2018年2月1日更新

発酵食品のテンペとは?ぎっしり詰まった栄養から得られる効能や作り方

テンペ

テンペとは、大豆の煮豆を原料とし、テンペ菌発酵させた食品です。NHKで岡山県のテンペが紹介されたこともありその効能のすごさや知名度が上がりましたが、同じ発酵食品の納豆との違いが分かりませんよね。本ページではそんな納豆との違いや栄養、味、作り方、カロリーなどを解説していきます。

  1. 目次
  2. テンペとは
  3. テンペの効能が実はすごい
  4. テンペの栄養
  5. テンペの作り方
  6. テンペは日常生活に是非取り入れたい食品

テンペとは

テンペとは400年以上も前から食べられているインドネシアを発祥とした発酵食品であり、原料の大豆を煮た後にテンペ菌を大豆に付着させて発酵を行っていく過程を取ります。

テンペ菌はバナナやハイビスカスの葉に付着している菌ですが、大豆に付着させて発酵という工程を取るということは納豆なのではないかという声が挙がりそうですが、実は納豆とは全くの別物であり、風味や味も大きく異なります。

納豆はあの独特の風味や糸を引く性質がありますが、テンペは同じ発酵食品であっても糸は引きません。しかし、納豆と製造方法が酷似している理由で「インドネシアの納豆」と呼ばれ、その数々の得られる効能から人々に愛されているのです。

テンペ菌の詳細

テンペを製造する際、使われるテンペ菌ですが、クモノスカビの種類に属するため、テンペの表面には白い膜が張られている状態になります。例えるならカマンベールチーズのような見た目になり、少し固そうな食感をしているようにも感じられるでしょう。

テンペの味は?

発酵食品を苦手としている方も多いですよね。特に納豆は好き嫌いが非常に分かれる食品ですが、テンペは納豆のように独特の風味や味はさほど気にならないとされています。口にした方の好みや感じ取り方でも異なってきますが、テンペの味は栗のような味と表現されたり、ナッツや豆の香りを凝縮したようにも感じ取る方がいます。

納豆はダイレクトな風味や味が鼻を突きぬける感覚が苦手という方もいますが、栗やナッツ、豆を濃くした味であれば苦手と感じる方は少ないのではないでしょうか。感じ方は違えどそれだけ多くの方の口に合う食品ということが伺えますよね。

テンペの効能が実はすごい

テンペは馴染みのない方にとっては未知の食べ物という感覚でしょう。発酵させている部分は更に謎を感じさせる食品です。しかし、テンペは様々な体に与える効能が分かっていますので、テレビなどでも取り上げられています。そんなテンペは女性に嬉しい効能がたくさんありますから、実態について迫っていきます。

ダイエット効果・生活習慣病を予防

テンペには豊富な栄養が詰まっており、中でも食物繊維が含まれているため、食前などに食べておくと満腹感を感じることができます。また、ダイエットの大敵であるコレステロールも0であり、タンパク質なども豊富に含まれていることでダイエット効果を期待することができます。海外ではそんな腹持ちの良いテンペを高カロリーな肉代わりとして食べることもあり、大豆を発酵させているテンペは日本人の口に合いやすい食品と言えるでしょう。

更にテンペには血管に付いたコレステロールを溶かす役割を持っているため、動脈硬化の予防に繋がったり、心臓病や脳梗塞などの疾病の予防にも役立ちます。また、高血圧や糖尿病といった現代病にも予防する働きがあるため、現代社会に生きる私たちにどれほど必要な栄養が詰まっているのか分かる優秀な食品でもあるのです。

整腸作用・デトックス・更年期障害予防・抗がん作用

テンペの効能にはまだまだ得られるものがあり、整腸作用やデトックス効果、そして更年期障害の予防や更には抗がん作用まで発揮します。原料が大豆になっているテンペは女性ホルモンによく似たイソフラボンという成分がありますので、摂取するとホルモンの乱れで起こる更年期障害の予防や乳がんなどの抗がん作用、そして骨粗しょう症などの予防に加え、発酵食品が発揮する整腸作用や食物繊維のおかげで体内のデトックスを促してくれる効能を期待できるのです。

テンペの栄養

テンペから得られる効能には優れたものがいくつもありましたが、栄養も具体的に確認しておくと更にテンペのことを知ることができるでしょう。

テンペの栄養は優秀すぎる…カロリーも確認!

テンペには数々の効能を得られるだけの理由があり、含まれている栄養も豊富です。女性が気にするカロリーも100g当たり202キロカロリーしかないのにも関わらず、タンパク質は100g当たり15.8gも含んでいます。また、食物繊維は10.2gで、他にもナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガンなどを含んでいます。特にカリウムは100g当たり730mgもあり、リンも250mgも含んでおり、他にもビタミンB1やビタミンB2、ビタミンB6、ビタミン12、ビタミンEなども栄養が豊富ですので、健康食としてもばっちりな食品だと言えるでしょう。出典:「日本食品標準表2015年版(七訂)」

テンペの作り方

次はテンペの作り方です。用意するものは大豆200~1000gの間でお好みの量と、テンペ菌1~10g、酢(200gの大豆に対して100ml)です。この時、保温器やジップロック、ビニール袋や爪楊枝、そして竹串などを用意しておくとスムーズにテンペが作れます。

テンペの作り方は、まず用意した大豆をボールなどに入れ、水で大豆の皮が剥がれない程度の力加減で強く洗浄してていきます。次に洗浄した大豆に大豆に対して4倍程度の水を入れて漬けこんでいきます。4倍というのは、例えば大豆が50gであれば水の量は2リットルになります。

次に水1リットルに対して50mlの酢を入れ、大豆に微生物の繁殖を発生させないようにしていきます。漬け込む時間は冬の寒い季節であれば24時間程度、春や秋といった季節なら15時間、そして夏場の暑い季節は6時間程度を目安にしていき、大豆の中心部分のくぼみが平らになったら十分に付け込まれた目安になります。

次に大豆の皮を一つ一つ剥いていき、鍋に1リットルの水と50mlの酢を加えて大豆を投入し、30~60分弱火でじっくりと豆を煮ていきます。大豆の状態が指で押しても潰れない程度の状態が理想ですので、このくらいの固さになったらザルに上げて40℃程度になるまで大豆を冷やします。次に大豆にテンペ菌を付着させるのですが、テンペ菌のみだと大豆全体に菌が付着できるか心配なので、デンプン粉を主成分とする片栗粉や上新粉、米粉などと一緒に付けていきます。付着させるテンペ菌が1gであれば、片栗粉などのデンプン粉は9gにします。ビニール袋などに大豆とテンペ菌を入れてよく振ると全体にテンペ菌を付着させることができます。

全体に菌が付着したらジップロックなどの袋に爪楊枝などで小さな穴を開けておき、そこに大豆を入れていきます。次に保温器などに大豆が入ったジップロックを入れ、発酵に適温な32℃で発酵させていきます。時間が経過していくと大豆の表面に白い膜のようなものが浮き上がってきますので、全体が固まっていればこれでテンペの出来上がりです。

テンペは日常生活に是非取り入れたい食品

数々の優れた効能を発揮するテンペは女性に嬉しい効能だけでけはなく、日頃の健康に気を遣っている方にも最適な食品です。ご存じない方はテンペの効能を熟知しながら日頃の食生活に取り入れていくと嬉しい効能を得ることができますよ。