2017年4月19日更新

使い方次第でアレンジ自由!沙茶醤(サーチャジャン)とは?

みなさんは沙茶醤という中華の調味料をご存知ですか。
海鮮とスパイスを長時間煮詰めて作られるこのタレ、その歴史は古く、200年以上前からあるんですよ。
今回は、日本でもやっとスーパーでも見かけるようになってきた美味しい調味料、沙茶醤について紹介します。

  1. 目次
  2. 沙茶酱(サーチャジャン)とは?
  3. 沙茶酱(サーチャジャン)の種類は?どんな料理に使われる?
  4. 沙茶酱(サーチャジャン)は火鍋をはじめ色々な中華料理で活躍!その使い方は?

沙茶酱(サーチャジャン)とは?

起源は?どんな味?

沙茶醤の沙茶はインドネシア語のSatayに由来し、もともとはインドネシア原産の風味付け調味料でした。それがマレーシア、シンガポールを経て19世紀初頭、海外との貿易が盛んだった広東省東沿岸部にある潮汕(ちょうさん)という地区で一気に人気を博しました。この地域は昔から東南アジアや華僑との交流が盛んで、ほかにもさまざまな料理の製法が受け入れられており、これが各地に広めた要因とされています。特にこの辛さは、潮汕地区に持ち込まれた時により辛く改良されたといわれています。
その後、福建省や広東省一帯と台湾であわせ調味料としてさらに発展を遂げ、現在の沙茶醤と呼ばれるものになりました。
色は浅い褐色のものから深い褐色のものまでさまざまであり、ソースと同じかたさのやや緩めのペースト状をしています。香辛料の深い香りに加え、味は辛さと甘さが突出しており、まるで南国を彷彿とさせる独特でスパイシーな風味と、バランスのとれた味わいが特徴的です。

どのようにして作られる?

最も有名な製法は、干した小エビとネギ、にんにくをベースに、ピーナッツ、白ゴマ、やしの実、セロリ、からし、唐辛子粉、山椒、ウイキョウ、シナモン、ミカンの皮、生姜、パクチー、胡椒、ほかにもクローブなどの香辛料をふんだん使い、これらをすりつぶして油と塩を加えて煮詰めるというものです。

しかし、古い文献に基づくと沙茶醤は多くの原料を東南アジアに生息するものとし、種類が多いうえ製法が複雑であったため、伝来したそれぞれの地域にある材料で作られています。
そのため、今ではそれぞれの地域特有の伝統的な味が楽しめるようになっているんです。

沙茶酱(サーチャジャン)の種類は?どんな料理に使われる?

沙茶醤はその味わいから、大きく分けて潮汕沙茶醤のほかに、福建沙茶醤東南アジア系沙茶醤の3つに分類されます。

それぞれの特徴は?

潮汕沙茶醤

潮汕沙茶醤は甘みの強めの醤油味に香辛料と辛味が際立つ味わいとなっており、香港のほうでは混ぜこむ油の量が多くなりカレー粉の香りが強くなるほか、色も黄金色をしています。

福建沙茶醤

福建沙茶醤は辛みや香辛料の香りがやや抑え気味になっており、東南アジア系、特にマレーシアではラー油でペースト状に伸ばしていることもあり、濃厚なスパイシーな香りと刺激的な辛さが特徴です。
最近では、西洋料理の味付けとも合うように改良され、フルーツベースのドレッシングとレモン汁を合わせた沙茶醤が売られたりもしています。
味の幅が広く、さまざまな料理に合わせられる調味料ですね。

沙茶酱(サーチャジャン)がないとき、他の調味料で代用できるか

沙茶醤はその特殊な風味から、残念ながら今のところ沙茶酱に近い味の調味料はありません。
どうしても代用したいと言う場合は、沙茶醤と応用範囲の重なる焼肉のたれにパクチーを加えると近いものになります。

沙茶酱(サーチャジャン)は火鍋をはじめ色々な中華料理で活躍!その使い方は?

基本的には材料や調理法を問わず、アジアンテイストを演出したい場合にオールラウンドに使える調味料です。

基本の使い方

沙茶醤は直接食べることもできるほか、他の調味料と合わせて新たな味を生み出します。

例えば、あっさりした鶏の胸肉を煮るのに用いたり、醤油と酒を合わせてチンジャオロースの調味料として炒め料理にも使われますし、ほかには香港では沙茶醤ベースのスープで牛肉やえびを煮たものが有名であり、焼き、蒸し焼き、煮込み、しゃぶしゃぶ、あぶりなど、さまざまな調理法で活用されています。

甘さと辛さを合わせもつ沙茶醤は中国南部では常時使われる調味料であり、肉、魚、野菜、スープなどを作る際に炒めれば香り高く、肉や魚の加工食品のアクセントにも使えますよ。
本場では、日本ではあまりなじみのないアヒル肉や羊肉を炒めたり煮込んだりする時の香り付けにも使われます。これらの肉をスパイシーな調味料で煮込む料理のうち、火鍋はその最も代表格であり日本でも浸透しつつありますね。

あっさりスープの火鍋を作ろう!

火鍋ときくと辛い、脂っこいというイメージが定着していますが、沙茶醤をベースに使えばあっさり食べられますよ。実際沙茶火鍋というものもメニューにあり、若い人に人気があります。

ポイントはマナガツオなどあっさりした魚をメインに、ミンチに野菜をたっぷり入れたつみれ団子、そして牛肉、トマト、キクラゲ、ハマグリに季節の葉物野菜を煮込み、そこへ調味した沙茶醤スープを加えます。
そして極めつけは、とり皿に穀物酢と沙茶醤を混ぜたもの用意してつけダレとして食べると絶品です。
このつけダレはアレンジ次第で焼き肉のつけダレにも応用できますので一度お試しください。
焼肉のつけダレに応用する場合は、減塩醤油に沙茶醤(できれば潮汕の)を加え、鷹のつめの輪切りを少し加えたものが基本となります。
また、これにネギとすりおろしにんにくを加えるとさらに本格的なつけダレになりますよ。

沙茶醤1つで香り豊かでスパイシーな味わいが楽しめます。
沙茶醤を上手にアレンジして、料理の幅を広げてみるのも楽しいかも知れませんね。