2017年12月1日更新

メバルは刺身にするより熟成させた方がおいしい?寄生虫についても解説

メバル

刺身として人気のメバルは新鮮すぎると味に旨みが少ないことをご存じでしょうか。巷では熟成させた後のメバルが格段においしくなるという話もあるため気になりますよね。肝や皮も食べられるメバルですが、寄生虫についても知りたいところなので食についてのメバルをご紹介します。

  1. 目次
  2. メバルとは
  3. メバルはおいしくない魚?
  4. メバルの熟成方法
  5. メバルの皮と肝
  6. メバルの寄生虫
  7. メバルは熟成させてから食べるべし

メバルとは

メバルはスズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属にカテゴリーされる魚を指し、「アカメバル」や「クロメバル」、「シロメバル」という3種類のメバルを総称した呼び方です。大きい目が特徴的なメバルはその目を有効活用しているといわんばかりに岩陰などに隠れてエサとなるエビやカニ、甲殻類などを捕食しています。魚体の表面は茶色の模様が縦から下に描かれており、見た目は可愛い魚です。

メバルは広く周知された魚でもあるため、誰もがご存じでしょう。そんなメバルは北海道南部から九州にかけての広い地域に分布しており、体長は20cm程度の大きさのものが多く、釣り人に良く釣り上げられています。成長し続けると中には35cm以上にもなるメバルが存在するようで、生息場所は主に浅い岩礁域や海藻が多くある場所を好む生態があります。

ちなみにメバルの種類であるアカメバルが好んで生息する場所はガラモ場やアラモ場で、クロメバルが外洋に面した場所、そしてシロメバルは内湾を好んで生息しています。

メバルはおいしくない魚?

メバルの味はおいしいと答える方もいれば反対にまずいと答える方もいます。同じ魚であってもなぜこうも違いが出てくるのかというと、理由はその硬さにあります。

メバルの身は非常に硬く、刺身などにして食べても硬すぎる食感を感じます。そんな硬すぎる食感が好きというツワモノな方もいますが、刺身で食べる魚はほど良い食感で弾力もありすぎない方がベストでしょう。そんな硬すぎるメバルの身は熟成させてから食べた方がメバルが持つ本来の旨みを楽しむことができます。

メバルの熟成方法

メバルを熟成させた方が良い理由は硬すぎる身を食べやすい弾力にするという目的もありますが、熟成させていないメバルは旨みや甘みもあまりない状態のため、口にしてもおいしくないと感じる方が多いようです。

旨みや自然な甘みがない刺身というのは非常に淡白なもので、いくら淡白な味が好きな日本人が食べるからといっても熟成していないメバルは何もかもが不足している状態のように感じてしまいます。そのため、釣りに出かけてメバルがヒットし、熟成させることをご存じない方が喜びながらすぐに食べても期待外れの味に愕然としたという場面もあります。

そのため、メバルをよりおいしく食べたい場合は熟成させることがまず第一に重要なことなのです。熟成させるといっても何年もかかるわけではありませんから、数日程度期間を見ていればすぐにおいしいメバルを食べることができます。

熟成のしかた

メバルの熟成は神経締めをすることから始まります。刺身などの料理で楽しみたい場合、魚が出す旨みは非常に重要なもののため、暴れることによってその旨み成分を消費しないために行う重要な過程です。そのため、メバルは釣った後、すぐに神経締めを行う必要があります。また、死後硬直の期間を遅らせることもできるため、手に入れたら早急に手をかけていきましょう。

次に神経締めを行ったメバルに包丁を入れていき、流水を使って血やウロコなどを綺麗に取り除きながら洗い流していきます。血やウロコなどには雑菌などが多く棲みついているため、綺麗に洗浄を行わないと腐敗が早まる原因となります。

また、刺身にする場合は綺麗に洗ったメバルを三枚におろし、身に塩をふりかけてキッチンペーパーなどで包みながら保護し、ラップにくるんで冷蔵庫に入れます。ラップで包めば乾燥から身を防ぐことができるため、必ず忘れないようにしましょう。

また、冷蔵庫で保存する場合は冷えすぎに注意が必要です。さらにメバルを熟成している期間は包んであるキッチンペーパーなどをこまめに取り換え、清潔を維持します。

そのまま一晩から5日程度を目安に熟成させていけば硬さがほど良くなったおいしいメバルの刺身を楽しむことができます。どれくらいの日数で変化があるか分からないという方は1日ずつ日を追うごとに試食してみるのも判断がつきやすくなるでしょう。

メバルの皮と肝

メバルは新鮮さがありすぎる状態のままでは好き嫌いが非常に分かれる魚です。そのため、熟成させることはよりおいしく食べるために必要不可欠なことですから、メバルがおいしくないと感じていた方は熟成させることによって本来のおいしさに気が付くかもしれません。また、身もおいしいメバルは皮や肝も料理にすることができます。

メバルは身を食べられることはもちろん、皮を削ぎ取って湯引きにしたり、肝であればタレなどと一緒にソテーすればホルモン風の舌触りの良い料理に変身します。

メバルの皮ははぎ取った後、さっと湯通しするだけですぐに食べることが可能です。皮は肉厚のため、皮のみでもしっかりと食べごたえを感じられる食感です。薬味のネギを入れ、ポン酢などと一緒に食べればメバルを余すことなく長い期間楽しむことができますよ。

肝を食べる場合は必ず加熱調理してください。理由は次にご説明する寄生虫に関係があります。

メバルの寄生虫

魚といえばおいしい反面、寄生虫の有無についても気になるところですよね。残念ながら人体に悪影響を及ぼす「アニサキス」という寄生虫はメバルにも寄生します。

アニサキスという寄生虫は体長が2~5cmほどで、渦巻き状になった紐のような姿をしています。このアニサキスは寄生する該当の魚の腸に潜り込んでいたり、内臓に渦を巻いて寄生している場合もあります。

死んだアニサキスを人が体内に取り込んでも便とともに排泄されるため影響が出ることはありません。
食べてしまって影響が出た場合の症状は激しい下痢や痛み、吐き気、嘔吐などが出ます。また、時に胃や腸といった器官の壁を食い破ることがあるそうなので、アニサキスで人体に影響が出た場合は医師の診断が必要不可欠となります。

アニサキスによる食中毒を防ぐにはマイナス20℃以下で24時間以上冷凍するのが一番だそうです。

【参考文献】
農林水産省 食中毒をおこす細菌・ウイルス・寄生虫図鑑 アニサキス

メバルは熟成させてから食べるべし

おいしくないと言われるメバルは新鮮なままでは硬さが気になる魚です。そのため、熟成させることが大切ということが分かりましたよね。新鮮な状態のままではなく、一定期間旨み成分を増やすことがよりおいしく食べられるカギとなりますから、是非おいしいメバルの味を引き出してみてくださいね。