2017年10月27日更新

柚子(ゆず)の効能や栄養について

柚子

冬至に柚子をお風呂に入れて入るとその1年は風邪をひかないで元気に過ごせるという日本の風習は皆さんもよくご存知ですよね。その柚子ですが、さわやかな香りが強いので、料理の香り付けなどによく使われます。今回はこの柚子の栄養と効能について調べました。

  1. 目次
  2. 柚子の栄養
  3. ゆずの効能は?
  4. 柚子は肌のアンチエイジングに効果的
  5. 柚子を加熱した際の成分の変化
  6. 柚子の果皮や果汁は健康的な効能がたくさん

柚子の栄養

柚子はとてもさわやかな香りの強い果実ですが、酸味が強すぎるので生食はできません。特有のさわやかな香りを生かして、果皮を削ったり果汁を使って料理に香り付けをしたり色合いに役立つ食材です。

では柚子の果皮や果汁には一体どんな栄養成分があるのか「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」準拠・食品成分表2017を参考に見てみました。

  項目 果汁・生
(全果に対する果汁分25%)
果皮・生
(全果に対する果皮分40%)
  カロリー 21kcal 59kcal
一般成分 水分 92.0g 83.7g
タンパク質 0.5g 1.2g
脂質 0.1g 0.5g
炭水化物 7g 14.2g
ミネラル カリウム 210mg 140mg
カルシウム 20mg 41mg
マグネシウム 11mg 15mg
リン 11mg 9mg
ビタミン ビタミンA 23ug 719ug
ビタミンC 40mg 160mg
ビタミンE 0.2mg 4mg
ビタミンB1 0.05mg 0.07mg
ビタミンB2 0.02mg 0.10mg
ナイアシン 0.2mg 0.9mg
ビタミンB6 0.02mg 0.09mg
パントテン酸 0.29mg 0.89mg

(栄養成分は抜粋して掲載しています。)

柚子に含まれるその他の成分

酸味成分のクエン酸や酒石酸やリンゴ酸などの有機酸類、多糖類のペクチン、柚子の香り成分のリモネンやノミニンやシトラール、苦味成分のリモノイド、皮に含まれているビタミンPとも呼ばれるポリフェノールの一種であるヘスペリジンなど。

ゆずの効能は?

柚子の果汁や果皮には健康に良い効能がある成分が多く含まれています。果汁や果皮に豊富に含まれるカリウムやカルシウムなどのミネラルは骨を強くしてくれたり、体にたまった塩分の排出を促進してくれるのでむくみに効果的です。

ビタミン類の効能

体内でビタミンAに変わるβカロテンやβクリプトキサンチンは果皮にたくさん含まれており、その効能は骨の形成を助け骨粗鬆症の予防に効果的だそうです。

果皮にも果汁にもたくさん含まれているビタミンCは免疫力のアップと細菌やウイルス感染を抑制してくれ、風邪やインフルエンザの予防に効果があると言われます。

またビタミンCはヒアルロン酸を増やす作用があるのと、ビタミンEと同様に抗酸化作用の働きがあり、活性酸素を抑制してくれ、細胞の老化を防止し、肌のアンチエイジングにも効果的だと言われます。

酸味成分の有機酸類の効能

クエン酸や酒石酸、リンゴ酸などの柚子の酸味成分である有機酸類はエネルギーの生成に働きかけダイエットや疲労回復、食欲増進に効果が期待されています。

これらの有機酸類はミネラルの吸収を助ける働きがあります。その相乗効果で痛風の予防、肝臓病の改善に効果的だと言われています。たとえば有機酸とカリウムの相乗効果で利尿作用を促し尿酸値を下げる効果があると言われています。

香り成分の効能

香り成分のリモネンやノミニンやシトラールはリラックス効果があると言われます。

これらの物質は疲労回復にも繋がるそうです。交感神経を活性化して血管を広げて血流をよくするので冷え性や肩こり、腰痛の改善に効果があると言われます。

血流の流れがよくなることでダイエットにも効果が期待されています。免疫力を高める作用により風邪の予防になるほか、抗炎症作用、滅菌作用があり細菌やウイルスを防御してくれます。

苦味成分の効能

苦味成分のリモノイドは発がん物質を抑制する効果と、悪玉コレステロールを抑制する効果があると言われます。

がん予防に関しては米国がん研究所からも研究報告が上がっています。柑橘類の摂取とがんとの関係を調べた研究結果で柑橘類に含有されているリモノイド類に発がん物質の抑制効果がみられると発表し、柚子に含まれる苦み成分であるリモノイドの一つのリモニンは発がん抑制成分であると発表されています。

果皮に含まれるヘスペリジンの効能

果皮に含まれておりポリフェノールの一種であるヘスペリジンは、ビタミンと同じような働きをすることでビタミンPとも呼ばれています。

ビタミンPは美容に効果的であるほか、毛細血管や末梢血管を強くし血流を改善する作用があるので冷え性や肩こり、腰痛、高血圧の予防に効果が期待されている成分です。

むくみの改善、コレステロールや中性脂肪を低下させる作用があるので生活習慣病の予防にも効果が期待されているほか、抗アレルギー作用があるので花粉症の予防にも効果的な成分だと言われています。ビタミンCの安定化を図る作用があるため肌の状態を良くしたり、集中力のアップ、ダイエットにも効果が期待されています。

柚子は肌のアンチエイジングに効果的

柚子の果皮や果汁の成分はビタミンやミネラルのほか、酸味成分の有機酸類、苦み成分や香りの成分、ビタミンPとも呼ばれるヘスペリジンの効能で、特に肌のアンチエイジングの効果的だと言われています。

どれも抗酸化作用が強く細胞を老化させる活性酸素を抑制するため肌の老化の防止に効果的ということでしょうか。

たとえばビタミンCやスペアリジンはシミやシワの原因となるメラニンの形成を抑制して、美肌に必要なヒアルロン酸を作る材料にもなり、香り成分のリモネンは肌の新陳代謝を促し古い角質を落とす美肌効果があるそうです。

ビタミンEや体の中でビタミンAに変わるβカロテンやβクリプトキサンチン、酸味成分のクエン酸の含有量の多い果皮部分は特に抗酸化作用に優れ、細胞の酸化を防ぐとともに肌のアンチエイジングや美肌効果に期待されています。

柚子を加熱した際の成分の変化

柚子を加熱するとどうなるかと聞かれることがあります。
ビタミンC、B1、B2、B6、皮に含まれている成分であるヘスペリジン、ミネラルのカリウムは熱に弱く酸化しやすい成分です。逆に熱を加えることでビタミンA、Eは量が増えます。加熱してもほかの酸味成分や苦み成分、香り成分には大きな変化はありません。

柚子が含有している栄養成分の性質を考えると成分によっては加熱に弱い成分もあります。しかし柚子は焼くとか揚げるという調理方法で味わうことがなく、かりに煮てジャムを作ったとしてもジャムの中に溶けだした成分もジャムごと食べるので摂取する栄養に変わりありません。

柚子の果皮や果汁は健康的な効能がたくさん

柚子は酸味が強いのでミカンのように生食できませんが、果皮や果汁の栄養成分や、強烈な酸味成分、さわやかな独特の香りの成分の中に健康に良い効能がたくさんあります。

冬至の時はその1年風邪をひかないようにとか邪気を払うために柚子湯に入る風習がありますが、柚子湯は柚子の成分の効能から血行を良くして全身を温め、疲労回復やリラックス効果や安眠効果があると言われます。

基礎代謝をアップさせ肌に潤いを与えてくれるそうです。冬至だけではなく日ごろから柚子湯につかることは柚子の効能にあやかれるよい方法かもしれませんね。さわやかな香りの柚子!肌のアンチエイジングをはじめ健康に良い効能は果皮や果汁にたくさん含まれています。ぜひ活用してみてください。