2017年5月17日更新

紅花油(サフラワー油)って危険な油?その成分や効果!

紅花の花と種

名前のごとく紅花の種子から作られている種子油の一つです。今、この紅花油(サフラワー油)が人体に危険な油!と言われているのをご存知ですか?一体なにが危険なのか、紅花油(サフラワー油)の成分を見ながら見ていきましょう。効果も一緒にお話しします。

  1. 目次
  2. 紅花油の栄養成分やカロリーは?
  3. 紅花油(ハイオレイックタイプ)の効果
  4. 紅花油の危険性について
  5. 食用だけでなく肌からも吸収!
  6. 紅花油(サフラワー油)はよく調べて購入しよう

紅花油の栄養成分やカロリーは?

ベニバナの種子から作られる紅花油。サフラワー油とも呼ばれています。植物油が危険な油!だと騒がれている中で、紅花油(サフラワー油)も同じ危険性がある不安な油だと言われています。まずは紅花油(サフラワー油)の成分をみて順々に紅花油がどのくらい危険な油なのか確認していきましょう。

紅花油(サフラワー油)の成分

キク科ベニバナ属のベニバナの種子から作られている紅花油。カロリーは100g中921kcal、大さじ1杯(12g)111kcalです。現在、紅花油は2種類のタイプがあります。紅花油の脂肪酸の成分のリノール酸が80%という高リノール酸タイプのハイリノール、もう一つは脂肪酸の成分の70~80%がオレイン酸の高オレイン酸タイプのハイオレイックです。

これら2種類は日本農林規格(JAS規格)の食用植物油脂の品質に関する表示法で、

  • ベニバナのハイリノレイック種の種子から採取した油は「ハイリノール
  • ハイオレイック種から採取した油は「ハイオレイック
  • 併用した油は原材料が占める割合の多い順から「ハイリノール・ハイオレイック」

というように、名称の横に括弧付けで表記することができます。しかしこれは任意で原則ではありません。

そのほか脂質以外に紅花油にはビタミンE、Kが含まれているのが成分の特徴です。

紅花油(サフラワー油)の種類が2種類あるわけとは

リノール酸の効用には、アレルギーの改善やアンチエイジング、コレステロールの減少、血圧や血糖値の降下作用、肌の保湿など、健康にいい効果が期待されています。体に必要な必須脂肪酸の一つであるリノール酸ですが、過剰摂取になると、悪玉コレステロールを増加させてしまうとか、中性脂肪を増やし血液がドロドロになり動脈硬化や心筋梗塞の原因になるなど体に悪影響がでるといわれます。

以前はリノール酸の良い効果に期待がかけられリノール酸を豊富に含んだ紅花油が人気を呼びましたが、その後リノール酸の過剰摂取が健康を害すると問題になりました。もともとリノール酸は食品中にも豊富に含まれているので、リノール酸を80%ほど含有する紅花油は、それらの食品と一緒に使用すると、どうしてもリノール酸の過剰摂取に繋がってしまう!すなわち体に悪影響をきたすということで紅花油に対して危険の声が上がるようになりました。

その後、紅花油は品種改良されリノール酸を減らし、その代わりに活性酸素を押さえ抗酸化力の強いオレイン酸を豊富に含有したタイプ「ハイオレイックタイプ」が生まれたのでした。

<ハイオレイックタイプの脂肪酸の成分>

オレイン酸 約80%
リノール酸 約15%
α-リノレン酸 約7.5%
その他

紅花油(ハイオレイックタイプ)の効果

オレイン酸を約80%含む紅花油の効果は、腸内環境と整え便秘の改善に効果が期待されています。胃酸の分泌に優しく胃酸過多や胃潰瘍を防ぐと言われます。そのほか血液をサラサラにし動脈硬化の防止にも期待がよせられています。またオレイン酸からの効用だけではなく、紅花油の成分のビタミンEは冷え性やシミやシワなどの肌のアンチエイジングに効果的だと言われます。

紅花油の危険性について

紅花油の危険性については、リノール酸の含有量の多さから過剰摂取が心配されて体に危険な油と心配されていました。しかし紅花油の品質改良で商品名の横に括弧付けで「ハイオレイック」(任意での記載ですが)と記載されているものはリノール酸の含有量が抑えられて、代わりに体にいい効果が期待されるオレイン酸の含有量の多い油と推移しています。

リノール酸の摂取量を控えたいのであれば、こちらの紅花油を購入すれば問題ないわけですが、まだもう一つ、紅花油に危険を感じざる得ない問題があるのです。それは紅花油の製造方法にありました。

製造過程で生成されるトランス脂肪酸が危険!

紅花油の危険はリノール酸のほかにベニバナの種子から油を搾油する方法に危険が心配されます。紅花油の製造法は原料のベニバナの種子に薬剤を使用して油を搾油する溶剤抽出法と、ベニバナの種子に圧力をかけて搾油する圧搾法があります。これらは種子のほとんどの油を抽出できるのですが、溶剤や熱によって、体に悪影響を及ぼすトランス脂肪酸を発生させると同時に、栄養素を破壊したり油が酸化してしまう危険があるのです。

トランス脂肪酸の発生を抑えて栄養素を破壊させないためには、溶剤を使わず、圧搾する時に発生する摩擦熱を60℃以下にしてゆっくり圧搾して搾油する低温圧搾製法(コールドプレス)を利用することが推奨されています。この方法で作られた油は危険性が少ないと言われます。

トランス脂肪酸の危険性は血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールの増加につながり、動脈硬化や狭心症の原因となったり、脳神経に影響をきたし認知症やパーキンソン症への影響、またアトピーなどのアレルギーの原因も心配されています。現在残念ながらトランス脂肪酸のメリットはあまり見つかっていません。

食用だけでなく肌からも吸収!

オレイン酸を豊富に含むように改良されている紅花油。体内にから吸収する成分にも期待が高まりますが、直接肌に塗ることでも効果が期待できる油なんです。

肌・化粧品としての効果

オレイン酸は肌にもともと含まれている成分です。ですからオレイン酸を含む紅花油を直接肌に塗ることで肌を保湿し乾燥を防ぐ効果が期待できます。ベタつきのない油なので使用後もべたべたとした使用感はありません。お風呂上りのボディーケアにも最適と言われます。普段使っているスキンケアの化粧品に混ぜて乾燥肌の対策に利用してみてください。

紅花油(サフラワー油)はよく調べて購入しよう

紅花油が危険な油だといわれる理由は豊富に含まれているリノール酸の過剰摂取と製造過程で発生するトランス脂肪酸にあるようです。リノール酸の過剰摂取が問題になっている中、紅花油は品質改良を行いリノール酸の代わりにオレイン酸を多く含んだハイオレイックタイプの紅花油が登場しました。リノール酸もバランスよく食生活に摂取できるのであれば決して悪い油ではありませんが、使う食品との兼ね合いでリノール酸が過剰摂取になってしまうようなら、紅花油を購入する時に商品名に横に記載されている「ハイオレイック」という表示を気にかけて購入するとよいですね。どんな方法で製造されているのかも調べてからご購入されることもおすすめします。