2017年9月7日更新

保存食にぴったりなアルファ化米とは?賞味期限や食べ方、味についても解説!

乾燥した米

アルファ化米とは生デンプンを熱することでアルファ化デンプンとなったものをそのまま乾燥させたものを指し、登山中に使用したり保存食としても使え、学校給食でもその姿を見せています。ではアルファ化米の賞味期限や食べ方、味などはどうなのでしょうか。自作もできる方法と交えてご紹介します。

  1. 目次
  2. アルファ化米とは?
  3. アルファ化米の栄養を見てみよう
  4. 自作もできるアルファ化米
  5. 食べ方はどうする?
  6. これから大活躍間近いなしのアルファ化米

アルファ化米とは?

初めて見聞きする方も多いと感じますが、アルファ化米とはお米の中に含まれる生の状態のデンプンを水などに浸し、熱を加えるとアルファ化デンプンに変化したものをそのまま乾燥して作ったものです。そのため、いつでもどこでも美味しいお米を食べることができる優秀な食材なのです。

水とアルファ化米があれば場所を選ばないため、登山中の食事に使われたり、学校給食などでも使用され、人々の生活に合った活用法をされています。

洗米・つけ置きがいらない

一般的なお米を炊く時は何回か研ぐ過程を経て、しばらくつけ置きしてから炊飯器のスイッチを押しますよね。鍋などで炊くご家庭もありますが、どちらにせよ実際に炊くまでの時間を多く取られてしまいます。

しかし、アルファ化米は洗米もつけ置きも不要なため、一般的なお米と比較すると随分簡単に手間なしでお米を炊くことが可能です。

「アルファ」という難しい名前

一般的なお米と異なる点はありますが、なぜアルファという難しそうな名前が付けられているのでしょうか。その理由にはまずお米に含まれるデンプンに注目する必要があります。お米に含まれるデンプンにはβ(ベータ)デンプンと、α(アルファ)デンプンの2種類があります。

βデンプンは生の姿のお米を指し、形状的に腐りにくい特性は持っていますが、体内に摂取すると中々消化されにくいデンプンです。一方でαデンプンは炊いた後のお米の状態を指し、水分が多い姿となるため、腐りやすい点がありますが、体内で摂取した後は急速に消化される特性を持つデンプンです。

通常であれば炊いた後のお米でも冷えて時間を置くとαからβに戻りますが、それを阻止し、αデンプンの状態でお米を熱風に当てて急速に乾燥させることによってβデンプンに戻ることなく、αデンプンを含んだままのお米に仕上がっているため、アルファ化米と呼ばれるようになりました。

ちなみにマジックライスという名前で販売されている商品もあります。

アルファ化米の栄養を見てみよう

アルファ化米は水を加える前は乾燥した状態です。しかし、ひとたび水を加えれば少し待機するだけで美味しいふっくらとしたお米を味わうことができますから、一般用のアルファ化米と学校給食用強化品の成分について見ていきましょう。

一般用のアルファ化米と学校給食用強化品

一般用のアルファ化米の成分は、タンパク質が6g、脂質が1g、炭水化物が84.8g、食物繊維が1.2g、カリウムが37mg、リンが71mgとなっており、他にはモリブデンが69μgとなっています。ちなみにモリブデンは一般的な食事から通常十分に摂取可能ですが、不足すると頻脈や頭痛、高盲症などを引き起こす恐れがあるものです。

次に学校給食用強化品のアルファ化米の成分ですが、上記したアルファ化米の成分とほぼ同様です。

出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

賞味期限はあるの?

登山だけではなく、震災の非常事態時にも使われたアルファ化米は保存に向いていそうなイメージですよね。また、味も美味しく食べられるかどうかが気になるところです。アルファ化米の賞味期限は5年間と設定されているものが多く、この期間内であればふっくらとしたお米で美味しく食べることができます。

しかし、賞味期限とは「美味しく食べられる期間」であるため、期間を過ぎてしまったら食べられないと通常では感じますよね。しかし、アルファ化米は賞味期限が超過しても食べることはできます。記載されている期間に消費期限というものが載っていると思いますが、この消費期限を過ぎても食べることが可能です。

しかし、消費期限を過ぎたもので、臭いが変だと感じたり、見た目でカビの発生が認められる場合は食べるのを避けた方が良いでしょう。

自作もできるアルファ化米

販売されているアルファ化米は長期間保存可能だけではなく、保管方法も常温で良いため、冷蔵又は冷凍が必要ない点も魅力です。そんなアルファ化米は自作もできるものですから、自分で作ってみるのも良いでしょう。

自作してみよう

アルファ化米は市販で販売されているものは少し値段が高めです。そのため、できるだけ安く済ませたいという方には自作を検討してみるのも良いでしょう。アルファ化米の作り方はまずお米を一合ごとに小分けし、耐熱性のお皿に広げて電子レンジで加熱します。この時、加熱+乾燥の過程も入れたいため、一度に加熱乾燥を行うのではなく、5分間を目安に数回加熱していくのがアルファデンプンを閉じ込めるコツです。

手順では1~3回目の加熱乾燥で5分間を目安にし、4~5回目に3分間を目安に加熱乾燥していくと良いでしょう。電子レンジが鳴ったらドアを開け、お米の水蒸気を抜いてからほぐし、冷まして乾燥させたら完成です。

アルファ化米の味

アルファ化米は市販のもので非常にたくさんの種類がありますが、味はどれも保存食と思えないほどの美味しさです。ふっくらとした食感はまさに家庭で食べるご飯にそっくりで、普段の生活の中でアルファ化米が出てきても一般的なご飯と判断が付きにくいほどです。

食べ方はどうする?

アルファ化米の食べ方は一般的なご飯とさほど変わりがないため、あらゆる調理法が可能です。お米の状態からご飯に仕上げるまでは少し長いと感じますが、あなたの好みのものにアレンジしてみると良いと思います。

ふっくらご飯に戻すには?

アルファ化米を通常のご飯に戻すには、お湯に15分間、水で60分間置くと粒が水分を吸収して元の大きさのご飯に戻ります。簡単なやり方なため、誰でもすぐにアルファ化米を食べることができます。

食べ方をアレンジ

アルファ化米をもっと何か別の方法で食べたい場合はアレンジを加えてみましょう。熱を加える調理法の場合は、お米を戻さずそのまま使うことができるため、リゾットやカレーなどにアレンジでき、アルファ化米の乾燥具合を生かしてチャーハンにするとパラパラっとした本格的なチャーハンを作ることができます

また、おじややピラフなどに使っても美味しいため、好みのアレンジで食べてみましょう。

これから大活躍間近いなしのアルファ化米

何十年後かには大規模地震が起きると言われている日本ですから、対策をしていくために今から準備しておくと安心です。特に食事関係は保存がきくものか第一ですから、アルファ化米を上手に活用してみると良いでしょう。普段使いもできるお米ですから、今から使い方に慣れておくと今後困ることなく活用することができますね。