿が見かけられるそうですが、これは日光で表皮を滅菌し、海鳥に寄生虫を取ってもらう行動だと考えられているそうです。また海面から3~4mの高さまでジャンプして水しぶきを作りながら海に着水して寄生虫をふり払う行動をすることがあるそうです。

マンボウは大人しい魚なのでほかの魚も怖がらず寄ってきて、矢すりのようにざらざらしたマンボウの肌で自分の寄生虫を取り除いていく魚もいるのだとか。ともかくマンボウの体表にはどれだけついているのかわからないほどたくさんの寄生虫がついているそうです。

どんな寄生虫がついてるの?

寄生虫の種類は数々ありますが、マンボウの体内には人間の体に寄生すると激しい腹痛や嘔吐に見舞われるアニサキスをはじめ、人体には寄生しませんがラジノリンクスという寄生虫や吸虫類など、そして体表にはカジキジラミ、ウオノコバン、サケジラミ、ハダムシなどの寄生虫が寄生しています。

マンボウにはたくさんの寄生虫が寄生しているのなら、マンボウの刺身などを食べると食中毒になるのではないかと心配なってしまいますが、マンボウ料理を提供するお店では、経験豊かな知識のある漁師によって捌かれたマンボウを料理しているので、マンボウの料理を食べたからといって、マンボウの寄生虫による食中毒の心配はほとんどありません。マンボウを知る知識の一つとして、マンボウにはたくさんの寄生虫が寄生していることは、この機会に認識しておくとよいですね。

余談ですが、マンボウの生態を研究している研究者に言わせると、「マンボウの場合は寄生虫に寄生されているのではなく、マンボウは寄生虫と共存している」などと言われます。その理由は、マンボウは大人しい魚なので、たくさんの寄生虫が付いていることでほかの魚に捕食されずにいられると考えられています。たとえばサメやシャチなどのどう猛な魚でさえもマンボウのことは捕食しないそうです。

マンボウ!ご試食あれ

丸く小さな金平糖のような目やおちょぼ口が可愛いマンボウは、水族館では人気者の魚です。日本ではあまり流通していませんが、身は白身で鶏肉のささ身のような感触で柔らかくクセのない味わい、大きな肝は個性的な味わいで身と一緒に酢味噌和えに、そして長い腸は動物の腸のような食感で焼いて食べると身より人気のメニューだそうです。マンボウを食べる地域へ行くと地魚料理や郷土料理、定番料理としてマンボウの料理を提供してくれるお店もあります。観賞するのも可愛いですが、マンボウを食べる地方へ旅したときは、ぜひその味をご堪能したいものですね。